誰にもある「家族」に起こる、小さくて大きな物語を
印象的なタッチの漫画と短い文章でつづった漫画エッセーの第四弾。
「悲しみも、哀しみも」と副題が付けられた新作は、文字通り「かなしいお話」が続きます。
当然誰もが毎日楽しく幸せが続くことを祈っています。しかし一方で、それは不可能なことも経験的に知っています。
そうであるとすると、悲しみや哀しみとどう付き合うかも、人生の味わい方のひとつと言えるでしょう。
2011年3月の東日本大震災では、多くの人が、想像もしなかった悲しみに打ちひしがれました。
その悲しみは、随所で今もたくさんの人を苦しめています。
4巻に載っている漫画エッセーは、被災地で巡回展も行われ、幾人もの人から「励まされた」の声が聴かれました。
永遠に続く悲しみはありません。また、あってはいけないものだと思います。
一歩前に進むきっかけになり得る本書です。
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