十二支のおもちつき 十二支のおもちつき
作: すとう あさえ 絵: 早川 純子  出版社: 童心社 童心社の特集ページがあります!
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《スペシャルコンテンツ》インタビュー

2012.02.15

「音楽」と「絵本」を融合させたチャリティー絵本
『さんぽのき』

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「音楽」と「絵本」を融合させたチャリティー絵本『さんぽのき』

サトシンさんと真珠まりこさんの初共作『さんぽのき』(原作:前田たかひろ、作曲・編曲:外山和彦 / 安田信二、文溪堂)は、絵本の著作権印税100%、付録についているCDの著作権印税100%、そして、売り上げの一部が、東日本大震災で被災された方々への支援金として寄付されるチャリティー絵本です。
震災後、絵本ナビが行った被災地支援プロジェクト「絵本エイド」にいち早く参加を申し出てくださり、被災地への活動にもエールを送り続けてくれたサトシンさんと真珠まりこさんが、この『さんぽのき』を通して伝えたかった思い、この絵本に関わった全ての方の思いを伺いました。

さんぽのき

さんぽのき
原作:前田 たかひろ
文:サトシン
絵:真珠 まりこ
作曲・編曲:外山 和彦 / 安田 信二
出版社:文溪堂

さんぽの木は、みんなが集まる木。いっぽ、にほ、さんぽ、明日へ。「うんこ!」「わたしはあかねこ」などのサトシン、「もったいないばあさん」シリーズなどの真珠まりこ、そして数々のアーティストに楽曲を提供する作詞の前田たかひろ、作曲の外山和彦&安田信二。「絵本」と「歌」の第一線のクリエイターが手を結び、東日本大震災から立ち上がろうとする人々への思いこめた、ひとつの物語を、ふたつの形に仕上げました。

個々にできることは少ないけれど、それぞれの持ち味を生かしたら、何か生み出せると思った

─── サトシンさんも真珠さんも実に多彩な活動をされていて、作品も沢山出版されていますが、この『さんぽのき』は今までとまた違った、他業界との関わりから生まれた作品ですよね。
そもそものきっかけは何だったのでしょうか?

サトシン:もともと、僕が「ソング絵本(※)」という活動をやっていて、そこで作詞をお願いしている作詞家の前田たかひろさんのつぶやきから生まれたプロジェクトなんです。
※ソング絵本…サトシンさんがストーリーを考え、それに沿った歌をプロの作詞家と作曲家によって作成してもらうプロジェクト。

─── …と言いますと?

サトシン:3月11日に東日本大震災が起こって、芸能人の方やアーティストの方、スポーツ選手などいろんな方が被災地に向けて活動をしてましたよね。そのとき、前田さんが「アーティストだったら歌を通して被災地の方に勇気を与えることはできる。けれど、作詞家は何ができるだろう…周りの方の活動を見ると、すごく無力感を感じる…」ということをツイッターでつぶやいていたんですね。ちょうど、僕も同じ思いを持っていたので、彼のつぶやきを見て、絵本の世界と歌の世界の力を合わせたら、何かできるんじゃないかと、前田さんに相談をしました。
…で、ここからが奇跡のような話なんですが、同じ時期に、前田さんのところに、作曲家の外山和彦さん、安田信二さんから曲に詩をつけてほしいという依頼があったんですね。

─── その曲も震災の支援として作られたものだったんですか?

サトシン:そうなんです!外山さんと安田さんが、震災後、同じように自分達にできることは何かを考えていたとき、まるで「天から降ってきたように」思い浮かんだメロディーだったそうです。
それがとても優しくていい曲だったので、「メロディーがあるなら、それを使って絵本とのコラボができないか」と話しを進めていきました。

─── なぜ、絵本とのコラボを考えられたんですか?

サトシン:震災後、かなり早い段階から歌での復興支援というのは多くあったんですよね。でも僕は、一過性のものにはしたくなかったし、今回の大震災に対する支援活動は、今後もずっと続けていかなければいけないことだと思っていたんです。その点で絵本は、一度好きになってくれると長いこと好きでいてくれる。支援を行うにはぴったりの媒体だと思いました。
だから、軸足は絵本に置いたまま、平行で同じテーマの歌ができれば、歌の持つストレートに心へ刺さる特徴と、絵本の持つ長期的な力が合わさって、新しい復興支援の形ができるんじゃないかと、作品を作り始めました。

─── 真珠さんはどの段階から関わっていたのですか?

