もうなかないよ、クリズラ もうなかないよ、クリズラ
作: ゼバスティアン・ロート 訳: 平野 卿子  出版社: 冨山房 冨山房の特集ページがあります!
読み手の年齢を選ばない子どもから大人まで、それぞれの感性で理解してうけとめる事のできる「みんなの本」です。
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ようこそ、ことわざみたいなぼくのじんせい!『いわんこっちゃない』 スギヤマカナヨさんインタビュー

一つ一つの発想がおもしろい、スギヤマカナヨさんの絵本。奇想天外な『ノーダリニッチ島 K・スギャーマ博士の動物図鑑』から、小学生のなやみを描いた『きょうふのわすれものチェック!』、家族をテーマにした『おかあさんはおこりんぼうせいじん』などまで様々な本を描かれています。
さて、新作『いわんこっちゃない』は家のなかが舞台。もうこのタイトルだけで気になっちゃう。いったいどんなお話?
スギヤマカナヨさんにインタビューしました!

いわんこっちゃない
いわんこっちゃないの試し読みができます!
作:スギヤマ カナヨ
出版社:少年写真新聞社

ことわざみたいな ぼくのじんせい!! ぼくのおじいちゃんは、よげんしゃだ。 ちょこっと言われたことが、とんでもない形でぼくの身に降りかかる。 でもさ、おじいちゃんはさすが長く生きているだけある。 ぼくよりぶっ飛んだ経験をいっぱい積んでいるんだね。 “百聞は一見にしかず!”。 ページを開けばおじいちゃんとぼくのくすっと笑える絶妙な掛け合いが楽しめます。

『いわんこっちゃない』


『おかあさんはおこりんぼうせいじん』

───スギヤマカナヨさんの絵本、どれも大好きです。『おかあさんはおこりんぼうせいじん』をはじめて読んだときは、あぁここに私がいる!とびっくりしました。きっと世の中のお母さんたちも、自分の姿を見ているようで、身につまされると思います(笑)。


『おかあさんはおこりんぼうせいじん』は自伝ですからね。私の(笑)。

───スギヤマカナヨさんも、お母さんでいらっしゃるんですよね。


いま、うちは中学校2年生の娘と、小学校1年生の男の子がいます。
友人のお母さんに話を聞くと、その家は3人男の子がいるんですけどね、母親になるまで人生でこんなに怒鳴ったことなかった、って。“子どもは怒っちゃいけない”というけど、やっぱり日常生活では怒っちゃうことだらけ。
でも怒っても、大好きだし愛してるよって伝えようよ、という本です。

───スギヤマさんの描くお母さんはどれもリアルで、思わず笑っちゃう。でも今回はお母さんじゃなくて・・・登場するのはおじいちゃんと孫!
「ぼくのおじいちゃんはよげんしゃだ。」・・・こんな言葉ではじまるお話。えっ、よげんしゃ!?
うちの息子もおじいちゃん子なので、うわぁーきたきた!と楽しみ。どんなお話なんですか?

ぼくが手を洗うとき、おじいちゃんが言います。「ひじまでそでをまくらんかい。きもちわるくなるぞー」
食卓では「さらをそばにもってこないと、かなしいことになるぞー」
でもそでをまくらなかったぼくは、おじいちゃんの「よげん」のとおり、そでに水がはいってきもちわるくなるし、唐揚げをおとして悲しいことになります。
で、おじいちゃんが・・・「いわんこっちゃない」(笑)。

───このシチュエーション、よくわかります!
調子にのっている子に「ほらほら・・・いわんこっちゃない」という場面、まるでわが子を見ているよう・・・。

うちも息子もよくありますよ。「寒くなるから上着着ていきなさい」って言うのに「やだ」と言って着ていかなくて、「寒い寒い〜〜!」(笑)。

───『いわんこっちゃない』を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

『おかあさんはおこりんぼうせいじん』の男の子を気に入ってくださった編集者さんから、こんな感じの子を主人公に「だからいったでしょ」というテーマで絵本ができませんか、と提案いただいたんです。
でも「だからいったでしょ」と子どもが叱られるのは一度描いているし、次はちがう視点で描きたいなと思いました。
じゃあ同じようなシチュエーションで、どんな場面があるかな、と、編集者さんとおしゃべりするうちに、「いわんこっちゃない」のセリフを中心にするイメージがわいてきました。

