貝の火 貝の火
作: 宮沢 賢治 絵: おくはら ゆめ  出版社: 三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
親子のひばりは、沢山おじきをして申しました。 「これは貝の火という宝珠でございます。 王さまのお伝言ではあなた様のお手入れ次第で、この珠はどんなにでも立派になる
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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  ねこのピート第2弾 だいすきなよっつのボタン翻訳者 大友剛さん×カナガキ事務局長 対談イベントレポート

スーパーポジティブキャット・ピートとの出会いは…

───カナガキ:マジックと音楽、そして絵本を使ったライブ活動をされてきた大友さんが翻訳を担当した『ねこのピート』は、かなりノリノリな作品ですよね。ピートとはどのような形で出会ったんですか?

大友:ピートとの最初の出会いは、今日のライブ会場でもあるここ、ギャラリー・キッサなんです。

───カナガキ:では、今日はその思い出の場所での対談なんですね!


ギャラリーキッサでは、『ねこのピート』の作者、ジェームスさんのオリジナル作品が展示されていました。

大友:元々、ギャラリー・キッサのオーナーである瀧本さんが、アメリカでピートの作品に出会い、とても感動して、日本にもピートの作品と出会えるギャラリーをオープンしたんですね。そのときに、ひさかたチャイルドさんにピートの絵本を日本で出版できないか持ちかけて、その後、ぼくが翻訳を担当することになりました。

───カナガキ:最初にピートの絵本を読んだときは、どう思いましたか?

大友:まさにこの場所で、ピートの原画に囲まれながら、絵本「Pete the Cat‐I love my white shoes」と、原作者の絵本ライブ映像を観たわけですが、鮮やかな色と独特の雰囲気を持つピートの表情、そしてファンキーでロックンロールなこの絵本に完全に心を奪われました。

───カナガキ:作者のエリック・リトウィンさんはミュージシャンとして活躍されているんですよね。大友さんと通じる部分があると感じたのですが…。

大友:はい。歌の持つ力を信じているという意味で、共通している部分があると思います。ひさかたチャイルドの編集さんも「日本でも子どもたちに直接作品の楽しさを届けられるミュージシャンに翻訳を依頼したい」ということで、私に声がかかりました。それから、ピートの話をいろいろ調べているうちに、この絵本の根底に、“禅”の思想が流れていることを知って感動したんです。

───カナガキ:こんなにポップでアメリカらしいポジティブな内容なのに、禅の思想?と最初は驚きました。

大友:作品に落とし込まれているのは、「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」という教えなんですが、簡単に言ってしまうと「一日一日をありのままに受け入れ、精一杯生きることができたら、どのような日であっても全てがかけがえのない素晴らしい一日」だということですね。絵本の中でピートは、一日の終わりに「今日という日もまた、最高な一日であった」と振り返っているんです。

───カナガキ:それは子どもよりも、我々大人の方がグッと心に刺さりますね。

大友:ぼくもそう思いました。大人は絵本の根底に流れる思想に感動して、子どもは買ったばかりの白い靴でいきなり泥んこに突っ込んだりする、そんな自分たちと同じ目線、スタンスのピートに共感するんです。

───カナガキ:実際に翻訳をされて、大変だった部分はありますか?

大友:『ねこのピート だいすきなしろいくつ』の「かなり さいこう」という一文は、一番悩みました。原文では「I love my white shoes」となっていて、そのまま訳すと「大好きな白い靴」なんです。

───カナガキ:翻訳で大きく変更したんですね

大友:ぼくは月20回くらい、保育園や幼稚園でライブをしているので、そこの子どもたちに協力してもらい、「ねこのピート」の読み聞かせをしました。「I love my white shoes」の部分は、あらゆるポジティブな言葉で試したんですね。そのとき、圧倒的に盛り上がったのが「かなり さいこう!」だったんです。日本語訳としては、かなりくだけた言葉なんですけど、ぼくは子どもたちの支持が高かったこの言葉を選びました。

───カナガキ:ぼくも、この「かなり さいこう!」は大好きです。「かなり」がつくことで、今日も最高だったけど、明日はもっと最高かもしれない…という、未来への可能性を感じます。

大友:翻訳をしているときはすごく悩みましたが、「ピート」に合った表現だったと今は自信を持てるようになりました。

───カナガキ:「かなり さいこう!」も素晴らしいですが、「いけてる!」「いいかも!」という言葉からもピートらしさが感じられて、言葉のセレクトによってキャラクターの印象が大きく変わるんじゃないかな…と、翻訳作業の大変さを感じました。

大友:まさにその通りで、選ぶ言葉が微妙に違うだけで雰囲気も違うんですよね。例えば、ピートがいちごやブルーベリーの山に登った場面。原文の「step in」を最初「ピートが ふんだのは なに?」と訳したんです。でも、“step in”には、“自ら足を踏み入れる”というニュアンスが含まれているので、「のぼった」に変えました。

───カナガキ:ピートのスーパーポジティブキャットぶりが、とてもよく表れている言葉ですよね。読めば読むほど、ピートのキャラクターをとらえている翻訳に感じるのですが、以前から翻訳に興味があったり、やってみたいと思っていたのですか?

