大阪発“わらって元気!”
自然豊かな田舎に住む男二人が、山の中で見つけた妙なレストランに入り、変な客と主人と交流する話。
イタリア料理で「いろり」という看板。イタリアならぬ、イ タリアで「た」抜き…古典的なギャグと三枝師匠オリジナルのギャグが交錯するカオスな世界。かわいいのか、どうか微妙な味のある絵が雰囲気を盛り上げる。主人公のおっさん2人が、ページによって顔が違うように見える…不思議な現象は物語だけではなく、絵本の方にも仕込まれているようだ。
上方落語の語りの世界が、活字になると、そのテンポや声の調子を読者が自由に自分の頭で想像・再現しながら、絵本の世界を読んで作り上げる楽しみがある。実際に落語を聞いたことがあるので、なんとなしに三枝師匠の感じで軽快に読めて大満足。ファンタジー感満載、珍妙な世界を堪能できる。
殆ど会話だけで物語がうまい事成立している凄さも実感。大人が読んでも十分楽しめる一冊。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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