くまの子ウーフ くまの子ウーフ
作: 神沢 利子 絵: 井上 洋介  出版社: ポプラ社 ポプラ社の特集ページがあります!
遊ぶこと、食べること、そして考えることが大すきなくまの子ウーフ。ほら、今日もウーフの「どうして?」が聞こえてきます!
アマアマ47さん 40代・ママ

考えさせらる、色々な事を
6歳の息子と3歳の娘に読みました。 …
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もうすぐ梅雨到来! でも雨の日もきっと楽しい!?『カエルのおでかけ』 高畠那生さんインタビュー

いよいよ6月。6月といえば、雨! 雨といえばカエル! ……ということで、カエルの季節にピッタリの絵本『カエルのおでかけ』をご紹介します。作者は『だるまだ!』(好学社)や『はたらくんジャー』(フレーベル館)など、ユーモア絵本が人気の高畠那生さんです。『カエルのおでかけ』を描こうと思った意外なきっかけ。そして、実はカエルが苦手で触れないという高畠さんの制作での苦労などいろいろ伺いました。雨とカエルに思いをはせながら、お楽しみください。

「良い天気」は晴れ? それとも雨? 発想の転換から生まれたカエル絵本。

カエルのおでかけ
カエルのおでかけの試し読みができます!
作・絵:高畠 那生
出版社:フレーベル館

どしゃぶりの天気に喜び勇み、ピクニックに出かけるカエル。大雨の中、デッキに横たわり、サングラスをかけて…。今注目の絵本作家、高畠那生が、何もかもあべこべな世界を描いた、とびきりユーモラスな絵本!

───みんなが嫌がる大雨の日が、カエルにとっては絶好のお出かけ日和! そんな発想が思い浮かぶなんてとアイディアに感心しました。この逆転の発想はどのようにして思いついたんですか?

もともとは、誰かから「天気予報で気象予報士は『明日は良いお天気になるでしょう」』と言わないんだよ」と聞いたことがはじまりなんです。たしかに、農業をやっている人たちは雨のほうが嬉しいと思うかもしれないですよね。その人の立場や職業によって「良い天気」は変わってくるなぁと思ったことで、このカエルのおはなしを作ろうと思いました。

───日常のちょっとしたことが、絵本を作るきっかけになっているんですね。

実はその後、真偽を確かめるために天気予報を見たのですが、「明日はいい天気になるでしょう!」って普通に気象予報士が言っていたんです。つまりはガセネタで……。でも、まあ、いいかと思って絵本を作り始めました。

───きっかけですものね(笑)。絵本の中では、カエルがマンションで暮らしていたり、買い物をしたり、まるで人間のように生活していますよね。自転車に乗っている姿とか、すごい足の角度なんですがまったく違和感なく感じるのがふしぎです。カエルの動きは本物のカエルを飼って、観察したのですか?

いえいえ。このときはカエルを飼わないで、カエル専門の図鑑を調べて、動きを研究しました。……というのも、ぼく、カエルに触れないんです。

───え、そうなんですか?

背骨のところが、ポコポコしているじゃないですか、あれが気持ち悪くて苦手なんですよ。アマガエルは何とか触れますけど、大きいカエルは無理ですね。

───こんなに生き生きとしたカエルを描いているのに、カエルが苦手なんて、すごく意外です。


なんて、生き生きとしたポーズ!

見るのや描くのは、平気なんです。でも、触るのはダメですね。昆虫も捕まえたときに指に節を絡めてくる動きの不可解さが苦手で触れません。

───カエルの独特な光沢、足やおなかの生白い感じなど本物っぽいぬめりを帯びて見えるのですが、写真を見て描いているからなんですね。

ちょうど、これを描いていたころは、クマさんとか、ウサギさんとか、かわいいキャラクターが出てくる絵本に反発心のようなものがあったんです。今なら、そういうかわいいキャラクターを描くのもテクニックが必要で、大変だということは分かるのですが、当時はぼくも若かったから「気持ちの悪いカエルを、かわいく描いてやる!」という気持ちでカエルをどう描いたらかわいくなるか、追求していたように思います。


カエルでキモカワを追及?

───笑っている顔の口元や目とか、だんだんかわいく見えてきて……ふしぎです……(笑)。カエルの部屋のレイアウトや、窓から見える街並みもどこか海外の街のようで、オシャレですよね。この外観にはモデルとなった街などはあるのですか?

特にモデルはないんですが、街並みや建物は常に写真などを見て描いています。ビルが立ち並んでいる風景って、四角が並んでいるだけなので、イメージで描こうとすると並び方とか、高さとか自信がなくなってくるんです。なのでいつも高層ビルや街並みの載っている写真を見て、自信をつけて描いているんです。

───それは『カエルのおでかけ』に限らずですか?

はい。ぼくの作品の街並みはいつもそうやって描いています。

───天気予報通り雨になって、大喜びのカエルが町に繰り出す場面、おはなしが進むごとに雨がどんどん強くなっていきますよね。この雨の描写がすごく細かく描かれていて、カエルの皮膚が雨をはじいているところとか、すごくリアルだなと感じました。

雨の線は、手前を長く、後ろの方を短くして遠近感を出すように描いているんですが、絵をすべて描き終えてから最後に雨の線を書き足すので、失敗できないんです。考えすぎると線が太くなってしまったり、遠近感が狂ってしまったりしてバランスが悪くなるので、ひたすら何も考えずに、無心になって描いていました。

───無心になるってとても難しそうですね。カエルが公園についてからの楽しみ方も、すごく優雅でカエルらしいなと思いました。

この、カツバーガーをでろでろのぐっちょぐちょにして食べる場面が、とてもお気に入りなんです。この場面がより悲惨に見えるために、前のページのカツバーガーをおいしそうに描こうと力を入れました。

───揚げたてのカツバーガー! とてもおいしそうです。カツバーガーを食べているところ、水中と水面の描き方がとても独特に感じました。


高畠那生さんが描きたかった場面!

この絵本で水の場面を描くことになったとき、描きたいと思った構図がこの、水中と水面が分かれているところでした。

───最初は優雅な雰囲気も出ているのですが、隣のページでは花も散らばっていて、ワインも出てきちゃっていて、水中も水面もぐっちゃぐっちゃ……。気持ちがいいほど思い切っている感じがします。

この場面と同じくらい、この絵本でやってみたかったのは、文字のないページを作ることなんです。

───雨で水浸しの公園が、雨がやんで徐々に乾いていく場面ですね。文字はないですが、カエルが雨の中で楽しんでいた時間の経過を感じることのできるページですね。文章のないページを作るのは難しくなかったですか?

そんなことないですよ。このページも「あめが じょじょに やんでいって……」というような文章を入れることだってできると思うんです。でも、絵本だから、絵だけで情報を伝えられたらと思って、文章をなくしました。

───ふたつの場面を見比べてみるのも楽しいページですね。

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高畠那生(タカバタケナオ)

  • 1978年岐阜県生まれ。絵本作家。主な作品に『ぼく・わたし』『チーター大セール』(ともに絵本館)『いぬのムーバウいいねいいね』(講談社)『おまかせツアー』(理論社)『ぞうの金メダル』(作・斉藤/岩崎書店)『飛んでった家』(作・クロードロワ/訳・石津ちひろ/長崎出版)がある。

作品紹介

カエルのおでかけ
カエルのおでかけの試し読みができます!
作・絵:高畠 那生
出版社:フレーベル館
全ページためしよみ
年齢別絵本セット