───「いわんこっちゃない」の言葉が先にでてきたのですね。

ええ。「だからいったでしょ」と「いわんこっちゃない」は同じようなものだけど、一つクッションが入りますね、と。
そして「いわんこっちゃない」と言うのは、おじいちゃんだろうな、と思いました。
このおじいちゃん、じつはうちの父によく似てるんですよ。息子がおじいちゃんと一緒にいると、だいたいこんな感じ。怒ることもなく、いつも見ながら「あぁあぁ」「○○しないと、こうなるぞ〜〜」と。

───おじいちゃんって、お母さんのようにはビシッと子どもを叱らない(笑)。ちょっとミステリアスな存在でもありますよね。

親よりもちょっと離れた位置にいるおじいちゃん、おばあちゃん。ちょうどいい距離感だからこそ、あぁおじいちゃんに言われたとおりだった、これから気をつけようって子どもが素直に思えるんじゃないでしょうか。



おじいちゃんって、ことわざみたい


『いわんこっちゃない』を描きながら、おじいちゃんやおばあちゃんって、存在自体がことわざみたい、と思いました。
人生の先輩として、経験してきたことを、やさしく脇から子どもに伝えてくれる。人生の助言役ですね。



───たしかに。子どもからすれば、「おじいちゃん、なんでわかるの?」と。

だって、おじいちゃんも、子どもの頃、そうだったから。
「へいのうえをはしってほねをおったり・・・、ねるまえにみずをのみすぎておねしょしちゃったり・・・」(笑)。

───子どもの頃のおじいちゃん、かわいいです!

男の子ってアホなんだなあと思うこと、ありませんか? こないだね、ごはん食べたあとに息子が「おかあさんごめんなさい」って言うから何かと思ったら、温度計を口のなかで割っちゃって、口からぽたぽた赤いものを落としてるんです。悲鳴をあげそうになったけど、よく見たら血じゃない。白色灯油を赤く着色したものだったみたい。
急いで口を洗わせた後、なぜこんなことになったのかと聞くと、「長いから噛んでみた」(笑)。

───うわ〜〜! さすが男の子。まさかそんなことやってみるなんて。

娘のときはこんなに危険なことはありませんでした。男の子って、やってみたいと思ったらやらなきゃ気がすまない(笑)。
結果なんか考えないですね。

───だから・・・「いわんこっちゃない」(笑)


『いわんこっちゃない』では、さいごにおじいちゃんが「だから、おじいちゃんはおまえの“ころばぬさきのつえ”ってわけさ」と言う場面があるんですが、「ことわざ」って、実はすごくいいコミュンケーションツールじゃないかと思うの。
子どもに注意するとき、ことわざを間にはさむと、ちょっとしたクッションになる感じがします。
お母さんがそう言ってるんじゃなく、みーんながそう言ってるんだってさ。そういうものなんだって、人生って、と。

───たしかに、ことわざって、はじめて知ったとき、不思議な感じがしました。「え、そういうものなの?」と。
なるほど、と思えることわざ、たくさんありますよね。

毎日の暮らしで、知らず知らずのうちにことわざを使っていることありますよ。
私がいちばん使うのは「急がば回れ」かな。あわただしくごはんの支度をして、トントントンと包丁を動かしながらコンロの火をつけっぱなしにしているとき、いったん手をふいて、火を止めてから次の作業をすればいいのに、あわてて火を消そうとして鍋を倒してしまうとか。ゆっくりやっても何秒、十何秒かの違いなのにねえ。
あぁまた失敗してしまった・・・とよく思うので、ときどき「急がば回れ」と口にして自分自身を戒めます(笑)。

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スギヤマ カナヨ(すぎやまかなよ)

  • 静岡県生まれ。東京学芸大学初等科美術卒業。『ペンギンの本』(講談社)で講談社出版文化賞受賞。主な作品に『K・スギャーマ博士の動物図鑑』『K・スギャーマ博士の植物図鑑』(共に絵本館)、『ゾウの本』『ネコの本』『てがみはすてきなおくりもの』『山に木を植えました』(以上、講談社)、『ぼくのおべんとう』『わたしのおべんとう』『やっぱり犬がほしい』(以上、アリス館)、『てんとうむしさんちのただいま』『わくわくへんしんハウス』(共に教育画劇)、『あかちゃんがうまれたらなるなるなんになる?』(ポプラ社)、『ほんちゃん』(偕成社)、『うんこいってきます!』『きょうふのわすれものチェック!』(佼成出版社)など多数。

作品紹介

いわんこっちゃない
いわんこっちゃないの試し読みができます!
作:スギヤマ カナヨ
出版社:少年写真新聞社
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