クマくんの気持ち、わかる。
寝る前にちょっと誰かに話を聞いてもらいたいだけ。
じゃないと落ち着かないんだよね。
でも、みんなは冬じたくや冬眠準備の真っ最中。
忙しいのです。
クマくんは話を聞いてもらいたくて、
ネズミくんと一緒に木の実を探し、
カモくんに風向きをしらべてあげて、
カエルくんの寝床をつくってあげて…
結局誰にも話を聞いてもらえないまま、みんなとしばしの別れを交わします。
なんて健気、なんて優しいクマくん。
そんなクマくんも、やがて眠りにつきます。
そして「春だ!やっとみんなに話をきいてもらえる」
クマくんがまずとった行動は…?
クマくん、大好き!
ネズミくんやカモくんたちに比べて大きな大きな体をしているのに、
ダントツに子どもっぽくて、可愛くて、優しくて。そして忘れっぽくて(笑)。
もう物語の後半になってくると、読者はネズミくんたちとすっかり同じ気持ちになっているはず。
「がんばれ、クマくん。話を思い出すまで待っていてあげるから。」
いい友だちに囲まれているね。
そんなクマくんの愛らしいキャラクターの背景には、
秋から冬、そして春へと移り変わる静かで美しい自然。
心を穏やかにしてくれる絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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