このちょっと気の抜けちゃう様な題名と、これまたちょっと拍子抜けする位シンプルな絵。でも読んでいて自分の亡き祖父を思い出して、なんだか気になってしまったのです。
ひろい国の立派な王さま。まじめで仕事が山のようにあり遊ぶ暇なんて全然ないのです。でも、ある夜考え事が多くてどうしても眠れませんでした。そこで思いついてベットの上を飛び跳ねてぼよーん、ぼよよーん。それが楽しくてすっかりやみつき!心配ごとがひとつづつ消えていくのです。ところが、その様子を家来の一人に見られてしまい・・・。
別に祖父がベットの上で飛び跳ねていた訳でも、仕事が山積みで遊ぶ暇もなかった訳でもありませんが・・・最後の場面、王さまが死にそうな時に言った一言。「もういちどだけ わしを べっとのうえで はねさせてくれ。」うちの祖父は厳格で固かったくせになぜかディズニーランドが大好きで、亡くなる直前に最後にもう一度ディズニーランドに行けて良かった、と語り継がれている話があるのです。いつもむすっとまじめな顔している人がベットでぼよよーんとして喜んだり、ミッキーに会って喜んでいる姿ってとっても可愛らしくてチャーミングだと思いません?
そんな訳でちょっと他人事には思えなかったこのお話。遊び心の大切さのメッセージとしても伝わってきます、もちろん。でも、人ってギャップがあればあるほど魅力的かも。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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