真珠:ちょうどサトシンさんから、このお話を聞いたのが2011年の4月頃でした。そのときは32ページの絵本の形にすることも決まっていなくて、「CDにつけるブックレット的な詩の絵本に、ちょっと絵を描いて欲しいんだけど…」という感じのお話だったんですよ。

サトシン:そうだったよね…そのときはまだ、本を出してくれる出版社も決まっていなくて、本当にそう思ってたんだけど…。

真珠:でも私は「これはかなり大変な仕事量になる」って直感しましたよ(笑)。

─── サトシンさんが真珠さんに絵をお願いしようと思ったのは何故ですか?

サトシン:真珠さんとは北海道の剣淵絵本の里で開催している、「けんぶち絵本大賞」の授賞式で初めてお会いしたんですよ。2011年の2月だったかな?僕、『もったいないばあさん』を描いている人ってご高齢な方だと思っていたんですけど、お会いしたらとんでもない!爽やかな方でざっくばらんに話してくれて、「いい人だな〜」と思ったんですね。
ただ、今回の『さんぽのき』をお願いした一番の理由は、真珠さんが「もったいない」という言葉の意味をずっと深く捉えてご自身の活動に生かしていることに感動したからなんです。

真珠:「もったいない」は、元々仏教の言葉で、仏教の教えの中の「全てのものは仏になる。全てのものには命がある。命があるものを粗末にしてはいけない」という、命の大切さを伝える言葉なのだそうです。

サトシン:そのお話しがすごく頭に残っていて、今回の作品の絵をお願いするとき、真珠さんの他に思い当たる人が出てこなかったんです。

─── なるほど…。先ほど、この『さんぽのき』は大変な仕事になると直感で感じたとおっしゃってましたが、真珠さんがこの作品に関わろうと思った決め手はなんだったんですか?

真珠:単純にやりたかったからです。それと私も、サトシンさんや他の皆さんと同じように、震災後、すぐにボランティアに行けないことに対して、申し訳なさとか無力感を感じていたので、お役にたてるかもしれないことに声をかけてもらって、ありがたいと思いました。絵本の絵の製作に実質2ヶ月ほどかかるので、その時間が取れるか不安でもありましたが、その不安も、音楽家の皆さんとお会いして、楽しいことが始まりそうな期待感で払拭されました。このプロジェクトに参加したいと思ったんです。

サトシン:俺のことが好きで…とかそういうことじゃなかったんだ。

真珠:ちがいます!(笑)

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サトシン(さとしん)

  • 1962年、新潟県生まれ。広告制作プロダクション勤務、専業主夫、フリーのコピーライターを経て、絵本作家に。作家活動の傍ら、新しいコミュニケーション遊び「おてて絵本」を発案、普及活動に力を入れている。現在、大垣女子短期大学客員教授を務める。
    『うんこ!』(文溪堂)で、第1回リブロ絵本大賞、第20回けんぶち絵本の里びばからす賞、第3回MOE絵本屋さん大賞受賞、第4回子どもの絵本大賞 in 九州、第5回書店員が選ぶ絵本大賞受賞。
    絵本の作品は、他に、『ヤカンのおかんとフトンのおとん』(佼成出版社)、『きみのきもち』、『とこやにいったライオン』(共に教育画劇)『おれたちはパンダじゃない』(アリス館)『せきとりしりとり』(文溪堂)など。その他著書として『おてて絵本入門』(小学館)など。

真珠 まりこ(しんじゅ まりこ)

  • 神戸生まれ。神戸女学院大学卒業後、大阪総合デザイン専門学校の絵本科及びニューヨークのパーソンズデザイン学校で絵本制作を学ぶ。アメリカで出版されたはじめての絵本"A Pumpkin Story" は、後に『かぼちゃものがたり』(学習研究社)として日本でも出版された。絵本「もったいないばあさん」(講談社)シリーズで、第15,16,18回けんぶち絵本の里大賞及び第20回けんぶち絵本の里びばからす賞受賞。
    現在、「もったいないばあさんのワールドレポート展」を開催、現在、環境省・地球生きもの応援団メンバー。
    作品は、他に『おべんとうバス』『おでんのゆ』(共にひさかかたチャイルド)、『ハートリペアショップ』(岩崎書展)『チョコだるま』(ほるぷ出版)など。

作品紹介

さんぽのき
原作:前田 たかひろ
文:サトシン
絵:真珠 まりこ
作曲・編曲:外山和彦 / 安田信二
出版社:文溪堂


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