クネクネさんのいちにち きょうはパーティーのひ クネクネさんのいちにち きょうはパーティーのひ
文・絵: 樋勝 朋巳  出版社: 福音館書店 福音館書店の特集ページがあります!
【出産のお祝いに】絵本みたいなカタログギフト「おめでとセレクション」
絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  大人気シリーズ第2弾!『やさいのがっこう ピーマンくんゆめをみる』 なかやみわさんインタビュー

「やさいのがっこう」を通して、野菜に興味を持ってもらいたい……。

───おはなしを伺うと、「やさいのがっこう」に登場する野菜、ひとつひとつについて、なかやさんがとても調べられていることを改めて感じました。

デビュー作『そらまめくん』を描いたとき、読者の方から、「うちの子は豆が嫌いだったのですが、『そらまめくん』を読んで、一緒に豆のさやをむいて、ゆでて食べたら、食べることができました」という感想を多くいただいたことが、子どもたちに向けて絵本を作ることは、誠実さを求められているのだと気づいたきっかけだったのかもしれません。「やさいのがっこう」シリーズ1作目、『やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち』を描いたときも同じようなことがありました。知り合いの保育園の先生が、子どもたちに絵本の読み聞かせをしてくれたら、トマト嫌いの子どもがトマトを食べようとしてくれたと言うんです。その子は、最終的に飲み込むところまではできなかったそうなのですが、私の絵本を読んで、食べ物に興味を持ってくれて、「ちょっと食べてみようかな……」と思ってくれたことだけでも、すごいことだと思うんです。

───なかやさんご自身も食べ物の好き嫌いの多いお子さんだったのですか?

そうですね。ピーマンは苦手でした。でも、親が苦手な野菜を細かく刻んでハンバーグなどに混ぜて食べさせてくれたので、知らないうちに克服していましたね。子どもって舌も繊細で、苦みとか野菜特有の青臭さとかを敏感に感じてしまうんだと思うんです。でも、小さいころ好き嫌いが多くても、大人になって克服できることって、とても多いと思うんです。私の友達にも、野菜がほとんど食べられない人がいました。しかし、大人になるとなんでも食べられるようになっていたんです。理由を聞いてみると「いろいろな人と食事に行くようになって、楽しみながら食べていたら、自然と好き嫌いがなくなった」と言うんです。

───きっと、楽しい雰囲気の中で食事をできたこともプラスに働いているんですね。

好き嫌いは少ない方が良いですが、あまり無理強いしてしまうと、食事の場自体に苦手意識を持ってしまうかもしれないと思います。なので、基本的には食事は楽しく。「やさいのがっこう」シリーズも、無理やり好き嫌いをなくそうという方向ではなく、少しでも野菜に興味をもってもらえるように考えておはなしを作るようにしています。

───『やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち』を出版した後、読者の方の反応はいかがでしたか?

やっぱり、新しいシリーズを作るときは、子どもたちが楽しんでくれるか、発売するまで分からないので、不安に思う部分はあります。今回はありがたいことに、早い段階に多くの方から、「うちの子もトマトが好きなので買いました」「学校でプチトマトを育てているので読みました、トマトが赤くなるのが今から楽しみです」といった感想をいただけたので、ほっと胸をなでおろしました。

───数々の人気シリーズを生み出しているなかやさんも、シリーズ1作目はドキドキしているなんて、とても意外です。

やっぱり、野菜は好き嫌いのある子が多い印象があるので、トマトが嫌いだから読みたくないという子がいたらどうしよう……と考えたりしました。でも、子どもがトマト嫌いだから「興味を持ってくれると良いなと思って買いました」と言ってくださる親御さんもいらしたのは、ありがたかったですね。

───トマトやキュウリなどのなじみのある野菜だけでなく、クレソンやミョウガなど、子どもたちがはじめて知るような野菜が出てくるのも、野菜に対する興味が深まりそうですね。

そうなんです。登場する野菜は、基本的に八百屋さんやスーパーに並んでいるものばかりですので、絵本を読んで、一緒に買い物に行って、「ほら、クレソンくんがいるよ。これはみょうがちゃんだね」と言っていただけるだけでも、その野菜にさらに興味を持ってもらえるのではと思います。

───今回の『やさいのがっこう ピーマンくんゆめをみる』に登場するパプリカも、知らない子がいる野菜かもしれませんね。

最近、お店に並びはじめた印象がありますよね。知らない野菜も、知っている野菜もみんな畑で「やさいのがっこう」に通って、「ごうかくシール」をもらっているんだよって、どの野菜にも愛着を持ってくれると嬉しいです。実は、読者の方から、「野菜たちが学校に通って、頑張って。でも、最終的に出荷されて、食べられてしまうということに、切なさを感じました」という感想もいただきました。もちろん、そういう感想はいただくだろうなと思っていたのですが、私としては、やはり野菜は美味しく食べられるために、農家の方たちが作っているのだから、野菜たちも、「やさいのがっこう」に通って、勉強して、美味しく育って、お店に並ぶ。そしてお客さんに買ってもらって、家庭で食べてもらうことが、野菜たちにとっての醍醐味だと思って描いています。

───最後はどの野菜もお店に並ぶことを目標にしていますが、「とまとちゃんのたびだち」と「ピーマンくんゆめをみる」だけを見ても、野菜によってその道筋が異なっていて、どちらも応援したくなるというところが、ワクワクします。

実際に野菜の苗を植えた場合も、虫に食べられたり、水不足、日照不足など、成長するまでにさまざまな困難が待ち受けていると思うんです。たまたま、私たちの目にはお店に並んだ姿しか映りませんけれど、「やさいのがっこう」シリーズを手にした子どもたちには、お店に並ぶまで、野菜たちがどんなに頑張ったのか、いろいろ想像するのも面白いと思います。

───物語を楽しんで、野菜売り場で、絵本に出てきた野菜たちを探して楽しんで、そして、いろいろな野菜たちがどうやってお店に並んでいるか想像する……、1冊で何通りも楽しみ方ができますね。そして、ふろくの「食育しんぶん」も見ごたえがありました。

今回の「食育しんぶん」では、ピーマンが唐辛子の仲間だということや、世界にはいろいろな種類のピーマンがあることなどを紹介しています。私のオススメは、「かんたんCOOKING」です。「ピーマンたっぷりピザ風味のいためもの」は簡単に作れて、パンにのせたり、スパゲティに和えるなどアレンジのバリエーションも豊富なのでオススメです。


「食育しんぶん」にはピーマンの情報や、おいしいレシピなど情報満載です。

───ピーマンが苦手なお子さんも美味しく食べられそうです。ピーマンの内側にある白い部分を取ると、苦みが抑えられるということも初めて知りました。

「食育しんぶん」は大人の方でも知らない野菜の情報をたくさん載せています。ぜひ、大人の方も一緒に、ピーマンについて知識を深めていただけたら嬉しいです。

出版社おすすめ



自由研究にぴったり!夏休みのおたすけ絵本
【3歳】絵本ギフトセット

なかやみわ

  • 埼玉県生まれ。女子美術短期大学造形科グラフィックデザイン教室卒業。企業のデザイナーを経て、絵本作家になる。 主な絵本に「そらまめくん」シリーズ(福音館書店・小学館)、「ばすくん」シリーズ(小学館)、「くれよんのくろくん」シリーズ(童心社)、「どんぐりむら」シリーズ(学研)、「こぐまのくうぴい」シリーズ(ミキハウス)など多数ある。愛くるしく魅力的な登場人物を描いた絵本作品は、子どもたちの絶大な支持を受けている。
全ページためしよみ
年齢別絵本セット