ぱかぽこはしろ! ぱかぽこはしろ!
作・絵: ニコラ・スミー 訳: せな あいこ  出版社: 評論社 評論社の特集ページがあります!
おうまさんごっこは好き? しっかりつかまってね! そうしないと・・・・・・??
人気絵本をスマートフォン・タブレットで!絵本読み放題サービス♪【プレミアムサービス】
絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  めくるとお魚がちゅっ。タイヤがころりん。かたぬきあかちゃん絵本『ととちゃんみーつけた』『ころりんタイヤくん』 新井洋行さんインタビュー

いろんな乗り物から、タイヤくんがころりん。

───『ころりんタイヤくん』についてももう少し聞かせてください。
表紙の丸い穴の中でにっこり笑うタイヤくん。
「ころりん ころころ ぼく タイヤくん。これから いろいろな くるまの おともだちに あいに いくんだ」。
はじめは車が黒いシルエットになっていて、何の車かわからないので、クイズ形式で絵本を楽しめますよね。
シルエットクイズは新井さんのアイディアですか?

僕です。僕はわりとシンプルな展開が好きなので、穴があいている場所にころころ転がってタイヤくんがはまっていく、というのだけでもいいかなと思っていたのですが、リズム感や会話も楽しめるようにと、編集者さんとのやりとりでテキストは少し練り直しました。

───最初の黒いシルエットは、あざやかな黄色いスポーツカー! スポーツカータイヤがころがって「こんにちは きみはなんのくるま?」と次に出会う車にたずねます。
次に出会う車のタイヤくんは、白いヘルメットみたいな帽子をかぶっていますね。

ええ。編集者さんから「それぞれのタイヤにキャラクターをもっともたせて、一個一個のタイヤに感情移入して楽しめるようにできないか」と言われて、タイヤくんに帽子をかぶせることにしました。


白い帽子をかぶるタイヤくんの、車のシルエットは……?


きゅうきゅうしゃ!

───新井さんはきっとこれまでたくさんの編集者さんとやりとりされてきたかと思いますが、編集者さんの意見はどんなふうに参考にされるのですか?

僕は、編集者さんにいろいろ言ってもらって、ハードルをあげてもらえるのがけっこうありがたいです。でも編集者さんには「新井さんからは予想していたのとぜんぜんちがう答えがかえってくる」とよく言われます。違う方向からボールを投げ返してくるみたいな感じで、ハードルはこえていないかもしれないですけどね(笑)。

『ととちゃんみーつけた』は、海とか水の感じが好きで描いた絵本。一方、僕、乗り物も好きで。車もバイクも大好きなんです。
考えてみると乗り物というよりタイヤが好きなんだなと思って。タイヤがついているものが好きなんです。スケボーをずっとやっていて、バイクも16歳から乗っていて、自転車も何台も持っていますし。乗り物とスポーツ用品が好きですね。

大学でプロダクトデザイン科に進んだんですけれど、そのときに究極のプロダクトだなと思っていたのがボールです。転がるだけなのに何でもできるし誰でも遊べるじゃないですか。タイヤもそれに近いですよね。タイヤがついているから、人が乗ったり重い物を載せて動けたりする。タイヤを最初に考えた人はすごいと思います。

───あかちゃんも、丸くて転がって動くもの、やっぱり好きですよねえ。

そう! だから、タイヤを主人公に絵本作れるぞーって思いました。

───それで『ころりんタイヤくん』が生まれたんですね。
ちなみにスポーツカーの形も、もしかして車のデザインが反映されていたりしますか……?

もちろん、パトカーもスポーツカーも実際にある車の形を元にしています。だいぶデフォルメはしていますけどね。ちなみにスポーツカーは、古いポルシェです。911と356をミックスして、2で割った感じのものですよ。

───やっぱり、さすが新井さん(笑)。車好きなパパは気づくかもしれませんね。

ファンタジーからあかちゃん絵本へ

───そもそも、絵本を作ろうとしたのはいつからですか?

大学卒業後、ゲーム会社でデザインの仕事をしながら、会社で「絵本部」という活動をやっていたんです。
ゲームは、キャラクター作ったり背景作ったり、映像作ったりいろいろやっていました

───「絵本部」? ゲーム会社ってすごく忙しそうじゃないですか?

