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作: 岡村 志満子  出版社: くもん出版
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紙の可能性無限大! 体験&体感BOOK創刊!『ぺぱぷんたす』祖父江慎さんインタビュー

2017年7月に創刊された「ぺぱぷんたす」(小学館)は、紙の可能性をあらゆる面から探る、「紙育」をテーマとしたムック。デザイナーの祖父江慎さんを筆頭に、tupera tuperaさんや100%ORANGEさん、ミロコマチコさんなど今をときめくアーティストが多数参加しています。今回は、「ぺぱぷんたす」のアートディレクションを担当した《ソビー》こと祖父江慎さんに、お話を伺いました。

ぺぱぷんたす 001
出版社:小学館

紙と子どもとデザインと。新感覚ムック誕生!  紙で、もっとワクワクすることを! 紙と子どもと世界をつなぐ、体感型のムックが誕生! デザイナーの祖父江慎さんを筆頭に、人気絵本作家やアーティストが大集合。子どもの好奇心を刺激し、想像の羽を広げます。 紙の世界はデジタルの世界と違い、実際に触れることができる“実体験”に満ちています。感性の塊である子どもたちに向けて、五感を刺激する紙に触れ、感じ、想像力を育むことができる、ワクワクと発見がギュッとつまったMOOKです。

紙と子どもとデザインと。新感覚ムック誕生! その名は「ぺぱぷんたす」!

紙の世界はデジタルの世界と違い、実際に触れることができる“実体験"に満ちています。感性の塊である子どもたちに向けて、五感を刺激する紙に触れ、感じ、想像力を育むことができる、ワクワクと発見がギュッとつまったムックです。


「ぺぱぷんたす」公式ホームページには最新イベント情報や本の内容がたくさん紹介されています。

「ぺぱぷんたす」公式ホームページはこちら>>

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アートディレクターの祖父江慎さんってどんな人?

コズフィッシュ代表。すべての印刷ものに対する並外れた「うっとり力」をもって、日本のブックデザインの最前線で人文書、小説、漫画、写真集など、書籍の装丁やデザインを手がける。展覧会のアートディレクション、グラフィック、空間デザインと、幅広く活躍中。自身の仕事集『祖父江慎+コズフィッシュ』(パイ インターナショナル)も絶賛発売中。

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新たなビジネスモデルの模索から生まれた、紙育ムック。

───発売されたばかりの「ぺぱぷんたす」、さっそく遊ばせていただきました。ひとつとして同じ物がない企画と、今をときめくアーティストとのコラボレーションが楽しく、何時間でも遊ぶことができると思いました。そもそもこの「ぺぱぷんたす」はどのような経緯で出版が決まったのでしょうか?

小学館・笠井:2015年ころだと思うのですが、小学館の方でネクストビジネスプランという、新たなビジネスを社内募集して、実際に運用までを行うというプロジェクトが立ち上がったんです。私は、幼児誌の編集をしているのですが、雑誌の内容がキャラクター頼みになってしまっていることに疑問を感じていました。それと同時に、世の中で子どもたちにスマホを見せて子育ての助けとしているような流れも、気になっていました。
ノンキャラクターでも小さな子どもは楽しめるのではないか、リアルな「紙」には、子どもたちが楽しめる遊びの要素がまだまだあるはず……という思いと、紙好き、ひいては将来の本好きを増やしたいという思いから生まれたのが、「ぺぱぷんたす」の基本となる「紙育」の考えでした。


「ぺぱぷんたす」を企画した小学館の笠井直子さん。

───その企画が会社で通り、雑誌を作ることになったのですね。当初から、祖父江慎さんにアートディレクターとして参加してもらうことは決まっていたのですか?

