「うみべのまちと やまおくのむらを むすぶ うみやまてつどう。
うみやまてつどうでは ふしぎなことや たのしいことがおこります。」
間瀬なおかたさんが描く「うみやまてつどう」シリーズ第3弾。
人情味あふれる鉄道の運転手や車掌さん、乗客、動物たちがくりひろげるあたたかなストーリーで楽しませてくれるこのシリーズ。今回はどんな出来事がおこるのでしょうか・・・。
うみべ駅を出発した電車はしばらく海沿いを走ります。はまべ駅のあたりは白い砂浜。
このはまべ海岸に、いつのころからかいるかが姿をあらわし、電車と競争するのが楽しいというように、電車を追いかけてくるようになりました。
はじめは1頭だったいるかが、2頭になり、そして小さないるかもうまれて3頭に。
電車の中から、海のいるかを見るのを、みんなが楽しみにするようになってしばらくして、いるかたちの姿がとつぜん見えなくなりました。
「どうしたのだろう」とがっかりするお客さんたち。
そんなある日、車掌のかとうさんはすっぽりコートを着た2人連れのお客に「きっぷをはいけんします」とちかよりました。2人は何かを抱えています。
顔をのぞきこんだかとうさんはびっくり。なんといるかの子が病気になり、2頭のいるかが子どもを抱いていたのです。
かとうさんはいそいで乗客に「どなたかおみずをもっていませんか?」とよびかけ、必死で世話をしますが・・・?
いるかの子どもは助かるのでしょうか。3頭そろって元気いっぱい、海の上をとぶ姿を、もう一度見られる日はくるのでしょうか。
かとうさんは、うみやまてつどうの制服がよく似合う、かわいらしい女の車掌さん。制服のベストをぬいで、いるかの子に着せてあげます。電車好きの男の子はもちろん、女の子にもおすすめのお話ですよ。
シリーズ恒例、観音開きの驚きのページもお楽しみに。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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