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作: アレクサンドラ・ミジェリンスカ ダニエル・ミジェリンスキ 編: 徳間書店児童書編集部  出版社: 徳間書店 徳間書店の特集ページがあります!
0歳の子と読みたい絵本ベストセレクションよりこの3冊をご紹介(1)
絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  「ことばのひろば」シリーズ 『は・は・は』西内ミナミさん、編集者・本多慶子さんインタビュー

子どもの本の原点は「ことば」だと思います。

───お二人は「ことばのほん」から37年ぶりに新刊が誕生することを聞いて、どう思われましたか?

西内:廣済堂あかつきさんからご連絡いただいて、幸か不幸か、二人ともボケていなかったし、「生きていてよかったわね」って話したのよ(笑)。

本多:何十年も子どもの本に携わってきて思うのは、「子どもの本の原点は“ことば”」ということなんですよ。そこに目を向けた作品を作らないと、今後の絵本業界全体がどんどん衰退していってしまうと思うんです。今、スマホ、インターネットなどで絵本を読んでくれるサイトがあります。それがあってもいいんですが、私はやっぱり、幼い子どものことばというのは、テレビやネットを介する音声ではなく、お父さんお母さんの声で読んで聞かせることがすごく重要だと思います。お父さんとお母さんが、子どもたちのすぐそばで絵本を読んであげれば、そのときの機嫌や体調なんか、子どもの変化にすぐに気づけますよね。

───確かにそうですね。

本多:子どもは、早い時期からことばに興味を持って、大人が思っている以上に早く、ことばを覚えてしまいます。そのときに覚えることばは、テレビやネットから流れてくる音ではなく、お父さんお母さん、もしくは身近にいる園の先生や家族の方、暖かい人の声であってほしいんです。今回、出版した「ことばのひろば」は、子どもが発したくなるような楽しいリズムと、ことばが両方入った、とてもいい作品だと思います。

───肉声であっても、なんでも読めば良いというわけではなく、良質なもの、声に出して読んだときに、心地よいものが大切なんですね。

本多:そうですね。それと、読むときには、けっして無理しないこと。「これを読んだら、お利口になるかしら」という親の気持ちを押し付けてはいけないですね。絵本は楽しんで読むものなんです。

───子どもは気に入った本を何度も持ってきて「読んで!」って言ってきますよね。同じ本を何度も読むというのは、良いことなのでしょうか?

本多:それはとても良いことだと思います。子どもが、その本を必要としているときは毎日持ってきます。顎がだるくなっても、子どもに合わせてあげてください(笑)。自分の中で十分に楽しめたと思ったら、自然とほかの本に移行しますから。

西内:私も『しょうぼうじどうしゃ じぷた』(福音館書店)を何度も読まされた覚えがありますよ(笑)。二人の子どもに、今でも文章を暗唱できるぐらい繰り返し読んだものです。その楽しさが発展して、家庭文庫、地域文庫活動へと、つながっていきました。

───「ことばのひろば」シリーズは、現在1冊ですが、続編はすでに企画されているのですか?

西内:豆本の中から、『ふ・ふ・ふ』と『め・め・め』の出版が予定されています。あと、君平さんの表紙をまとめた回文の絵本も出したいなと思っています。来年は君平さんの没後30年の節目の年になるんです。

───『ふ・ふ・ふ』は多田ヒロシさんと梅田さとえさんの作品、『め・め・め』は和歌山静子さんと西内さんの作品。みなさんご活躍の絵本作家さんですね。

西内:多田さんも、梅田さんのご遺族もすぐに了解していただいたので、こちらは早くお披露目できるように進めています。前のように月刊ではないので、ゆっくりやっていけます。

───「ことばのほん」では、本当に多彩な作家さんが、いろいろな作品を描かれていて。これが、37年の月日を経て、子どもたちの手元に届くなんて、とてもワクワクします。最後にシリーズ1作目『は・は・は』のオススメを改めてお願いいたします。

西内:今なお「おばけ」で売れっ子のせなけいこさんの幻の絵本です。「は・は・は」と笑って、楽しんでもらえたらうれしいです。

本多:私の家の近くに、ダウン症のお子さんがいるのですが、『は・は・は』の見本ができたとき、そのお家にプレゼントしたんです。お兄ちゃんが、その子に『は・は・は』を読んであげると、その子が「は」のところで、一緒に口を動かして、とても喜んでいました。「は」は、きっと発声しやすい音だったのでしょう。私はそれを見て、「これが、ことばの力なんだ。この絵本を出版できてよかった」って思いました。

西内:今の本多さんのエピソードがこのシリーズがスタートする意義のすべてともいえるかもしれませんね。「ことばのひろば」のカバーの袖に、「ことばって おもしろい。 ことばが つながる うたになる。 ことばが たくさん あつまれば おはなし うまれる よみたくなる。 ここは ことばのひろばだよ」と書かれています。廣済堂あかつきが今、このシリーズに取り組むコンセプトがこの文章にあらわれていますね。ほぼ40年もの時を超えて、良いものは良いと受け入れられていく気がします。

───とても貴重なお話を伺えました。今日は本当にありがとうございました。


西内さんのアトリエにて。

「ことばのひろば」シリーズ 第二弾発売決定!