大友:いえいえ!ぼくは言葉を操るのが非常に苦手で、中学生くらいまで人前ではまったくしゃべれなかったんですよ。

───カナガキ:そうなんですか? すごく意外です。

大友:今、こうして話ができるようになったのは、ライブやイベントでたくさんの子どもたちに鍛えられたからなんです。今回の翻訳の仕事も、自分一人でやったのではなく、子どもたちの力を借りた部分が大きいんです。ライブの中で子どもたちの反応を見ながら、言葉を吟味したり、掘り下げたりする作業は初めてでしたが、すごく大きな経験となりました。

───カナガキ:翻訳が終わった後、原作者にお会いしたと聞いたのですが…。

大友:できあがったばかりの日本語版を持ってジェームスさんの住むアトランタへ行きました。アメリカでは、ジェームスさんと一緒に日本人学校を訪問して、ピートの読み聞かせで共演を果たすことができました。

───カナガキ:それはかなり貴重な体験ですよね!

大友:ぼくは公演で必ず「キラキラ星」を演奏するのですが、ジェームスさんも「自分にとって、とても大切な歌」と「キラキラ星」をライブで歌っているそうなんです。それを聞いたときは本当にビックリしました…。しかもネコの鳴き声で歌っているのを聞いて、二度ビックリでした(笑)。

「子育て」と「仕事」が完全にリンクしていることが、かなり最高!

───カナガキ:先ほど、お父さんのおはなしは伺いましたが、大友さんご自身はお子さんに絵本を読んだり、一緒に遊んだりするお父さんですか? 

大友:今、幼稚園に通っている息子がいるのですが、読み聞かせはよくします。ぼくにとって幸せなのは、自分の音楽活動と子育てが完全にリンクしていることなんです。遊び歌を作るときも、作曲するときも、息子とのかかわりで生まれてくることが多いですね。

───カナガキ:一般的にいうと、「仕事」と「子育て」は相反する部分があることもありますが、両方がプラスに働くというのはありがたいですよね。

大友:最近、ぼくが公演に行くときに一緒に連れて行くことが多くなりました。そうすると、舞台監督や音響、カメラマンの仕事にすごい興味を持って、「やりたい!」っていうんです。父親が仕事をしている様子を見せることができて、さらにそこからいろんなことに興味を広げていける。そうやって一緒にいられることを、幸せだなと感じています。

───カナガキ:では、今回の絵本の翻訳にも、息子さんの存在が大きく関わっているんですね。

大友:もちろん! 子育ての中で実践しながら、試行錯誤して作品作りができたので、「かなり最高だな」って思っています。

───カナガキ:今日は、歌にマジックに、対談に盛りだくさんのイベントで、ぼく自身「かなり最高!」な気分になりました。最後に、絵本ナビの読者に、改めて『ねこのピート』の魅力を伝えていただければと思います。

大友:『ねこのピート』は、楽しいだけではなく、禅の思想が根底に流れている作品なので、大人が読んでも受け取るものが大きい絵本だと思います。大きな震災に見舞われ、原発の問題が表面化している今だからこそ、この絵本を日本の子ども達と、そして大人にも届けたいと思い翻訳しました。ピートはぼくにとってすごく大きな存在です。ピートの「スーパーポジティブな生き方」はぼくのライブにも子育てにも反映されていると思います。絵本には楽譜もついていますし、HPでぼくのライブの様子も見てもらうことができます。ピートと一緒に「かなりさいこう!」と歌ってもらえたら嬉しいです。

───カナガキ:大友さんのライブを聞いて、ぼくも『ねこのピート』を演奏しながら歌いたくなりました! 今度、大友さんとライブをやるときは、音楽つきでできたら嬉しいです! 

文・構成: 木村春子(絵本ナビライター)

【取材協力】Gallery kissa(ギャラリー キッサ)
「kissa」とはフィンランド語で「ネコ」のこと。ピートの原画が楽しめる、とっておきのカフェです!
所在地:東京都台東区浅草橋3-25-7 NIビル4F
電話: 03-5829-9268  ファックス : 03-5829-9157
営業時間:水曜日から土曜日 12:00〜19:30  日曜日 12:00〜17:00
休業日 : 月曜日・火曜日

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大友 剛(オオトモ タケシ)

  • 「マジックと音楽と絵本」の楽しさとメッセージを、全国の子どもたち、家族、保育者へ届けています。また、保育者、図書館司書、教育者向けの公演やセミナーも精力的に行うなど、国内外で活躍中です。

作品紹介

ねこのピート だいすきなしろいくつ
作:エリック・リトウィン
絵:ジェームス・ディーン
訳:大友 剛
文字画:長谷川 義史
出版社:ひさかたチャイルド
ねこのピート だいすきなよっつのボタン
作:エリック・リトウィン
絵:ジェームス・ディーン
訳:大友 剛
文字画:長谷川 義史
出版社:ひさかたチャイルド
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