おしりたんてい ププッ ゆきやまの しろい かいぶつ!? おしりたんてい ププッ ゆきやまの しろい かいぶつ!?
作・絵: トロル  出版社: ポプラ社 ポプラ社の特集ページがあります!
ゆきやまのスキー場からいらいがとどいた。なんとゆきやまにでるかいぶつをみつけてほしいというのだ。はたして、かいぶつは…。
絵本が毎月届く「ワクワク」をぜひお子様に。 絵本ナビの定期購読「絵本クラブ」 お申し込みはこちらから>>>
絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  ページがぱたぱた広がる! 新感覚絵本!ぱたぱた絵本 『くまさんどこかな?』 タカハシカオリさんインタビュー

日本人初! インドの出版社から世界に発信する絵本

───最初にこの絵本を見たとき、ページが広がっていくアイディアにビックリしました! 一体、どうやって思いついたのですか?

2013年の夏、東京都板橋区にある板橋区立美術館で、海外の編集者やアーティストから直接、指導してもらえる「夏のアトリエ」に参加しました。イタリア・ボローニャ国際絵本原画展の関連イベントとして毎年開催されているんですが、そのときの講師が南インドにある「TaraBooks(タラ・ブックス)」のエディター・Gita(ギータ)さんでした。彼女のワークショップで制作したのが、この「ぱたぱた絵本」の原型となる作品でした。

───海外の編集者さんに指導してもらえるなんて、とても貴重な機会ですね。Gitaさんのワークショップではどのようなことを教えてもらったんですか?

「本の形を探求する」というのが、2013年のテーマでした。当時私は、筑波大学の芸術専攻の大学院生で、「本の形態と物語の関係性」について学んでいて、大学での研究制作をこのワークショップでさらに発展させたいと思って参加していました。そしてこの絵本のダミーを作って最終日に発表したんです。


ワークショップで作った貴重なダミーを見せていただきました。

───今回、そのとき制作したダミーを持ってきていただいたのですが、今の「ぱたぱた絵本」の構成にかなり近いですよね!

本の要素とはなにかな……と考えていくと、「ページをめくる」「順序がある」ことが挙げられると思ったんです。そこから、「前のページが残っていったらどんな作品になるかな」と。このアイディアをGitaさんに伝え、はなしをする中で「ひとつのページを部屋に見立てたら?」とアドバイスをもらいました。

───ダミーの段階では、ページが上下左右、かなり色々な方向に広がっていきますね。

このときは、ページをめくった先の要素も多くて、複雑な作りにしていました。そのダミーを見たGitaさんから「アイディアはとてもおもしろいから、さらに構成を考えて、新しいダミーができたらTaraBooksに送って」と言われました。

───「夏のアトリエ」に参加したことで、TaraBooksでの出版の可能性が生まれたんですね。

それから1年間、ダミーを作ってはインドに送り、Gitaさんからアドバイスをもらってさらにダミーを作る……というやり取りを何度か繰り返しました。そのうち、郵送でやり取りすることに限界を感じて、2014年の夏に思い切ってTaraBooksを訪れることにしました。

───え?! 南インドに行ったんですか?

TaraBooksのビルの中にあるアーティストのためのレジデンススペースに泊まらせてもらい、作品の試作を固めました。

───すごい行動力ですね。Gitaさんと直接会うことで、制作のペースも上がりましたか?

はい。打ち合わせ初日にGitaさんが温めてくれていたアイディアを聞いて、ストーリーを大幅に変更しました。それまでは、女の子がマンションの各部屋を訪れるストーリーの中で、理由を最後まで明かしていなかったのですが、最初にくまのぬいぐるみを探していることを分かるようにすることで、ページをめくっていく楽しみをもっと感じてもらえるようになりました。それから、全部開いたときの大きさも印刷機で印刷できる一番大きなサイズにすることも印刷管理担当の方からアドバイスしてもらい、サイズも決まりました。

───ページをどんどん広げていくと、両手に収まらなくなって、座って読めなくなるくらい大きくなるのも、楽しいですよね。10日間の滞在で試作を固めて、原画は日本に戻ってきてから完成させたんですか?

そうです。TaraBooksに行ったのが2014年8月で、帰ってきてから1か月半かけて、原画を完成させました。

───そして、実際の本の形にしたダミーが、こちらですね。

原画は1枚1枚バラバラに描いていったので、本の形にしてみないとなかなか完成のイメージが湧かなかったのと、大学院の修了制作も兼ねていたので、ダミーを製作しました。これはデザイン的なディレクションが入る前のものなので、実際に絵本になったものと違う部分もあるんですよ。

───どんなところが違うのですか?

一番大きい違いは、レンガのデザインですね。ダミーではただ白いだけなんですが、全体を通してアパートメントの雰囲気がより出るように、TaraBooksさんが、アイディアを出してくれました。

───おはなしを伺うと、TaraBooksで出版するために制作を進めていたようですが、日本で出版することになったのはいつ頃だったのですか?

今年に入るまで、TaraBooks以外で出版できるなんて思っていなかったんです。2015年3月に開催されたイタリア・ボローニャ国際絵本原画展のTaraBooksのブースで、この絵本のダミーが展示されて、興味を持ってくれた各国の出版社さんの中に、河出書房新社さんも手を挙げてくれて、出版が決まりました。

───インドと日本以外にも出版が決まっている国はありますか?

インド、日本以外はポルトガル、イタリア、韓国の5か国で出版が決まっています。

───それは、すごいですね! 

こんなにたくさんの国で出版されるなんて思ってもいなかったので、とてもビックリしました。

出版社おすすめ



せなけいこさん 絵本作家デビュー50周年記念連載 せなさんを囲む人たちインタビュー
kodomoeの人気グッズが絵本ナビで買える♪

高橋香緒理(タカハシ・カオリ)

  • 1990年岡山県生まれ。筑波大学芸術専門卒業。筑波大学大学院ビジュアルデザイン領域修了。デビュー作『ぱたぱた絵本 くまさんどこかな?』(河出書房新社)が世界5カ国で発売される。

作品紹介

ぱたぱた絵本 くまさんどこかな?
絵・文:高橋 香緒理
出版社:河出書房新社
全ページためしよみ
年齢別絵本セット