
第1回フレーべル館ものがたり新人賞大賞受賞第1作! ?しずかに過ぎるわたしだけの15分?
生まれてからずっとママとふたり暮らしの小6のふみ。家のこと、学校のこと……ストレスから十円玉サイズのハゲができ気にするが、だれにも相談できない。
ママは絵描きで料理が苦手。ふみがつくる料理は絶品で特にスパイスを使ったインドカレーはママも大好物。ある晩、食卓でパパがインドにいる、と聞かされ、生きていることすら知らされていなかったふみはショックを受ける。
母と娘のハートフル物語!
↓本文より引用 なべに油を引き、弱火でニンニク、しょうが、シナモンスティックをいため、ニン ニクのかおりがしてきたら玉ねぎを投入。タイマーを十五分後にセットして、あとはただゆっくり玉ねぎをいためる。 この十五分を、わたしはきつねの時間とよんでいる。 きつねの時間はしずかに過ぎる。木べらを持つ手を動かしてるうちに、換かん気き 扇せ んの音 も聞こえなくなって、頭の中はふわふわどこかへ飛んでいく。
*本作は日本児童文芸家協会主催第18回創作コンクールつばさ賞〈読み物部門〉にて優秀賞を受賞。

きつねの時間
きつねの時間とはなんぞや?
表紙はきつね色だけどきつねの絵、描いてないし?
もくじを見たら しょっぱなから男の子(孝太郎くん)のこと嫌いになってる。そして、インドカレーだとかポンパドールだとかプニュプニュだとか、、、きつねはどこ?
孝太郎くんのこと嫌いになったわけは、なるほど!!そうそう、あるよね、こういうことって、女子には、と、自分にもそんなことがあったなあと共感しながら読み進む。
でも、ふみを取り巻く環境は小6の子どもが抱えるにはハードなもので、お気楽な小学生時代を送っていたあの頃の私だったら読んでも よく理解できなかっただろうなあ。
それでもふみは、あれやこれや自分なりに考えて、幼なじみの友達にも助けられ、身に降りかかる問題に折り合いをつけながら成長していく。
読み進むうちに ふみの心の動きに寄り添うように 息をひそめながら一気に読んでしまいました。 読後感、爽やかな一冊でした。(今、見たら、表紙にきつねの絵が隠れるように描いてありました。) (スベトラーナさん 50代・その他の方 )
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