雨ニモマケズ 雨ニモマケズ 雨ニモマケズの試し読みができます!
作: 宮沢 賢治 絵: 柚木 沙弥郎  出版社: 三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
闘病生活のさなかに賢治が書きとめられたその言葉は、 作品として書かれたものではなく、 賢治の「祈り」そのものだった・・・・・・。
りひまるさん 40代・ママ

たくさんの人に
宮沢賢治さんの「雨ニモマケズ」こういっ…
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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  『台所のメアリー・ポピンズ』 おはなしとお料理ノート小宮由さん、アンダーソン夏代さん インタビュー

───ところで、小宮さんはお料理をされるのですか?

いいえ、私は料理ができないので、お料理ノートのところはアンダーソン夏代さんに完全におまかせしました。編集者さんからの依頼も、それぞれ別々に訳をお願いしたい、というものでしたしね。でもそれぞれのレシピの最後の方に〈メアリー・ポピンズより〉と入っているページや料理のタイトルについては、私も協力しました。
たとえばセイリングケーキに「バターをかき混ぜて、ふわふわのクリームにするのは、子どもたちでもできる作業です」など、メアリー・ポピンズの口調を意識しながら。料理名で言えば、「バターつきパン」は「バタつきパン」がいい!とかね。食べたくなりますか?(笑)

───なります、なります〜〜! 本のなかでとくに食べてみたいお料理、気になった曜日のメニューはありましたか?

聞いたことのない料理がたくさん出てくるので、どれも気になるんですが・・・羊飼いのパイは、食べてみたいですね。

───羊飼いのパイは、火曜日のおはなしに出てくる料理ですね。
アンダーソン夏代さんも火曜日のおはなしはお気に入りだそうです。ブーム提督のことを「こんな方なら、近所迷惑ですが決まった時間ごとに空砲を撃っても見逃したいと思います(笑)」とおっしゃっています!
(*アンダーソン夏代さんへのメールインタビューは3ページ目をごらんくださいね)
ちなみに、小宮さんお気に入りの登場人物は、だれかいますか?


    『台所のメアリー・ポピンズ』から抜粋

いやー、私は選べませんね。みんなちょっと変わってる不思議な人ばかりでしょう。ブーム提督も好きですけど、コリーおばさんもいいですね。

───コリーおばさんが指をポキンと折ると、麦アメになって、ジェインとマイケルにわたす場面は衝撃でした。
人物紹介に「(コリーおばさんの指アメは)何味になるかは毎日変わるのでわかりません」なんて書いていますけど(笑)。

このページは日本語版オリジナルのものです。この本しか知らない読者の方にもメアリー・ポピンズの不思議な世界がわかるように、人物紹介のページを作ったんですよ。私の思い入れが強すぎて文章が長くなってしまい、編集者さんにカットされたところもありましたけど(笑)。

───水曜日には、すべてがあべこべになってしまうターヴィー夫妻が来て、さかさまケーキをつくります。
木曜日にはメアリー・ポピンズのいとこのトイグリーおじさんが登場。金曜日にはセント・ポール寺院でいつも鳩にえさをやっている「鳥のおばさん」もやってきます。どれも楽しいおはなしですよね。
もしかして、この1冊を訳すにあたって、メアリー・ポピンズの他の本も読みなおしたのですか?

もちろん全巻読み直しました。『台所のメアリー・ポピンズ』のおはなしは、一話一話完結していて、ひとつずつは短いけれど、翻訳は苦労しました。林容吉さんが訳したメアリー・ポピンズの世界観が私自身も大好きだったので、メアリー・ポピンズファンの愛情を裏切らないよう、世界観を壊さないように、明らかにおなじ単語やせりふだろうなと思われる部分は、林容吉さんの表現をそのまま踏襲しています。おかげで私の岩波少年文庫は付箋だらけになりました(笑)。翻訳家となってからは、初めて読み直したんですけど、林容吉さんの表現の豊かさには改めて舌を巻きました。

───こんな本を書いたP.L.トラヴァース。どんな人だったのでしょう。

パメラ・リンドン・トラヴァースはオーストラリアで生まれました。父親の影響で小さい頃からアイルランドにあこがれ、20代半ばでイギリスに渡ります。両親から自分へと受け継がれているケルト民族のルーツを意識し、詩人ジョージ・ラッセルやイェイツと親交を深めていきます。メアリー・ポピンズを扱った作品は全部で10作品あり、1934年から1988年まで、じつに50年以上をかけて書きつづけているのです。
メアリー・ポピンズは3度、バンクス家にやってきます。そのときのことは『風にのってきたメアリー・ポピンズ』『帰ってきたメアリー・ポピンズ』『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』のなかに描かれていて、『台所のメアリー・ポピンズ』は3度目にやってきた間のできごとです。ですから、いわば番外編ですね。
今でこそ、「メアリー・ポピンズ」は世界の児童文学の古典なんて言われますが、トラヴァース自身は、これを子どものために書いた本だなんて一度も言っていません。

───そうなんですか?

