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まほうのさんぽみち

まほうのさんぽみち(評論社)

絵本が大好きな女の子とパパの、幸せであたたかいお話。

吉野弘詩集

吉野弘詩集

  • 児童書
著: 吉野弘
出版社: 角川春樹事務所

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発行日: 1999年04月
ISBN: 9784894565173

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あなたは風だったかもしれない

 遠い昔、中原中也が好きだった。
 「中原中也の詩だろう」と問われれば、「いや、中原中也その人が」と答えたい。
 巷間に知られた恥じらったような美少年の写真といい、長谷川泰子という女性を小林秀雄ととりあったことといい、若くして亡くなったことといい、中也そのものが詩であるような気がする。
 まさに「汚れつちまつた悲しみに」だ。
 中也そのものがある意味詩人の典型のように思っていた。
 それからたくさんの水が橋の下を流れ、中也が亡くなった年齢もとっくに越してしまって、どうもそうではないのではないかと気づいた。
 詩人であれ、まっとうな社会人であり、家庭人たりうる。
 そんな詩人の一人は、吉野弘であることは間違いない。

 吉野弘といえば、「祝婚歌」といわれるほど有名な詩がある。あるいは教科書にも載った「夕焼け」という詩も広く知られている。
 この詩集にはそういう代表作も収録されているが、吉野弘の単独詩集であるから、目にしたこともない詩も多いだろう。
 例えば、私は「生命は/自分自身だけでは完結できないように/つくられているらしい」という節で始まる、「生命は」という詩が気にいった。
 その詩の最後はこうだ。「私も あるとき/誰かのための虻だったろう//あなたも あるとき/私のための風だったかもしれない」、そんな虻と風が出会って、「愚かでいるほうがいい/立派すぎないほうがいい」という「祝婚歌」の世界につながっていくのだろう。

 もうひとつ、この詩集の特長でいえば、言葉遊びの詩が数多く収録されていることだ。
 言葉遊びといえば谷川俊太郎が数々の詩を発表しているが、吉野弘も負けてはいない。
 気に入ったのは、「主婦」という詩。「婦」という言葉を分解して、「主(おも)に帚(ほうき)を使う女」と読めることに詩人はそうではないと異議を申し立てる。「主(あるじ)に帚(ほうき)を使う女」。
 詩人の目の鋭さと文字に対するセンスの良さを感じないだろうか。

 吉野弘に「「汚れつちまつた悲しみ」は隠されているが、もっともっと読まれるべき詩人だ。
(夏の雨さん 60代・パパ )

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