魔女に育てられたラプンツェルは、魔女の他、誰も知りませんでした。森の奥の高い塔の中でいつもひとりでした。
塔には、窓も扉もありませんでした。ところがある日、ラプンツェルは王子に出会い、恋に落ちたのです。
それを知った魔女は――。ラプンツェル、王子、魔女、それぞれが孤独で、それぞれが愛を渇望している姿は
亭獰猛ですらある――そこを描きたかったという内田也哉子さん。水口理恵子さんの描く世にも美しい
ラプンツェルの姿には息をのむことでしょう。宇野亜喜良さんのアートディレクションと共に3者が奏でる音楽のようです。
静かな緊張感をもって完成された、上質な品格を感じる絵本です。
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