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あの、ローラの物語が親子で楽しめる絵本になりました。『小さな家のローラ』安野光雅さんインタビュー

1968年に『ふしぎなえ』(福音館書店)でデビューして以来、約50年に渡り第一線で活躍を続ける絵本作家の安野光雅さん。その活躍は絵本だけではなく、装丁や挿絵、ポスター画、エッセイなど幅広いジャンルに至り、その都度、読者を楽しませてくれています。そんな安野さんの最新刊、『小さな家のローラ』(朝日出版社)がこの度、発売されました。250ページを超す本の全ページに、安野さんの色彩豊かな絵が載っている、豪華な絵本のような一冊。この本の誕生には、原書“LITTLE HOUSE IN THE BIG WOODS”と出会ってから、数十年分の安野さんの思いが込められているのだそうです。『小さな家のローラ』発売を記念して、安野光雅さんにお話を伺いました。

小さな家のローラ
小さな家のローラの試し読みができます!
作:ローラ・インガルス・ワイルダー
絵・監訳:安野 光雅
出版社:朝日出版社

世界 40カ国以上で翻訳、全米4100万部超のベストセラー 不朽の名作ドラマ『大草原の小さな家』の原作を、 安野光雅が絵本に描きおろし。 日本でも大ヒットしたアメリカのテレビドラマ・シリーズ『大草原の小さな家』の原作「大きな森の小さな家」を、安野光雅の絵と訳 ・・・

ローラの物語を使った英語教材を作りたいと思ったことが、全てのはじまりでした。

───『小さな家のローラ』は、1932年にアメリカで出版された、ローラ・インガルス・ワイルダーの自伝的小説“LITTLE HOUSE IN THE BIG WOODS”を安野さんが訳と絵を一新し、誕生した作品ですね。安野さんは、いつごろこの原書と出会われたのですか?

もう何十年も前のことになるけれど、最初にこの作品の原書を手にしたのは、オーストラリアのシドニーから帰国する途中だったと思います。最初に出会ったのは“On the Banks of Plum Creek”という、このシリーズの何冊目かの作品だったんだけど……。

───日本では、『プラム・クリークの土手で』というタイトルで翻訳出版されていますね。

そうそう。その原書を手にして、帰りの飛行機の中で分かる単語のところをつなぎながら、読んだんですよ。それが、とても面白かったから、当時の福音館書店の編集者に「この作品を出版したらどうか?」と持ち掛けたんですよね。そうしたら、「うちから、もう翻訳出版しています」という返事をいただいたの。さすが天下の福音館書店だと思ったのね。それが最初の出会い。

───『プラム・クリークの土手で』はどんなところが特に面白いと感じたのですか?

作品の中のイナゴが襲来するシーン。そこの表現が特に上手いんだ。何かがポツンとおでこに当たった。おかしいなと思ったらまたポツンと当たって。どんどん当たってくる。すると、空の向こうから、何か黒い雲のようなものが湧いてきて、うわーっと思っていると、それがイナゴの大群なの。この表現は見事だと思ったね。

───作品を読んだときから、ご自身が絵と訳を担当したいと思ったのですか?

ぼくが考えたのは、『プラム・クリークの土手で』を使った英語教材を作りたいということだったんです。ぼく自身、英語はほとんどできないんだけど、これからの人たちは、やはり英語を学ばないといけないから。でも、ぼくらが昔に習ったような“This is a pen.”といった例文で勉強するよりも、まずネイティブの発音を耳で聴いて、それから文字と絵を見た方が、ぼくらの頃よりもはるかに良い勉強になる。そう思って作ったのが『LITTLE HOUSE IN THE BIG WOODS 大きな森の小さな家』(朝日出版社)なんです。

───本編は英文が載っていますが、その周りを囲むように安野さんの絵が散りばめられていて、とても楽しく英語が学べそうです。CDもついているので、耳で聴きながら、ストーリーを理解できそうですね。

文章をあえて中心に配置したのはね、対訳の冊子をここに置いてみてもらえれば、日本語の翻訳も一緒に読んでもらえると思ったからなんだよ。これを思いついたときは、すごい発明をしたと思ったんだよね(笑)。それで、朝日出版社の仁藤さんに連絡をして、ホテルに缶詰めになって5日くらいで絵を完成させたんだよ。


初期の原画を見せていただきました。

───5日! それはとても早いペースですね。

ちゃんと5日で描きあがったんだよ。しかも、これは元々1章だけではなく、全13章をこの形にして出版したいという思いがあったんです。だから、2〜3か月かけて13章分の絵を描き進めていました。ただ、『LITTLE HOUSE IN THE BIG WOODS 大きな森の小さな家』と同じ年に刊行した『森のプレゼント』(朝日出版社)の方が、評判が良かったものだから、「やはり日本人には日本語の絵本の方が受け入れられるんだ」とちょっとがっかりして、この13冊英語絵本計画はあえなくボツになったんです。

───そんないきさつがあったのですね。『LITTLE HOUSE IN THE BIG WOODS 大きな森の小さな家』は、安野さんが対訳の冒頭でも書いているように、もう一度英語を勉強しようとする人のために、とても役立つ作品だと思いました。『森のプレゼント』は、原初の『LITTLE HOUSE IN THE BIG WOODS』の4章「クリスマス」を絵本の形にした作品ですね。

そう。ちょうどクリスマス時期に出版したらいいと思って、進めていたんです。

───いとこたちと共に大人数でクリスマスを迎える、インガルス一家の様子がとても丁寧に描かれていて、開拓時代のアメリカのクリスマスの過ごし方に思いを馳せることができました。
「写真ごっこ」で子どもたちが遊んでいる場面や、お母さんがクリスマスのごちそうを準備するために、忙しく働いている様子など、生活している姿がとても分かりやすく絵で表現されていて、文章だけで読むよりも、想像がより膨らみました。

ありがとうございます。「LITTLE HOUSE IN THE BIG WOODS」の英語版を出版するという企画は泣く泣くボツになったけれど、この『森のプレゼント』が注目されたおかげで、もっと多くの人たちに楽しんでいただける形で、作品を作る道は残っていました。13章分の絵は完成させていましたから、1冊の本にまとめた形で出版することにして生まれたのが今回の『小さな家のローラ』なのです。


『森のプレゼント』より。

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安野光雅(あんのみつまさ)

  • 1926年島根県津和野町生まれ。東京在住。1974年芸術選奨文部大臣新人賞、サンケイ児童出版文化賞大賞、ケイト・グリナウェイ賞特別賞(イギリス)、ニューヨーク・サイエンスアカデミー賞(アメリカ)、BIBゴールデンアップル賞(チェコスロバキア)、ボローニア国際児童書展グラフィック大賞(イタリア)、国際アンデルセン賞(IBBY)などを受賞。

作品紹介

小さな家のローラ
小さな家のローラの試し読みができます!
作:ローラ・インガルス・ワイルダー
絵・監訳:安野 光雅
出版社:朝日出版社
森のプレゼント
文:ローラ・インガルス・ワイルダー
絵・訳:安野 光雅
出版社:朝日出版社
大きな森の小さな家
文:ローラ・インガルス・ワイルダー
絵・訳:安野 光雅
出版社:朝日出版社
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