ここはある小さなレストラン。
店のご主人お気に入りは……壁にかかった「タベールだんしゃく」の絵。
この絵にはちょっとした秘密があって、真夜中になると、絵からだんしゃくがぬけだしてくるのです。
まんまるな目に、愛嬌たっぷりにカールした口ひげ。そして、上等そうな赤紫の洋服。
絵そのままの姿で抜け出してきただんしゃくは、今夜も鍋の中や冷蔵庫をあちこちのぞいてまわります。
じつはつまみ食いが大好きなタベールだんしゃく。
けれど今夜は……食べすぎたせいで、絵の中にもどれなくなってしまいました!
「たいへんだ!! あさまでに なんとか やせて もどらなくては。」
タベールだんしゃく、どうする!?
パクパクモグモグごちそうをほおばる姿や、ふくらみすぎたお腹をぎゅっとベルトでしめてみたり、むりやり体を額の幅におさめようとしたり、絵の中にもどろうとして悪戦苦闘する姿。
どのだんしゃくも、しぐさや表情がかわいらしくて、おかしくて笑っちゃいます。
わが家の子どもたちは、太ってまんまるのほっぺになっただんしゃくの顔が大のお気に入り。
タベールだんしゃく流のダイエット法を楽しみに読んでくださいね。
本作品は、作者のさかもといくこさんにとってはじめての絵本だとか。
作者の愛情を感じる「タベールだんしゃく」、続編も期待しちゃいますね!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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