
「あなたのとなりを見てください ひろしまの子がいませんか」
日本が戦争をしていた1945年8月6日午前8時15分、アメリカ軍によって広島に世界ではじめて原子爆弾が落とされ、多くの尊い命がうばわれました。
詩や絵で表現することを通して反戦平和の活動に取り組んだ四國五郎氏が、1980年8月6日にヒロシマで行われた原水爆禁止世界大会のために作られ、1万人の前で読まれたのが「朗読詩 ひろしまの子」です。
終戦後80年、世界では今も争いが続いています。この節目の年に絵本作家長谷川義史さんが「今を生きる人たちに伝えなければ」と決意し、絵本化。詩の中で繰り返し登場する被爆死した子どもたちを描くために取材やスケッチを繰り返し、完成させた渾身の一冊です。
「ひろしまの子は 丸顔です すんだひとみを しています あなたを じっと見つめています」
登場するのは、被爆前の子どもたちの笑顔。戦争が始まる前、原爆が投下される前には、それぞれの人の生活があり、子どもたちも日常を生きていたのです。それが一瞬で奪われてしまうのが戦争なのです。
「戦争は絶対にしてはいけない」
私たちは、すぐ隣にいるひろしまの子を思い出し、そのひとみを見返し、約束しなければなりません。あやまちは決して繰り返さないこと、決して許さないこと。絵本だからこそ届く、強い思いというものがあります。広く読まれていくことを願います。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

「あなたのとなりを見てください ひろしまの子がいませんか」反戦平和の詩画人・四國五郎が書いた朗読詩「ひろしまの子」。原爆によって故なく命を奪われた子どもたちに、「過ちは繰返さない」と誓ってほしいと訴えた詩です。今も世界中で争いがつづくなか、戦後80年の節目の年に、長谷川義史の絵で絵本化します。

原爆で死んだ子どもたち
反戦の祈りをこめた一編の詩を絵本にしたものです。
群読しても良いかも知れません。
「おこりじぞう」を思い起こしました。
「戦争詩」という著作もあるようです。
選ばれた詩「ひろしまの子」は、四国五郎さんの長男光さんによって、若干の手を加えられ、長谷川義史さんの絵によって、子どもたちと共感できる作品になったと思います。
あの広島原爆の中で犠牲になった、多くの学童の心になってあの原爆を体感しようという試みです。
多くの学童は、建物強制疎開という、建物壊しの作業に出ていたようです。
疎開もできないから、その場にいたのです。
何より子どもたちは、素朴にその時代、その場所にいた子どもたちでした。
そんな「ひろしまの子」が、すぐそばにいると思ったら、彼らの生命を抹消した原爆の理不尽さに、直面するしかありません。
描かれたひろしま子たちの顔は、みなこちらを向いています。
読む人の表情を見つめ、語りかけているようです。
こんな絵本が、拡がっていくと良いと思います (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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