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絵本アプリシリーズ「tocco」『まり』『やさいのおなか』正道寺裕子さん、瀬古真樹さんインタビュー

絵本ナビの絵本ガイドブック『幸せの絵本 2』でご紹介している人気絵本『まり』(文:谷川 俊太郎 絵:広瀬 弦 出版社:クレヨンハウス)と『やさいのおなか』(作・絵:きうち かつ 出版社:福音館書店)の2冊が、絵本アプリになっている!ということで、絵本ナビ編集部のiPadで早速試してみました。
なんとなく、紙の絵本を、iPhoneやiPadで読める、というイメージを持っていたのですが・・・全然違いました!

『まり』は、指でさわってポーンと放り投げて、ボヨンボヨンはねて・・・うわっ、なんだろう、この感触面白い!という第一印象。新しくて楽しいものに出会ったワクワク感、それでいて原作絵本の根底に流れる作品性をしっかり受け継いでいる感じ。原作には登場しないものも含めて4つの「まり」が楽しめて、谷川俊太郎さんの作品がデジタルになるとこうなるのか!と新鮮な驚きでした。

『やさいのおなか』は、おはなし会で大人気のクイズ絵本『やさいのおなか』『やさいのせなか』『くだものなんだ』(すべて作・絵:きうち かつ 出版社:福音館書店)の3作品から、良いとこ取りのベスト盤といった趣。こちらも原作絵本と同様の「絵本を通じて子どもと会話する楽しさ」を生かして、さらに「画面を指でこすると野菜の表面(せなか)が出てくる」といったデジタルならではの遊びが盛り込まれています。絵本アプリから伝わってくる「紙の絵本を大切にしている感じ」が嬉しくて、そんな絵本アプリブランド「tocco」の正道寺さんと瀬古さんにお話を伺いに行ってきました!

ご紹介した絵本アプリと原作絵本セットが抽選で当たるキャンペーンがあります。
このチャンスをお見逃しなく!記事の最後にご案内しています。

「ころん」「ふわっ」「ふわっ」、さわって遊んで癒される

(デジタル) まり
文:谷川 俊太郎
絵:広瀬 弦
音・ナレーション:原田 郁子
出版社:日本出版販売

『まり』は2002年刊行以来、13刷を重ねているロングセラーの赤ちゃん絵本。アプリ版は、クラムボンの原田郁子さんがナレーションとBGMを担当。谷川俊太郎さん、広瀬弦さんの2人の世界観に絵本アプリならではの「聴く」「触る」楽しみを加えました。<平成24年度第16回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門審査委員会推薦作品>

◆原作絵本はこちらからどうぞ>>まり


───早速、絵本アプリの『まり』で遊んでみました! 絵本アプリの「あそぶモード」は、いろいろな素材の「まり」を自由に動かせて、何とも言えない新感覚で、本当に面白いです!音も紙の絵本の世界観にぴったり。きっとアプリ版が完成するまで、かなり試行錯誤されたのではないのでしょうか。いろいろとお話を聞かせていただけますか。


日本出版販売株式会社の正道寺さん

正道寺:『まり』は、企画がスタートしてから発売されるまで、調整期間も含めると、1年半かかりました。アプリ版では、言葉のリズムや絵本の雰囲気も考えて、音や声をクラムボンの原田郁子さんにお願いしています。以前、プラネタリウムで上映されていた『暗やみの色』という作品で、谷川俊太郎さんの詩を原田さんが朗読されていたので、きっとお二人の相性もいいのではと思い、ご相談してみました。お二人ともすぐに、「いいですよ。」と快諾してくださいました。


───原田さんが担当されたのは、とても自然な流れだったんですね。原田さんの声がとても印象的で、「ころん」「ころころ」とか、人の声がそのまま効果音になっているのがとても心地よいですね。表情のある「まり」が擬人化されていて、触っていてもその様子に思わず笑ってしまいます。



原作に忠実な「よむモード」は、音が素敵

原田さんの優しい声に合わせて「ころころ」

正道寺:谷川さんは、「原田さんのやりたいように自由にやってみて」と言ってくださって、谷川さんのチェックなしで、原田さんにすべて読んでいただきました。「あそぶモード」だと、さらに原作に登場する黄色い「まり」に加え、新たに3つの岩、風船、水という素材の違う「まり」が登場します。「ごろん」「ふわっ」「ぷるん」など、それぞれの質感に合わせて、原作の絵本にはない新しい言葉の効果音も付いているので、遊んでいてとても楽しいと思います。


株式会社クリエイターズギルドの瀬古さん

瀬古:音を担当してくださった原田さんは、もっといい作品にしようと、積極的に取り組んでいただきました。 制作の過程ではやりとりを通してそこから生まれてくる化学反応みたいなものを感じることができました。結果的にすごく良いものができたなと実感しています。


───先ほども触れましたが、「あそぶモード」で登場する、一つ一つの「まり」の表情もとてもいいですよね!

