もうなかないよ、クリズラ もうなかないよ、クリズラ
作: ゼバスティアン・ロート 訳: 平野 卿子  出版社: 冨山房 冨山房の特集ページがあります!
読み手の年齢を選ばない子どもから大人まで、それぞれの感性で理解してうけとめる事のできる「みんなの本」です。
小学生からの【読みもの】もあります。楽しく読書習慣を。 絵本ナビの「絵本クラブ」がお手伝いします。>>>
絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  真夜中を過ぎると、別のお店に変わる ふしぎな洋服屋『よるのようふくやさん』穂高順也さん 寺島ゆかさんインタビュー

子どもの頃好きだった絵本に共通項が……?

───『よるのようふくやさん』がはじめての共作のお二人。作品以外のこともいろいろ伺えたらと思います。お二人が子どもの頃に読んで、印象深かった本、影響を受けた本はありますか?

穂高:ぼくは『ちびくろサンボ』です。ちょうど、家に「ちびくろサンボ」のソノシート版(※)があって、ずっと聞いていました。4つ上の姉のお古だったのですが、ぼくのところに来るまでにかなり年季が入ってしまい、レコードの針で所々飛んでしまって「こまってしまいました……こまってしまいました……」と延々と繰り返されたり(笑)。それでも、夢中になって聞いていました。
※ソノシート……1960年代に流通した薄いレコード。雑誌の付録などについていた。

穂高:ほかに好きだったのは『おしいれのぼうけん』作:ふるた たるひ たばた せいいち 出版社:童心社)です。小学校の図書室に置いてあって、同級生たちが図書館で取り合っていたんですね。「そんなに面白いのか……」と気になっていたのですが、その輪には入らず(笑)。周りの熱が冷めたころにこっそり借りて読みました。

───面白かったですか?

穂高:面白かったですね。ねずみばあさんとか、エンターテインメント的な要素が盛りだくさんで……。未だに、その影響は受けていて、『おしいれのぼうけん』のようなはなしを書いていかなければという思いがありますね。

寺島:今、穂高さんの話を伺って、私も『おしいれのぼうけん』が大好きだったということを思い出しました。幼少期、よく押し入れに入れられたり、自分からも入って遊んだりしていたので、物語に出てくる押し入れの暗さや怖さをすごくリアルに感じていました。特に『おしいれのぼうけん』に出会ってからは、押し入れの暗闇から、ねずみばあさんが出てくるかもしれないとドキドキ、ザワザワしたりして……。子どものときの実体験と重なって、とても印象的な作品ですね。

───寺島さんは、小さい頃から絵を描くのが好きだったのですか?

寺島:そうですね。よく描いていました。実家の事務所の床とか事務員さんの机とかにも描いたりして。でも、怒られた覚えがない。親から、絵本を読んでもらった記憶もあまりありませんが、覚えているのは『はじめてのおつかい』(作:筒井頼子 絵:林明子 出版社:福音館書店)。親が共働きだったので、よくおつかいに行かされてましたから。これも実体験と重なっているからでしょうか。

───穂高さんも寺島さんもご自身で、絵も文章も書かれますが、自作のときと、文と絵が別のときでは、違いを感じますか?

寺島:私は『よるのようふくやさん』が4作目の絵本なのですが、デビュー作以外は、別の方の文章に絵を描かせていただいています。ほかの方の文章に絵を描くことで、自分を見つめ直せるというか、客観性が養われるような感じがあります。ちょうど『よるのようふくやさん』を描く前に、自作の作品を考えていたのですが、行き詰まりを感じていました。でも『よるのようふくやさん』の絵を考えることが、自分にとっても良い刺激になったのか、悩んでいた自作を良い方向に進めることができるようになった気がします。

───それは嬉しい変化ですね。

寺島:私の場合、先ほどお話ししたペリカンとニワトリのように、先に描きたい絵がパッと浮かぶと、それを生かそうと思うあまり、物語が面白くなくなってしまう傾向があるんです。ほかの方の文章に絵を付ける時は、そういう無駄な部分がなく、絵で伝えることに集中するので、それが自分の作品に対しても客観的に見る訓練になるのだと思います。

穂高:それは分かりますね。ぼくも自分は絵描き脳だと思うので、自分で絵を描こうとおはなしを作りはじめると、おはなしがつまらなくなることが多いんです。

───それは、自分の描けるものの範囲でおはなしを作ろうとするからですか?

穂高:それもあるかもしれないですが、絵を主体におはなしを作ろうとするので、書き終わって読み返すと「どこが面白いの?」と思うことが多いんです。なので、ぼくは、絵を無視しておはなしを作ろうと思わないと、面白いはなしは作れないように思います。

───穂高さんも、寺島さんも基本は絵から物語を作るタイプだけど、おはなしを作るときは、絵を極力意識しない描き方なんですね。

寺島:そうですね。

穂高:改めて考えると、発見がありますね。

───お二人の共通点が少しずつ見えてきたように思います。最後に『よるのようふくやさん』のオススメコメントをいただけますでしょうか。

寺島:『よるのようふくやさん』に限らず、絵本の楽しさを一番良く分かっているのは、子どもだと思うので、親御さんには、絵本の面白さを子どもに教えてもらうようなスタンスで、一緒に楽しんで頂ければと思います。そして、『よるのようふくやさん』が「もういっかい、よんで〜」と、何度もせがまれる一冊になるといいなと思っています。

穂高:そうですね。ぜひお子さんと「うちの近所の“●●やさん”も、実は夜になるとこうなっているかもよ〜」みたいな感じで(笑)、読んでいただければ嬉しいですね。

───ありがとうございました。

おまけ

絵本にも登場する、カエルのネクタイピンをモチーフに、寺島さんが紙粘土で制作されたカエルたち。絵本ナビのサイン本購入者の方に特別にプレゼントします!(数量限定。柄は選べません)


ブローチや置物にしても可愛いですね。

詳しくは、こちら……。

 class=

出版社おすすめ



シリーズ累計65万部超の大ヒット!海賊たちの運命はいかに?!
kodomoeの人気グッズが絵本ナビで買える♪

穂高順也(ほたかじゅんや)

  • 愛知県生まれ。作品に『さるのせんせいとへびのかんごふさん』(ビリケン出版)、『どどのろう』(岩崎書店)、『どろぼうだっそうだいさくせん』(偕成社)、『とうさんとうさんいかがなものか?』(あかね書房)、『なきんぼあかちゃん』(大日本図書)、『よるのさかなやさん』【文溪堂)など。 日本児童文芸家協会理事。

寺島ゆか(てらしまゆか)

  • 宮城県生まれ。 社会人経験を経てニューヨークのシラキュス大学でイラストレーションを学ぶ。 絵本に『もうママったら!』『マンドリルおじさんのおなら』(共に文溪堂)がある。

作品紹介

よるのようふくやさん
よるのようふくやさんの試し読みができます!
文:穂高 順也
絵:寺島 ゆか
出版社:文溪堂
全ページためしよみ
年齢別絵本セット