「オーストラリア」と聞くとまだワールドカップでの痛みがちくっと疼く気がしますが(笑)、この絵本を読めばとすぐにそんな気分は気持ちいい大陸の風に吹き飛んでしまいます。
オーストラリアは世界一大きい島、そして世界一小さい大陸です。シドニーの街並み、ヨットの形のシドニー・オペラハウス、キングス・クロス・・・そこを横切るとタロンガ動物園。珍しい動物達に出会えます。カンガルー、コアラ、ウォンバット・・・。次はキャンベラ、メルボルン、そしてアボリジニ。そうやってどんどん横断していくのです。
とにかく読み進んでいくだけで本当にオーストラリアを旅している気分を味わえるのです。絵も大きく大胆、洒落ていながら正確に伝わってきます。国の歴史や風土、その国の持つさまざまな表情、そういったものまでさりげなく伝わってきます。堅苦しい図鑑とは違います。あくまで絵本として楽しめるのです。それがこのシリーズの魅力。
作者サセックは、若き日にプラハで建築をパリで芸術を学び、それから世界の都市を旅しながらこの「ジス・イズ」シリーズを描いたのです。「ニューヨーク」に始まり「サンフランシスコ」「パリ」・・・と続いて現在日本では10作出ています。今後8冊出る予定です!それだけ世界を通じて子供から大人まで虜にしているシリーズなのです。さぁ、他の国も読みたくなってきたでしょう。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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