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参加しながら楽しめる ハロウィン絵本 登場!『トリック オア トリート!』岡村志満子さんインタビュー

10月のイベントといえば……そう、ハロウィン! 街中にカボチャや魔女などのアイテムであふれ、子どもたちも思い思いの仮装をして、「トリック オア トリート!」と元気にお菓子をもらいます。そんなハロウィンの魅力をたっぷり伝える、楽しい絵本『トリック オア トリート!』(くもん出版)。今回、作者の岡村志満子さんにお話を伺いました。絵本の中に登場するかわいい仮装も登場します!

トリックオアトリート!
トリックオアトリート!の試し読みができます!
作:岡村 志満子
出版社:くもん出版

今日はハロウィン。 4人の子どもたちが、とっておきの仮装ででかけます。 いろんな家のドアをたたいて、あいことばをいってみよう。 「トリック オア トリート おかしくれなきゃ いたずらしちゃうぞ!」 だれがでてくるかな? どんなおかしをもらえるかな? ポケットがおかしがいっぱいになったころ、 町はずれの大きなおやしきのドアをたたくと、そこは・・・。 声を出したり、あてっこをしたり、小さい子どもたちも参加しながら楽しめるハロウィン絵本。 暗いところでおばけが光る、蓄光インクを使った驚きのページもありますよ!

ハロウィンの楽しさを、絵本でも体験してほしい。

───ハロウィンイベント、今ではすっかり日本でも定着していますよね。岡村さんは、以前からハロウィンイベントに興味があったのですか?

ハロウィンのイベントをやっていることは知っていたのですが、あまり身近ではありませんでした。今回の絵本は、編集者さんからテーマをあげていただき、スタートしたんです。

───「ハロウィンの絵本を作りませんか?」とオファーがあったのですか?

編集者さんとは10年くらい前から面識があったのですが、2013年に『サンドイッチ いただきます』と『フルーツケーキ いただきます』(ポプラ社)を出版したとき、改めて「お仕事をしませんか?」とご連絡いただきました。そのお手紙に、「お題を出すとしたら、たとえば、ハロウィンの絵本なんてどうですか?」と書いてあったんです。

───アイディアをもらって、すぐにおはなしが生まれたんですか?

ハロウィンの知識がほとんどなかったので、まず、ハロウィンについて考えることからはじめました。すると、日本のハロウィンって、すごく自由だなと思ったんです。海外ではしっかりと、宗教行事としてのハロウィンの由来がありますよね。でも日本のハロウィンは、仮装をしてお菓子をもらうイベントになっている。そして、その仮装がとっても自由。基本的にどんな仮装をしてもいいし、お菓子とかおばけとか、子どもがワクワクするものをいっぱい出せる。そう思ったら、絵本のアイディアが段々と固まってきました。

───『トリック オア トリート!』は、4人の子どもがとっておきの仮装をして、町に飛び出し、いろいろな家を「トリック オア トリート! おかし くれなきゃ いたずらしちゃうぞ」とめぐっていくおはなし。出てくる家やそこに住む人がとてもユニークで、「この家には、どんな人が住んでいるんだろう……」とページをめくる楽しみがありますよね。

子どもにとってハロウィンってどんなイベントだろう、と考えると、真っ先に「仮装をして、家をめぐって、お菓子をもらう」ことが思い浮かぶと思うんです。この絵本は、その楽しさをそのまま、くり返しの展開にしているので、アイディアができたとき、「こんなに定番的なハロウィンのおはなしは、もう出版されているに違いない」と思いました。でも、調べてみたら、意外となかったんです。のんびりしていると、他から出版されてしまうかもしれない!と思い、その年のハロウィンに間に合うように、急ピッチで制作を進めていきました。

───たしかに「ハロウィンの絵本」というと、海外の翻訳絵本やハロウィンの文化、イベントを紹介する本が多いように思います。

そうなんです。物語絵本もありましたが、私はストーリー性よりも、ハロウィンがはじまる前に子どもたちが、ハロウィンの楽しさを知って、気持ちを高ぶらせてイベントに向かうような。そんな、ワクワクするおはなしを作りたいと思いました。
ちょうどラフを考えている頃、息子がリトミックに通っていたんです。先生が絵本に調子をつけて読んだり、手遊びを入れたり、歌にしたり…。絵本をコミュニケーションの道具として使っているのを見ていて、こんな使い方いいなと感じていたことも、制作に影響したと思います。

───4人の子どもたちが「トリックオアトリート!」と言いながら訪れる家の外観が、とてもユニーク! しかも、家に住んでいる人もお姫様がいたり、忍者がいたり……と、とても個性的ですよね。

ここはちょっと和の要素もプラスしながら、どんなお家にしたら、絵本を読んでいる子どもが次のページをいろいろ想像してくれるか、どんなお菓子にしたら、テンションが上がるかをいろいろ考えましたね。

───どのお菓子もとてもおいしそう! 中でも、宇宙人が出してくれたドーナッツのようなお菓子が、どんな味がするか気になります(笑)。岡村さんは、描いていて特に楽しい場面はどこでしたか?