ふ・ふ・ふ
作:梅田 さとえ
絵:多田 ヒロシ
出版社:廣済堂あかつき

「ふ」は ふくろうの「ふ」。「ふっ」と ふくらむ ふうせんの「ふ」。 魔女のスープが「ふきこぼれ」、よろけた魔女がねこを「ふんずけちゃって」、それから、それから…。 「ふ」の音ではじまる言葉がくりかえされて、ゆかいなおはなしをつむぎ出す。 さいごに、「ふ」ではじまるはやくちことばの「ふろく」付き。

【作・梅田さとえさんの次女 榊原瑠衣さんコメント】
著者である母が他界して8年。母のおはなしがこうしてよみがえるなんて夢のようです。 子どものころ、豆本『ふ・ふ・ふ』は、出てくるシチューがとてもおいしそうで、「おいしい本」として思い出に残っていました。早口言葉はなかなか言えなくて、姉妹で競争して練習したものです。母のおはなしを、今度は自分の子どもたちに読んであげられることがうれしいです。

読者のみなさんへ
「ふ」という文字を声に出してみてください。どんなに怒っているときでも、「ふ〜っ」と、力が抜けて優しい気持ちになれますよ。ふんわり、ふかふかのふとんにくるまって、お子さんと読んでみてくださいね。 きっと「ふ・ふ・ふ」と笑ってしまいますよ!

【絵・多田ヒロシさんコメント】
わすれかけていたミニ絵本が、37年経って“大きく”成長して、出版されることになってうれしいです。今回刊行するにあたって原画を見直しましたが、絵柄は古くなっていない気がして、安心しました。 絵は大きく描いて、縮小してもらったように思っていたのですが、ミニ絵本の原寸(見開き9.5×14cm)で描いていて、ちょっとびっくり。小さい画面でも、のびのび描けたのは、若かったからかなあ。

読者のみなさんへ
幼稚園、保育園くらいの子どもたちにちょうど合ったサイズや内容の絵本です。絵も単純で、言葉をおぼえたり、言葉で遊んだりするのに、わかりやすいのでは。 紙の絵本はゲームや電子書籍とはちがって、ページをめくるのを何度もくり返して読めるのがいいですね。手元にあって、お子さんが成長した時に思い返し、懐かしむように見られるのもいいなと思います。

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西内ミナミさんのアトリエにお邪魔しました。


『ぐるんぱのようちえん』など名作が生まれた机。


『宝島』初版本。1冊は旦那さんの持ち物。


本棚には子ども時代からの愛読書が。


本棚には、東君平さんや堀内誠一さんなどゆかりの人々のコーナーがありました。


「ことばのほん 5」で刊行した『もじゃもじゃペーター』。

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西内ミナミ(にしうちみなみ)

  • 1938年京都生まれ。東京女子大学卒業。在学中より児童文学創作を志すが、広告会社にコピーライターとして約10年勤務。堀内誠一氏のすすめにより、はじめての絵本「ぐるんぱのようちえん」を書く。「おもいついたらそのときに!」(こぐま社刊)、「しっこっこ」(偕成社刊)、「ゆうちゃんとめんどくサイ」(福音館書店刊)などの作品がある。

本多慶子(ほんだけいこ)

  • 元・福音館書店編集者。「ぐるぱのようちえん」(西内ミナミ作 堀内誠一絵)、「ねずみじょうど」(瀬田貞二作 丸木位里絵)、「いやだいやだの絵本」シリーズ(せなけいこ作・絵)、「ピーター・ラビットの絵本」シリーズ(ビアトリクス・ポター作 石井桃子訳)などを担当。フリーランスになってから手がけたものに、まど・みちお「うたうたうたう」シリーズ(スズキコージ絵 童心社)、漢字の本シリーズ(下村昇著 まついのりこ絵 偕成社)など多数。ほかに「子どもの本1920年代展」「クヴィエタ・パツォウスカ展」「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」(2000〜2004年)などの図録も手がける。

作品紹介

は・は・は
は・は・はの試し読みができます!
作・絵:せな けいこ
出版社:廣済堂あかつき
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