小学館・笠井:企画書を提出したときには、そこまで考えてはいませんでした。どうやったら上の人たちを説得できるのだろうと、そればかり。でも、企画が通り、具体的に内容を考えたとき、頭に思い浮かんだのは、祖父江慎さんでした。自由な発想とコドモゴコロを持っていて、紙にも印刷にも、加工にも製本のことにも詳しく、愛があり、子どもに媚びないデザインでありながら、子どもを惹きつけるデザインのできる人…。そんな人は祖父江さんしかいないと思いました。
周りの人や上司に相談したら、「いいね!」と言うものの「でも、それってできるの?」って(笑)。とても多忙な方なので、正直引き受けていただけるか、全く分からなかったし、引き受けていただいても、本当に本が出せるのか、、、皆が心配していました。

祖父江:ちょうどそのころ、ぼくは日比谷図書館で開催していた展示会(※)が終わったばかり。笠井さんから、電話で企画を聞いたとき、「それは、おもしろい! そんな本はまだどこにもないから、つくりたいね。つくっちゃおう!」って思ったんです。それが2016年の4月ごろだったと思います。
※祖父江慎+コズフィッシュ:ブックデザイ展

───そこから、「ぺぱぷんたす」の企画がスタートしたんですね。そもそも、「ぺぱぷんたす」という雑誌のタイトルがとてもインパクトがあると思いました。

祖父江:そう、タイトル! 最初は「ぺぱぴぽ」というタイトルでずっと進んでいたんです。「紙(paper)の人々(people)」で「ぺぱぴぽ」。でも、いろいろ調べてみたら、すでに別の商品で使われていることがわかって。

小学館・笠井:幸い、本のタイトルではなかったので、使うことは問題なかったのですが、せっかく新しい本を作るんだから、真新しいイメージで作りたいよねということになり、新たにタイトルを考えることになりました。私の方で思いつくものをあれやこれやノートに書き並べていたのですが、そのノートをのぞいた祖父江さんが、「これなにっ?」って目をつけたのが、たまたまいちばん上に書かれていた「ぺぱぷんたす」だったんです。

祖父江:口にしたときの音がいいな、って思ったんです。だって、「ぺぱ!」だけでも面白いのに、その後「ぷん!」ですよ。それで、「っつす!」って空気が抜けるような語感で……。これ、ボイスパッカーションの人とかを呼んでやってもらうと面白いんじゃないかなと思って。まあ、ぼくも夜中にオフィスの外で「ぺぱ!ぷん!つす!」「ぺぱ!ぷん!つす!」って、ボイスパーカッションばりに何度も声をだして語感を確かめましたけどね。


アートディレクターの祖父江慎さん。

───それは、ちょっと怖いような……(笑)。タイトルはどの段階で決まったのですか?

小学館・笠井:タイトルと表紙はかなり後でしたね。まず、おおまかな内容を決めて、作家さんに依頼することを進めました。

───参加されている方を見ると、谷川俊太郎さんに荒井良二さん、100%ORANGEさんと、とにかく「豪華」という言葉がピッタリな内容だと思いました。企画を依頼する人は、どのように選んだのですか?

祖父江:とにかく「この人と一緒に仕事がしたい!」「この人なら面白いものを作ってくれるに違いない!」という思いで、作家さんに依頼をしていきました。

小学館・笠井:この本のコンセプトとして、知育や学習と違う、何かの役に立つわけではないけれど、紙について純粋に楽しめて、最後にちょっと気付きのようなものを感じることのできる、自由な本を目指していました。なので、作家さんにも「どんなことがやりたいですか?」「どんなことができそうですか? 」というところからスタートしました。皆さんに「ぺぱぷんたす」の目指すところを解釈していただいて、自由にお料理をしてもらうという感じです。

───気になる方たちを中心に、作品とそれをお願いしたときの様子を伺えたらと思います。まず、先ほど最後に決まったという表紙。ここに登場するのは紙のキャラクターですか?

祖父江:そうです。これは100%ORANGEさんにお願いしました。かわいいでしょう?

小学館・笠井:紙をテーマにした本のキャラクターって、なんだか漠然としていて、難しかったと思います。

祖父江:100%ORANGEさんもかなり悩まれていましたね。そんなときに谷川俊太郎さんの詩「ぺぱぷんたすのうた」が届いて、それですぐ、100%ORANGEさんに「こんなのがきたよ〜!」って送ったんです。何かのヒントになるかと思って。  

小学館・笠井:その詩を読まれた100%ORANGEさんが「どんな紙でも、目と口を描けば紙の神様“ぺぱぷんたす”になる。ノートの端や、レシート、くしゃくしゃに丸めた紙だって」とひらめかれて。そこからこのたくさんのキャラクターが生まれました。作家同士が共鳴し合うってこういうことなんだな、と感動したのを覚えています。

───「ぺぱぷんたす」は紙の神様の名前なんですね。「ぺぱぷんたす」のキャラクターはすぐに描きあがってきたのですか?

