カレーが大好きな子も、カレーには目がない大人もこの絵本に出てくる「とっておきのカレー」に絶対にまいっちゃうはず!一体どんなカレーだというのでしょう。
舞台は深い森の山の中にある一軒の小さな山小屋。今日もおいしいカレーのにおいがしてきます。ハイキングで泊まりにやってきた子ども達が、夕食のカレーを美味しそうに食べる様子を見て満面の笑みを浮かべる山小屋のおじさん。おじさんは今までカレーを食べにきた珍客の話を始めますが・・・。
あまりにも素朴でほのぼのとした様子に油断していると、その後の意外な展開の繰り返しに驚かされちゃいます。珍客というのはカモシカ、ふくろう、そして!?
この作品、なんだかとっても不思議で独特な雰囲気。まず、カモシカがカレーを食べている場面。カモシカとカレーという妙な組み合わせというのもあるのでしょうが、この構図、表情、色。一度見たら忘れられないパワーを感じてしまいます。どのページも画面の隅々までとても丁寧に描き込まれていて、それが個性的な空気感を醸し出しているのかもしれません。そしてとても美しい!
作者のきたじまごうきさんは実際に山小屋で働きながら絵を描かれていたそうで、この絵本はそこでの体験をモチーフにつくられたのだそうですよ。どんな体験をされたらこんな絵本が生まれるのか、気になっちゃいますよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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