「さいしょに気がついたのは麻里ちゃんだった」――と始まる物語に、えっ?と目をきょろきょろさせてしまいます。
あ、この青いリボンの箱ね、と絵の中から見つけ出したとたん、読者は麻里ちゃんになっています。
「なんでもあとで……だわ、ずうっとむかしから……」という麻里ちゃんの声は小さな子どもたち全ての声かもしれません。
麻里ちゃんの姿から幼い自分を、大人には見えなくなってしまったものが子どもにはちゃんと見えているということを、
思い出すのではないでしょうか。誰のところにも熊ちゃんはいるのかもしれません。
子どもの孤独を描いた最高傑作の絵本です。
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