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しばわんこの和の行事えほん

しばわんこの和の行事えほん(白泉社)

お正月、節分、夏祭り...季節に縁のある遊びに触れながら、親子で楽しめる日本の行事をご紹介。

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ウイルスにマケマ戦隊 ゲンキーズ

ウイルスにマケマ戦隊 ゲンキーズ(フレーベル館)

マケマ戦隊ゲンキーズと一緒にウイルスをやっつけよう!

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調べものは、図書館に行って、百科事典にあたるのがセオリー!

───「図書館の使いかた」は、「自由研究の書きかた」で書ききれなかった部分を扱っていると伺いましたが、調べものをするとき、例えば課題となっていることについて詳しく載っている本ではなく、まずは百科事典で「定義」を押さえるということが驚きでした。

そうでしょう。これは大人でも知らない人が多いんですが、自分が調べることの定義を押さえることは、調べ学習の基礎中の基礎なんです。専門書から情報を得るのはその後です。

───そもそも「うちには百科事典がないから、図書館に行こう!」という発想を伝えるところも重要だと感じましたし、図書館に着いたらそこで終わりではなくて、着いてからどう行動するかということや、コピーの取りかた、案内マップの見かたまで、ひとつひとつ丁寧に紹介されているのもとても親切だと思いました。

実用書ですからね。実際に本の通りにやってみて、できるように工夫をしました。特に今回はとても具体的に、朝9時に子どもに「米のことを調べなさい っていわれたんだけど どうすればいいの?」って泣きつかれたお父さんが、10時に図書館に連れて行って、午後5時にレポートを完成させるためには、どういう風に子どもに教えたらいいか、子どもにどう行動させたらいいのかが分かりやすいように、時計を入れました。はい、ここからここまでが1時間ね〜って。

───本当ですね!各章の扉に時計が書いてある!

ここもビジュアルで分かりやすくなるよう、工夫したところです。

───本の中の調べものの内容をお米にしたのは意味があるのでしょうか?

小学校5年生になると、お米について調べるよう、宿題が出るんです。

───なるほど! そこも、実用性を重視したんですね!

でも、今の都会の小学生に米に興味を持つようにいっても、無理な話です。ただし、それは調べ学習のノウハウを教えなかった場合。この本の通りに百科事典で調べて、情報を集めて…と順序を追っていけば、子どもは確実に面白がります。 実は「図書館の使いかた」の最後の索引ページには「図書館の方へ」と公共図書館、学校図書館内で、この本をコピーして掲示しても良いですよという一文を載せたんです。

───それはすごく画期的なことだと思うんですが…。

「読書感想文の書きかた」を出したときに、公共図書館司書の方で、「本をコピーして、図書館の壁に貼ってもいいですか?」と聞いてきた方がいて、「いいですよ」といったら、隣に「読書感想文を書きやすい本」を並べた。そしたらその年の夏休みがすごく楽だったらしく…(笑)。だから今回はあえて、こちらから使ってもいいですよと許可を出すことにしました。

デザイナーさんと四苦八苦して作った「お父さんが教える」シリーズ

───新刊の2冊は、特にビジュアル化されていて読みやすく、1回で理解できる易しい作りになっていると感じました。編集者の方とは、どのようなやり取りをして、進められたんでしょうか?

編集者さんもデザイナーさんもこういったタイプの本を作るのは初めてで、「読書感想文の書きかた」と「自由研究の書きかた」の2冊は文字通り、四苦八苦しながら作りました。何度お願いしても、文字が普通の小説のように配置されてくるので、「ここは文字の大きさを変えて!」とか「ここは行変えをして!」と細かく指示を入れていきました。

───それは相当大変なやり取りですね。

そもそも、私は原稿を、広告の裏とかにラフを描いて渡すんですね。本来であれば、その通りにデザインしてもらえれば何の問題もないはずなんだけど、私にデザインセンスがないもので、作ってもらったものに大量に修正が入るわけ。だから3度手間くらいになっちゃうんです。でもそこは、デザイナーさんにごめんなさいと受けてもらいました。 慣れてくるとデザイナーさんも意図を組んでくれて、私がイメージした以上のものを作ってくれるようになって…。本当にありがたかったです。

本に登場するノウハウは、子どもと何回も接する中で積み重なってきた結果です!

───赤木かん子さんは、児童文学評論家としても有名ですが、私自身も学校の図書室で勤めていたときに、かん子さんの『学校図書館のつくり方』(光村図書)に大変お世話になりました。本業の評論をはじめ、講演会や小学校での出張授業、図書館の改装など本に関わる様々な活動をされていますよね。そもそも今のお仕事をしようと思われたのはなぜですか?

物心つくころにはすでに本が好きだったので、大人になったら本のことを仕事にしたいと思ってました。なので学生時代、本関係のアルバイトを手当たり次第全部やってみたんです。出版社も書店も印刷会社も取次も、あらゆる会社に行きました。そうしたら、なんと私は数が数えられないってことが分かって、本関係は全部全滅。だって、数が数えられないと本の発注は間違うし、紙の手配は間違うし…役に立ちませんよね。唯一残った職業が著者だったんです。

───子どもの頃から本が好きだったということですが、親御さんから読み聞かせなどしてもらった経験はありますか?