部活みたいなものです。僕が仲間集めて作りました(笑)。会社、めちゃくちゃハードですよ。でも絵本を作ろうという仲間がいたんですよね。
ボローニャブックフェアのコンペに出すのが主な活動で、小さな展覧会をしたりもしました。で、絵本部として活動していた最後の年に、ボローニャブックフェアに部員が入選しました。部長として一緒についていって、自分も売り込もうと思って。パスで描いたキャラクターで、僕自身が好きな冒険ファンタジーの絵本を作って持っていきました。そこで出会ったのがフレーベル館の編集者さんで、日本に帰ったらゆっくり見せてと言ってもらえて、デビューにつながりました。


絵本デビュー作(上2冊)。左端はボローニャに持参した見本。
クリアファイルにはキャラクター設計が描き込まれています。

───わ、ソケットの人形もあるんですね、かわいい!


絵本部のとき作っていたものが後にテレビ番組になったそう。こちらは宇宙人キャラクターのお話。

小学校中学年くらいから児童文学がすごく好きな頃がありました。ムーミンがすごく好きで、自分で絵を描きたいとか、世界観を作りたいとか、自分にとってのムーミン谷みたいなものを作り出せたらすごいだろうなあと思い始めたのが小学校高学年くらいから中学生くらいにかけてです。そのあと「デザインが好き」なほうに転向していって、プロダクトデザインに進みました。

でも会社をやめたのは、ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンさんが亡くなったことを、ニュースで聞いたことがきっかけです。会社でゲームを作っているとき、ネットニュースで知りました。そのとき自分が絵本や児童文学の世界観を作りたかったことを思い出して『ソケットとおとのまほう』『クリップとみずのまほう』を描いたのが初めての絵本です。
子どもの頃からの夢、自分がやりたかったことを、本作りという形で実現させました。

『ソケットとおとのまほう』と『クリップとみずのまほう』は魔女の姉弟のストーリーです。
でもこのあと子どもが生まれて、子どもの生活に密着するようになって、絵本の作り方はすごく変わりました。絵本というものが自分の表現手段じゃなくて、「わが子に楽しんでもらうもの」になりました。「これ作ったら、うちの子はきっとよろこぶぞ〜〜」「うちの子が好きな冷蔵庫の絵本、これ作ったらすごいぞ」と。『どっちのてにはいってるか?』(偕成社)を思いついたときも「これすごいぞ」って思いました(笑)。

やっぱり目の前のこの子を喜ばせたい、と。小さな子って、しまってある物を出したり、見つけるのが大好きじゃないですか。「あけて・あけてえほん」シリーズや「あてて・あててえほん」シリーズはそういったところから生まれました。

───絵本を作っていて、いちばん気持ちが盛り上がるのはどの部分ですか?

最初のアイディア浮かんできたときと、それをラフにするときです。
僕はペンタブレットでラフを描くんだけど、朝に思い浮かんだアイディアが、その日のうちに、本みたいな形のラフに描けて、こうなるんだぞ、って具体的な形として見えるところまでいける……。そこまでがすごくエキサイティングで楽しいですね。

物作りが好きなんですよね。作っていて楽しいです。絵本になって、よろこんでもらえてうれしいですけど、よろこんでもらえるものを自分が作れている楽しさですね。それに尽きます。

出版社おすすめ

  • あっぷっぷ
    あっぷっぷ
    作:中川 ひろたか 絵:村上 康成 出版社:ひかりのくに ひかりのくにの特集ページがあります!
    「にらめっこしましょ あっぷっぷ!」「もっかい やって!」と繰り返し遊べるあかちゃん絵本です。


どんな子の口もあーん!はみがきれっしゃがやってくる
【5歳】絵本ギフトセット

新井洋行(あらいひろゆき)

  • 1974年、東京生まれ。二人の娘の父。絵本作家・デザイナー。
    絵本に『れいぞうこ』などの「あけて・あけてえほん」シリーズ(偕成社)、『いろいろ ばあ』(えほんの社)、『みず ちゃぽん』(童心社)、『どじにんじゃ』(講談社)、『おおごえずかん』(コクヨS&T)、『ころころぽーん』(ほるぷ出版)、「えほんとあそぼ」シリーズ(くもん出版)など多数。
    挿画に「パーシー・ジャクソン」シリーズ(ほるぷ出版)、「モーキー・ジョー」シリーズ(フレーベル館)など。

作品紹介

ととちゃん みーつけた
作・絵:新井 洋行
出版社:フレーベル館
ころりんタイヤくん
ころりんタイヤくんの試し読みができます!
作・絵:新井 洋行
出版社:フレーベル館
全ページためしよみ
年齢別絵本セット