
「あした つなひき たいかいを かいさい します」 のはら、くさむら、もりのなか、つちのうえ、みずべまで! 虫たちの住むいろいろな場所に、招待状が届きました。「なになに?」「いつやるの?」 虫たちは興味津々です。
そしてつなひき大会の日。集まった虫は、なんと100ぴき! 赤組と白組に分かれて、さあ、勝負のはじまりです!「オーエス オーエス ひっぱれ ひっぱれ」 みんなで力を合わせて、大接戦! この勝負、一体どうなるの!?クライマックスの観音開きのページは、迫力満点です。
絵本の魅力は、なんといっても虫たちのかわいさ! 赤と白のはちまき姿も、つなを引っ張る真剣な顔も、終わった後の様子も、どのページをめくっても最高にキュートなんです。
作者の矢野アケミさんは、この絵本を作るにあたって、虫を観察したりスケッチしたりしているうちに、「虫ってすごい!それにカワイイ!」と図鑑が愛読書となり、中学生のころに虫イヤイヤ期もあったものの、虫スキスキ期に変わったそうです。絵本からは、その「虫愛」がたっぷり伝わってきます。たとえば、虫たちが住む場所が細かく描き分けられていたり、登場する虫たちが、蝶ひとつとっても「もんしろちょう「もんきちょう」「あげは」「ごまだらちょう」のように、種類までしっかりわかる形で描かれているので、虫好きの子も大満足することでしょう。たとえ、ちょっと虫が苦手という子でも、「虫ってかわいいかも」と心が動かされちゃうはず。ぜひ、お気に入りの虫を探しながら、みんなで一緒に「オーエス!」と応援してくださいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)

ある日、野原や草むら、森や水辺などに住む100匹の虫たちに綱引き大会の招待状が届きました。虫たちは赤組と白組に分かれ、力いっぱい勝負開始! 「おーえす!おーえす!」と掛け声が響き、大接戦に。ところが、勝負の行方は思わぬ展開に…!? ページを広げると、まるでその場にいるような気分を味わえる、楽しい仕掛け絵本。

会話がおもしろい
私は虫に詳しくないので、一匹一匹丁寧に描かれている虫たちにくぎ付けになりました。
そして、小さな文字で書かれている、虫たちの会話にハマりました。
まるで、小さな物語がそこかしこで展開されているようでした。
綱引きの結果は、綱が切れてしまったため引き分け。
これだけたくさんの虫たちが登場したのだから、それも良いかな、と思いました。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子23歳)
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