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絵本体験

俵:私にとっては、『三びきのやぎのがらがらどん』が最初の大きな絵本体験でした。三歳ぐらいのときですかね、何回も何回も母に読んでもらいました。大きくなってから聞いた話ですが、一字一句間違えずに暗記していたそうです。
その頃「絵本を読んでるふりごっこ」というのがすごく好きだったそうです。まだ文字は読めないのですが、絵本を開いて、暗記している通りに読んで、「私は字が読めるのよ」みたいな感じで、読むふりを飽きずにやっていたようです。
そういうことがあれば、どんな親御さんもそうなんでしょうけれども、母は、「うちの子は天才かもしれない」と、録音していたんです。
あるとき、松居先生が書かれた本を読んでいたら、「子どもというものは、繰り返し聞いて、大人が覚えられないようなものも、一字一句間違えずに暗唱するものだ」というようなことが書いてあったので、「あら、私とおんなじだわ」と思ったんです。「そうなのよ、そうなのよ」って読んでいたら、「ちなみに、俵万智さんもそのようである」と出てきて、すごいびっくりしました。そこを読んで、この世で一番驚いた読者は私だと思います。
でも、そこに書いてあったんですけれども、「それは決して天才ではない」と(笑)。「子どもならば、誰でも珍しくないことである」というようなことが。

松居:子どもは好きな本を繰り返し読んでもらいますと、一言半句違わないように覚えます。私は三人子どもがおりますけれども、そのことはよおくわかっています。
俵さんのエッセイで、字が読めないのに『三びきのやぎのがらがらどん』を一言半句違わないように言えたということを読んだときも、私はとっても納得できました。天才だと思いませんでした(笑)。この人は本当に言葉の経験の豊かな育ちをした人だなと思いましたけれども。

絵本を読むということは

俵:松居先生の本を読んでいると、絵本について書かれているのに、育児書だなって思うんです。
「絵本嫌いにさせるには、読んだ後にいろいろと根掘り葉掘り聞くとよい」と逆説的に書かれていました。すごく反省しました。つい聞いちゃうんですよね、母親って。自分が読んだことが、どれくらい子どもの中に定着したかを確認したい欲みたいなものがあって。「あっ、これは絵本嫌いにさせる最短方法なんだな」と思って、やめましたけど。
子どもは、お話を耳で聞いて、絵を目で追うから、読んでいる人より深く絵本を体験できる。そして、そういう時間を一緒に過ごすことこそが、子どもの心の栄養になっていくんだなと。私なりの解釈ですけれども、絵本論を読みながら、育児書を読んでいるような気がすごくしたんです。

松居:あんまり、育児ということを考えたことはないんですよ。子どもは自分で育てばいいですから。私は子どもに本を読めとほとんど言ったことがない。三人とも絵本をよく読んでおりました。でも、字を教えたことはないんですよ。さっきの俵さんの例じゃありませんけれども、好きな本を読んでやっていると、一言半句違わず覚えてしまいますね。
『三びきのやぎのがらがらどん』でもそうです。「むかし、三びきの やぎが いました。なまえは、どれも がらがらどん と いいました。あるとき、やまの くさばで ふとろうと、やまへ のぼっていきました」。これ七五調になっていますよ。瀬田さんは七五調で書いてらっしゃるつもりはそれほどなかったと思います。瀬田さんは、日本語の古典的なものを徹底的に知っていらっしゃる方でしたから、日本の言葉にある独特のしらべというものが身についてます。子どもに語られるときにも、それが出てくる。そうすると七五調になっていくんですね。これを聞いたら、子どもたちの心の中にすうっと入っていく。頭の中なんかに入りません。体の中にしみこんでいく。だから、それが口から自然に出るんです。一言半句違わないように言える。
子どもに本を読んでやるということは、何かを教えるということではありません。私の子どもに本を読んでやるルールは、「読むのも勝手、聞くのも勝手」。だから私は子どもが聞かなくても腹をたてません。子どもも聞かないふりして聞いてますけどね。子どもに語る人が、自分の中に豊かな物語の世界をちゃんと思い描いていて、言葉を語ってやりますと、子どもの中に物語の世界が見えるんですね。
大人は絵を見るだけですが、子どもは絵を読みます。二歳、三歳でまだ字が読めなくても、絵を読むことはできます。絵は全部言葉ですから。隅から隅まで言葉です。なぜかって、言葉を絵にしているんだから、絵は言葉です。
大人が読んで、耳から入ってくる言葉と、自分が目で読む絵が重なるんですね。よくできている絵本はそれがちゃんと重なるように絵と文章が編集されていますから。子どもの中で、耳からの言葉と目からの絵がひとつになって、そこに豊かな世界ができるんですね。

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俵 万智(たわらまち)

  • 歌人。1962年、大阪府生まれ。早稲田大学在学中より、歌人・佐佐木幸綱の影響を受けて短歌を始める。1987年、第一歌集『サラダ記念日』(河出書房新社刊)を出版、ベストセラーになる。同書で現代歌人協会賞。評論『愛する源氏物語』(文藝春秋刊)で紫式部文学賞受賞。第四歌集『プーさんの鼻』(文藝春秋刊)で若山牧水賞を受賞。『ちいさな言葉』(岩波書店刊)、『風が笑えば』(中央公論新社刊)など著書多数。

松居 直(まついただし)

  • 児童文学者。1926年、京都府生まれ。同志社大学卒業後、1952年福音館書店の創業に参画し、編集部長、社長、会長を経て、1997年より相談役。1956年月刊物語絵本「こどものとも」を創刊し、編集長として赤羽末吉、長新太、堀内誠一、安野光雅、加古里子、中川李枝子ら多くの絵本作家を世に送り出す。絵本『ももたろう』『だいくとおにろく』『ぴかくんめをまわす』(福音館書店刊)など著書多数。

作品紹介

富士山うたごよみ
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短歌・文:俵 万智
絵:U.G.サトー
出版社:福音館書店
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作:(ノルウェーの昔話)
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訳:瀬田 貞二
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