二日月

二日月

  • 児童書
作: いとう みく
絵: 丸山 ゆき
出版社: そうえん社

在庫あり

税込価格: ¥1,430

  • ◆『見積書』は商品を買い物かごに投入後、作成いただけます。
  • ※かごに入れても商品の確保は完了いたしません。お急ぎの際には、お早めに購入手続きの完了をお願いいたします。
  • ※「取り寄せ注文する」の際には、出版社の在庫状況により、お取り寄せできない場合がございます。あらかじめご了承ください。

作品情報

発行日: 2015年11月
ISBN: 9784882645375

19.4cm x 13.4cm 207ページ

みどころ

待望の赤ちゃんが産まれて、晴れてお姉ちゃんとなった、主人公の杏。
お母さんとお父さん、それから妹の芽生といっしょにはじめて四人で撮った写真は、みんな笑顔で写ってる!
それなのに、芽生が生まれて一ヶ月、お母さんもお父さんも、なんだか様子がおかしい。
深刻になるのは、怖い。
それでも杏は勇気を出して、芽生のことをたずねました。

「芽生、病気なの?」
「芽生は、長く生きられないかもしれない。障がいが出るだろうって、言われたんだ」

ミルクがうまく飲めない芽生の体は、いつまでも細く、小さいまま。
病気にもかかりやすくて、救急車を呼ぶこともしばしばです。
それでも、ほんの少しずつでも芽生にできることが増えていくと、家族みんなで大喜び!
芽生は、懸命に生きている。
それなのに、家族を傷つけるものは、思ったよりもたくさんあって……

鼻に管を通している芽生を見て、なんの気なしに発せられた「かわいそうに」という一言。
長生きできないという前提で話すお医者さんの言葉。
そして、なにより杏を傷つけたのは、心から妹を愛する反面、そんな妹を疎ましく思ったり恥ずかしく感じてしまう、自分自身の心でした。

「迷惑をかけるから、養護学校に通えばいいのに」
「迷惑だなんて思わない。でも、かわいそうだとは思う」
「なりたくて障がい者になった人なんていないもんね」

自分たちの学校に通う障がいを持った児童について、杏の友人たちが交わした言葉です。
彼らの話を聞いて、杏はその意見のどれにも、なにかモヤモヤとした思いを抱きます。

「あたしだって芽生のこと、かわいそうって思うことはある。でも、人に言われたくない。かわいそうなんて思われたくない」

障がいを持って生まれるとはどういうことなのか。
家族でそれを支え、共により良く生きるにはどうすればいいのか。
大人でも答えを出すのはむずかしいそんな問題と、まだ小さな杏は、突然向き合うことになります。
認めたくない自分自身の心の変化や、芽生を見る周りの目にとまどい、傷つきながらも、懸命に答えを探す杏。
そんな杏といっしょになって、「人を思いやる」ということの本当の意味を考えさせてくれる、やさしい一冊です。

ある日、杏は芽生と散歩に出たお母さんのあとを、こっそりつけていきます。
そしてじっと足を止めたまま、19秒もの間、公園に入るのをためらってたたずむ、お母さんの姿を見つけます。
そのあと公園で杏が聞いたのは、芽生に浴びせられた胸の裂けるような悲しいひとことでした。
どうしてお母さんは、わざわざ傷つくとわかっていて公園におもむいたのでしょう?

「よかったね、芽生、ママの子どもに生まれてきて」

そのあまりにもやさしい決意の意味を知ったとき、お母さんが立ち止まったまま過ごした19秒の重みに、心ふるえずにはいられません。

(堀井拓馬  小説家)

出版社からの紹介

あたしの妹、1歳の芽生。
まだ歩けないし、立てないし、ハイハイも、おすわりもできないし。
そういうことができるようになるかもわからない。
だけど、芽生はあたしのそばにいる。
あたしはいつも、芽生のそばにいる。

ベストレビュー

障がいの子のいる家族

障害者の生活介護施設で働いているから、このようなテーマは痛烈です。
障がいを持って産まれてきた赤ちゃんと、親はどの様に受けとめて来たのだろう、兄弟姉妹の思いはどうだったんだろう。
私が接しているのは学童であったり、成年だったりするので、幼少期のことは知りません。
でも、家族がいろいろな壁を乗り越えて、今が有るのだと思ったら、杏の家族が、家族として成長していく姿に感動しました。
(ヒラP21さん 60代・パパ )

いとう みくさんのその他の作品

ココとナツのひなまつり / 空木の庭 / TRUE Colors 境界線の上で / 1ねん1くみの女王さま ゴーゴー!がくげい会 / あおのいえ / 1ねん1くみの女王さま 第1期 既4巻

丸山 ゆきさんのその他の作品

ひまりのすてき時間割 / あおぞらこども食堂はじまります! / AIロボット、ひと月貸します! / まほうのハンカチ / チ・ヨ・コ・レ・イ・ト! / すみれちゃん、おはよう!


PAGE TOP

  • 子どもに絵本を選ぶなら 絵本情報サイト 絵本ナビ
  • 絵本ナビスタイル 絵本から広がる子育て
  • 絵本の定期購読サービス 毎月お届け 絵本クラブ
  • 英語を絵本で楽しく学ぶ 絵本ナビえいご