母は山のように絵本を読んで聞かせたといっているんですが、正直、一冊も覚えていなくて…。絵本は以前、『絵本・子どもの本総解説』(自由国民社)を作ったときに5000冊くらい読みこみました。母には申し訳ないですが、それが鮮明に残っている絵本の記憶かな…。

───学校図書館に関わるようになったのはどのくらいからですか?

公共図書館に勤めていたときに、図書館理事を任されたことがあって、そのときに地元の小中学校の先生と知り合いになったんです。せっかくだからと図書館を見せてもらいに行ってビックリ! 何十年前の図鑑がホコリをかぶったまま並んでいるし、棚の整理をしようにも、分類ごとに動かしていくと大騒動になるし…。ただ、それまでなんとなくぼんやりと「なんかヘンだ」と感じていたことがクリアになっていく感覚が面白くて。それから学校図書館の改装を本気で考えはじめたんです。

───そうなんですか! 子どもたちへの授業や、学校図書館の改装など、かなりハードなお仕事だと思うんですが…。

だって、今回の「お父さんが教える」シリーズも、その他の調べもの関係の本や紙芝居も、子どもたちがいたから作った作品なんです。私は基本、本にする前に、こんなノウハウがあったらどうだろう…と思ったものを子どもに試してもらうんですね。そうすると、子どもが分からないところや直した方が良いところを教えてくれるので、作り変えていきます。そうやって子どもたちが楽に理解できるようになるまでみがいていきます。そうするとね、本質に迫れるんですよ。

───現場で子どもたちと対峙しているからこそ、これらの本がとてもリアルに、すぐに役立つ形になっているんですね。子どもたちに見せて試してみる回数などは決めているのでしょうか?

それはないですね。これで分かってもらえる、大丈夫!という感覚ができるまでやります。 そのためには何十時間と授業して、内容を精査して、抜いて抜いて、もうこれ以上シンプルにはできない!っていうところまでいかないと、説明ができないんです。

───この本は、もうこれ以上ないってくらい、シンプルに書かれていますよね。

そう! このシリーズで取り上げているテーマは、難しく書こうとしたら、いくらでも難しくできる内容なんですよ。でも、それでは子どもに伝わらないので。どれだけ不必要なものを排除していけるかがカギなんです。

───そこまで考えて本を出されているのを知るだけでも、かなり衝撃を受けました…。現在、進行している作品、近刊などはありますか?

実は昨年9月から12月まで、紙芝居を18本作っていました。それは小学校3年生向けの 調べ学習のノウハウを紹介しています。それと並行して、5月までに書いた6冊分の本が、続々と刊行されます。最新刊は大修館書店から発売される、子どもが本嫌いにならないための解説本です。これは赤ちゃんから大人が対象の本なので、是非、絵本ナビのユーザーの方にも読んでもらえたら嬉しいです。

───あらためて絵本ナビユーザーに「お父さんが教える」シリーズのオススメポイントとメッセージをお願いします。

シリーズ4冊で、図書館での調べものと、「書く」方法論がクリアになりました。なので、このシリーズの続編を作るとしたら、次は「読解」を考えています。読解の場合3年生までがターゲットとなるんですが、この方法論を作り出すことが本当に大変で、四苦八苦しています。それができたら、ゆくゆくは高校生が小論文を書けるようになるまで広がっていきたいと思います。

───どんどん野望が広がっていますね!「お父さんが教える」シリーズ、読解編の完成を楽しみにしています。今日はありがとうございました。

インタビュー:秋山朋恵(絵本ナビ編集部)
文・構成:木村春子(絵本ナビライター)

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赤木 かん子(あかぎかんこ)

  • 1984年、子どものときに読んで、作者や題名を忘れてしまった本を、ストーリー の断片からお探ししましょう、という“本の探偵”でデ ビュー。以来、子どもの 本や文化の紹介、ミステリーの紹介・書評などで活躍している。図書館の改装・ 改善運動にも積極的に取り組み、近年では 特に小中学校の図書館の活性化に努 めている。『絵本・子どもの本 総解説』『かならず成功する読みきかせの本』 (以上、自由国民社)、『今こそ読みたい児童文学100』(ちくまプリマー)な ど、著書多数。

作品紹介

お父さんが教える自由研究の書きかた
お父さんが教える自由研究の書きかたの試し読みができます!
著:赤木 かん子
出版社:自由国民社
お父さんが教える 作文の書きかた
お父さんが教える 作文の書きかたの試し読みができます!
著:赤木 かん子
出版社:自由国民社
お父さんが教える 図書館の使いかた
お父さんが教える 図書館の使いかたの試し読みができます!
著:赤木 かん子
出版社:自由国民社
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