正道寺:原作の広瀬弦さんの「まり」がとってもアナログでかわいらしいので、アプリ版でも、その「まり」の雰囲気を壊さないように表現しようと話し合いましたね。 結果、わざとアナログ感を残すため、3Dなどデジタルらしくするのではなく、「まり」の質感をいろいろ変えてみることにしました。最初は、質感の違う3つの「まり」の表情を、全て絵本の黄色い「まり」と同じ表情で作っていたんですが、広瀬さんから、「ごろん」とか「ふわっ」とか言葉に合わせて、表情を変えたほうがいいよねとおっしゃっていただいて、アプリ版のために新たに表情を描き下ろしてくださったんです。

───そうなんですね!アプリ版のために描き下ろされたオリジナルの「まり」たち。個性豊かな表情が、それぞれの質感にしっくりきますね。

瀬古:絵についても音と同じように、広瀬さんにアプリ版の企画から開発まで全て関わっていただきました。
今日は、広瀬さんが描かれた絵本アプリの原画をお借りしてきています。お見せしますね。

───どれもとてもかわいらしい表情!水の「ぷるん」とゆれる感じや「ごろん」と転がる岩の質感、風船の「ふわっ」と浮いていってしまうそれぞれの動きにぴったりの顔。それでいて、どこかユーモラス。デジタルのものでも、ちゃんとアナログで描かれているのですね。


新たに追加された「まり」たちの原画はとても繊細

「ぷるん」つかみどころのない、困った顔の水の「まり」


「ふわっ」「ふわっ」幸せそうな風船の「まり」

頑固な岩は「ごろん」と重いので沈んじゃいます

───「あそぶモード」では、好きな「まり」を選んで自由に動かせるわけですが、実際に、紙の絵本から絵本アプリを作っていく上で、ご苦労された事はありましたか。

正道寺:「あそぶモード」の設計には、とても苦労しました。原作の絵本は、各場面がストーリーとして連続しているわけではないので、「まり」が、どこの位置で、どうなっているのかが全くわからないんです。アプリ版では、「まり」が動く範囲のマップを決めて、どう動かすかを作り上げていくのが、本当に大変でした。


「ぱしっ!」谷川さんの言葉が心地よい原作『まり』

原作の『まり』がデジタルの世界で転がると・・・

───紙の上で表現された「まり」を実際転がすとなると、本当に想像がつきません。でも、そのご苦労は報われていると思います!実際に、「まり」を転がしてみると、そのまま坂を落ちていって、棒にカキーンとあたって、空へ飛んでいきますよね。その時に、一瞬画面から「まり」が消えて、勢いよく飛んでいきます。触っていて、本物みたいな感じがしてびっくりしました。

正道寺:そう言っていただけると嬉しいです。そういう細かい部分で言うと、原作にはストーリーがないのですが、水平線はあって、朝からはじまって、夕方から夜になって、そしてまた朝で終わっているんです。その絵本の表現をアプリ版でも表現できないかと工夫して、水に落ちて浮き上がってくると、朝昼晩が変わる仕組みにしました。


「まり」が水の中へ「ぽちゃん」。 どうなるのかな?

水中からふわふわ出てくると、すっかり夕方に・・・

───あっ、本当だ!落ちて、水面から飛び出すと、夕方になりました!空が変化していたんですね。こんな部分まで原作に忠実なのですね。


紙の絵本と同じ色が使われているなんて・・・

正道寺:基本的に誰も気づかないです。(笑)絵本アプリを作る時は、こういった気づかれない部分も、意識的に凝っていますね。例えば、iPhone、iPad両用なので、設計上どうしてもそれぞれ隙間が空いてしまいます。この隙間の色を、原作の見返しと同じ色に合わせたりしています。

───これは、気づかなかったです。ちゃんと絵本と同じ配色になっていますね。 とても細やかな配慮、だからなんだか温かく、不思議と違和感を感じないのかもしれないですね。

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作品紹介

(デジタル) まり
文:谷川 俊太郎
絵:広瀬 弦
音・ナレーション:原田 郁子
出版社:日本出版販売
(デジタル)やさいのおなか
作・絵:きうち かつ
出版社:日本出版販売
(デジタル)あいうえおのえほん for iPad
作:よこた きよし
絵:いもと ようこ
出版社:日本出版販売
(デジタル)こびとかるた
作:なばたとしたか
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作:よこた きよし
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