やはり、仮装した人たちや、へんてこな家がたくさん出てくる、さがし絵の場面は、描いていて楽しかったですね。メインの4人以外にも、街の人たちがハロウィンを満喫していることが伝わるように描きました。


4人はどこにいるのかな……?

───よーく見ると、赤ずきんやオオカミ、サンタクロースに怪獣など、いろいろな仮装をしている人がいて、何度見ても楽しい場面ですよね。

このページは描きたい仮装や建物を詰め込みました。いろいろ見つけて楽しんでもらえると嬉しいですね。あと、描いていて楽しかったのは、見返しなんです。

───見返しですか?

ずっとガイコツを並べた絵を描きたいと思っていて、どこか描ける場所を探していたんです。ハロウィンにガイコツのモチーフはピッタリですよね。

───おばけもカボチャも並んでいて、絵本に登場する4人組も出てくるので、とても見ごたえがありました。このまま手ぬぐいなどのグッズになっても面白いですよね。

前と後ろで同じ絵を使っているんですが、おはなしを読み終わってみると、前は仮装する前、うしろは仮装を終えて着替えているところにも見えますよね。意図はしていなかったのですが、同じ絵なのに時間経過を感じる!と編集者さんが気づいてくれました。

───そして、なんといっても面白いのが、最後の場面で出てくる蓄光インク(※)を使った、光るページ。おはなしを考えているとき最初から蓄光インクを使いたいと思っていたのですか? ※蓄光インク……光を吸収し、暗いところで光る特殊なインク。

いいえ。これも編集者さんのアイディアなんです。話を聞いて、ハロウィンの絵本でおばけのページが光ったら、すごく面白い!と思って、賛成しました。ただ、蓄光インクを使った絵を描いたことがなかったので、大変でしたね。


暗いところで見ると、どう見えるかは、おたのしみ……。

───どんな所が大変でしたか?

最初は、絵の中のおばけの部分を単純に光らせる予定だったんです。でも、何度もやり取りを重ねるうちに、蓄光インクで浮かび上がる絵は、カラーの絵で描いてある場面とは違う、少し時間が進んだ場面の光景を描くことに決まりました。蓄光インクで描く場面も、おはなしの一部にしたら面白い! と思ったんです。蓄光インクとカラーの絵で、違った絵を重ねることになるので、光らないところが出てきたり、印刷がきれいに出なかったりと苦労がありました。

───そうなんですね。でも、このページを読んだ後、パッと電気を消して、光る場面を見せたら、とっても盛り上がりそうです。

出来上がったものを見てみて、改めてハロウィンとおばけと、この蓄光インクを使ったページがぴったりで、この作品を作れて良かったと思いました。うちの子どもも、明るい部屋と暗い部屋を何度も行ったり来たりして、よろこんでくれましたよ。

───最後に、お菓子を持っていなかったからいたずらをされてしまうおばけも、なんだか笑いを誘います。

海外だと、お菓子をもらえないと、生卵をぶつけたり、トイレットペーパーでハロウィンの飾りをぐるぐる巻きにしたりと、かなり笑えないいたずらもあるそうなんです。でも、主人公の4人組には、相手がいやな気持になるいたずらはしてほしくないと思い、今のいたずらに落ち着きました。裏表紙まで、いたずらのエピソードが続いているので、読み聞かせの際はぜひ見せてあげてくださいね。

───おばけが意外と嫌がっていないところも良いですよね。


何度も描き直しをしたラフを見せていただきました。

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岡村志満子(おかむらしまこ)

  • 武蔵野美術大学卒業。広告制作会社退社後、フリーランスでグラフィックデザインやイラストレーションの仕事、絵本を中心とした作家活動を続けている。東京の板橋区立美術館などで、子ども向けワークショップの講師もつとめる。絵本作品に、スイスで出版した『UNDERGROUND』(la joie de lire) 、『すましたペンギンさんきょうだい』(講談社)、『サンドイッチいただきます』『フルーツケーキいただきます』(ポプラ社)など、紙芝居作品に『そらからおりてきたごちそう』(教育画劇)がある。

作品紹介

トリックオアトリート!
トリックオアトリート!の試し読みができます!
作:岡村 志満子
出版社:くもん出版
メリー メリー クリスマス!
メリー メリー クリスマス!の試し読みができます!
作:岡村 志満子
出版社:くもん出版
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