祖父江:それがまた、そこからも悩まれたようで…。それで、ビックリするくらいいろいろなパターンの表紙案が送られてきたんです。どれもこれもかわいくてステキで。なかなかひとつに選べなかったのだけれど、表紙はひとつしかないから、泣く泣く選んだのが、この子たちです!

───この表紙の一部が破けていることも、すごくビックリしますよね。

祖父江:そう! 表紙を破るっていうことは、ぜひやりたかったことなんです。本の表紙というのは、本全体の立ち位置を表すものですよね。そこでまず、ビックリしてもらいたいと思いました。それと、本を破ったり切ったりすることって、今まで「本は大切に扱いましょう」と言われてきた子どもたちにとっては、やはり、ハードルが高いと思うんですよ。その認識を、まず作り手側が先に破っておくことで、解消できたらいいなと思いました。


表紙の一部が破れています。

───なるほど。

祖父江:それと、本を「みんなで読む」時代が長く続きすぎたと思うんです。本来、本は「一対一」。一冊の本は、その人だけのものだったんです。例えば古い海外の絵本は、子どもが読みやすい小さなサイズになっていて、本をめくると、はい、なにがあるでしょう? そうなんです。自分の名前を書くところがちゃ〜んとある。「うさこちゃん」(作・絵:ディック・ブルーナ 出版社:福音館書店)や「ピーター・ラビット」(作・絵:ビアトリクス・ポター 出版社:福音館書店)のように、多くの子どもの本は、みんなのものではなく、「あなたの本です」というところからスタートしたんですよ。
日本においても、同じ。それがいつの間にか、サイズも大きくなって、図書館に並んでいる「みんなの本」になって、読み聞かせブームになった。
だから、「ぺぱぷんたす」では、本に落書きしたり、ハサミで切ったりして、本との一対一の関わり方、密な関係をもっと大事にしてほしいという思いがあるんです。

───しかも、この破れた感じが、すごく本物っぽいですよね。

祖父江:そうでしょう〜! 破けているところをよく見て! 本当に手で破ったようなギザギザ感や、色の退色した感じが出ているでしょう? 
このニュアンスを出すために、実際の紙を何度も破ってみてバランスや、雰囲気をどうやったら出せるか、試行錯誤を繰り返したんですよ。

祖父江さんが試行錯誤している様子が、動画で配信されています。(「ぺぱぷんたす」公式チャンネルより)

───そして、ページをめくると谷川俊太郎さんの書きおろしの詩が登場するんですよね。

小学館:笠井:谷川俊太郎さんにぺぱぷんたすの詩を書いてもらえたらステキだね〜と祖父江さんとずっと話していて。ダメ元でいいからお願いしてみよう! と思い切ってお願いしてみたんです。お手紙を送った2日後に「もしかしたら断られるかな」と思いながら電話をしたら「いま、書いてるよ! ちょっと難しいけどね〜!」と。嬉しくて舞い上がってしまいました。

祖父江:谷川さんの詩のおかげで、表紙のイメージも固まったし、なにより「ぺぱぷんたす」が紙の神様だということが決まったんだよね。

───それまでは、特に設定などはなかったんですか?

祖父江:そうなんです! 最初から最後まで、自由! 流れに任せて作っていたので(笑)。谷川さんの詩の中に「ぺぱぷんたすは かみの かみさま」という一文があって、「そうなんだ!」「そうだったんだ!」ってみんなで納得したんです。偶然こそ必然っていうのかな、流れに任せていると、意外なところで面白いことがおこったり、大事なことが決まったりするんだよね。

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祖父江慎

  • コズフィッシュ代表。すべての印刷ものに対する並外れた「うっとり力」をもって、日本のブックデザインの最前線で人文書、小説、漫画、写真集など、書籍の装丁やデザインを手がける。展覧会のアートディレクション、グラフィック、空間デザインと、幅広く活躍中。自身の仕事集『祖父江慎+コズフィッシュ』(パイ インターナショナル)も絶賛発売中。

作品紹介

全ページためしよみ
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