ええ。そしてメアリー・ポピンズを「作った」とも思っていないようです。
トラヴァース自身が語っているのですが、「メアリー・ポピンズは、わたしをよろばせるために、じぶんからわたしのところへきてくれたのです。そして、いろいろな冒険に案内してくれたのですが、みんなが、たいへんおもしろいというので、ながく家にいてもらって、本を書くことにしたのです。わたしとしては、いっときたりとも、わたしがメアリー・ポピンズを作りだしたなどと思ったことはありません。きっと、メアリー・ポピンズが、わたしを作りだしたのだと思います」(『風にのってきたメアリー・ポピンズ』訳者あとがきより)
トラヴァースは、メアリー・ポピンズを通して、子どものみならず、それを忘れてしまった大人の心へも、おとぎばなしの世界を復権させたかったのでしょう。目に見える現実的なものだけでなく、感じること、センスオブワンダーを持って生きて欲しいと願っていたのではないでしょうか。
『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』のなかで、ゾウのアルフレッド(フランネルで作られたぬいぐるみ)がメアリー・ポピンズのことを「あの人は、ほんとになったおとぎばなしです」と言うシーンがあるのですが、そのひとことがこのシリーズ全体を表しているのかな、と思います。

───目に見える現実的なものだけでなく、感じること。センスオブワンダーを持って生きること。
そんなふうに受け止めると、『台所のメアリー・ポピンズ』の不思議なおはなしが、ますます魅力的に思えてきます。


記念にパチリ

本を開けば、メアリー・ポピンズの世界へつながっていますよ。
私たちの愛情がいっぱいこもった『台所のメアリー・ポピンズ』を、みなさんの大切なだれかにぜひ手渡してください。

───小宮由さん、ありがとうございました!

>>次のページでは、アンダーソン夏代さんに、メールインタビューさせていただきました!

<絵本ナビ編集部より 翻訳者・小宮由さんについて>

くまのテディ・ロビンソン、ぼくはめいたんてい、その他マーガレット・ワイズブラウンやマックロスキーなど、素敵な本をたくさん訳されている小宮由さん。じつはご実家は、熊本で子どもの本の専門店「竹とんぼ」を営まれ、亡くなられたおじいさんは北御門二郎さんというトルストイの翻訳家でもありました。

先日、都内本屋さん主催のトークイベントで、石井桃子さんと北御門二郎さんについて語られた小宮さん。最初依頼があったときは石井桃子さんについて語ることは断られたそうですが、「私より年下の子どもの本の編集者や翻訳家で、石井桃子さんと直接関わりがある人はもういないかもしれない。ならば、その最後の世代が石井先生について語ることは、一つ意義があることかもしれない」との意思で引き受けられたのだそうです。 石井桃子さんにはじめてお会いしたのは中学生。その後自分の意志で会いにいったのは大学生。以来、石井桃子さんのかつら文庫におじゃましたり、編集者としてお話したり、亡くなられるまで親交があったそうです。
翻訳については、師匠とあおぐ間崎ルリ子さんから学んだことをはじめ、渡辺茂男さん、光吉夏弥さんなどの後釜を務めることもあり、自然に先駆者の世界観を尊重しつつ、わかりやすい新訳をつけることに意識があるとおっしゃる小宮さん。 その名前や文体から、女性であると思われることが多いようですが、「いいえ。いいおっさんです」「でもきっと、前世はおばさんだったでしょうね」と笑います。メアリー・ポピンズを訳すときは、「メアリー・ポピンズになりきっていましたね」と編集者さんに言われていました。

家庭では、小学生になる長男のサッカーや、次男の保育園のOB会役員も積極的に担う、お父さん。子ども時代にどれだけおもしろい本に出会えるか。それは過ぎてしまえば二度ともどらない時間。だからこそ、と、家庭文庫を運営されています。取材はその文庫で行われました。もう一度、メアリー・ポピンズに夢中になりたくなる空間でした!


「このよろこびをあの子に」という思いからつけられた名は、「このあの文庫」

「このあの文庫」のサイトはこちら>>

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インタビュー:富田直美(絵本ナビ編集部)
文・構成:大和田佳世(絵本ナビライター)
撮影:所靖子

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小宮 由(こみやゆう)

  • 〈1974年-〉東京都生まれ。学生時代を熊本で過ごし、卒業後、児童書版元に入社。その後、留学などを経て、子どもの本の翻訳に携わる。東京・阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰。祖父はトルストイ文学の翻訳家、故・北御門二郎。

アンダーソン 夏代(あんだーそんなつよ)

  • 福岡生まれ。中村学園大学短期大学食物栄養科卒業。
    フロリダ州ジャクソンビル在住。
    アメリカ南部・ノースキャロライナ州出身の夫との結婚を機に,アメリカ料理(特に南部料理)の研究を本格的に始める。アメリカの田舎でも無理なく作れる和食と各国料理の教室を主宰。著書に『アメリカ南部の家庭料理』、『アメリカン・アペタイザー』(アノニマ・スタジオ)。

作品紹介

台所のメアリー・ポピンズ おはなしとお料理ノート
台所のメアリー・ポピンズ おはなしとお料理ノートの試し読みができます!
作:P.L.トラヴァース
絵:メアリー・シェパード
訳:小宮 由 アンダーソン 夏代
出版社:アノニマ・スタジオ
モミの木
モミの木の試し読みができます!
作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン
絵:サンナ・アンヌッカ
訳:小宮 由
出版社:アノニマ・スタジオ
アメリカ南部の家庭料理
著:アンダーソン 夏代
出版社:アノニマ・スタジオ
アメリカン・アペタイザー
著:アンダーソン 夏代
出版社:アノニマ・スタジオ
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