西アフリカ・シエラレオネ共和国。北海道ほどの面積に人口約450万人のこの国は、世界の医療統計において最低ランクに位置づけされています。平均寿命25〜35歳、乳児死亡率、五歳未満の乳幼児死亡率、妊産婦死亡率…。これらの医療統計すべてにおいて世界最悪の数字を記録しているのです。
2年前、そのシエラレオネに国境なき医師団の一員として派遣された著者は、現地での活動を一冊の本「世界で一番いのちの短い国−シエラレオネの国境なき医師団−」(白水社)にまとめあげました。この本は大反響を呼びましたが、同時に読者から「子どもたちにも読める本を」との要望が多く寄せられました。その声に応える形で実現したのが本書「シエラレオネ 5歳まで生きられない子どもたち」です。そのため、本書は著者自らが撮った写真を中心とし、小学生でも読めるように簡潔な文章を用いて総ルビにしました。
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