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きみとぼく(文溪堂)

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キーワードは「見守っていく」

先ほど、母親がオーバーラップしてくるという話をしましたが、「見守っていく」というのがこの絵本のキーワードでもあるんです。

─── 「見守っていく」ですか?

母親って、子どもが成長すればするほど、見守ってあげることしかできなくなるんですよね。もちろん、そうじゃなくちゃ困るんですけど、「見守るしかできない」って、ときに、とっても切ない。先ほども言ったように、辛い体験はできるだけしないでほしいと本気で願っちゃいます。おまじないかけちゃったりして…(笑)。でも、立場をかえてみると、見守ってくれる誰かがいると感じることは、とても心強いことなんです。見守り手の存在で、新しい一歩が踏み出せる。で、それは私たち大人も同じなんですよね。いくつになっても、「母」が見守っていてくれる。お空の上からかもしれないけれど…。アリスンが描こうとしたのは、たぶん、そういう「大いなる母性」なんです。

─── 今回、お話を伺って、この『ちいさなあなたへ』の新たな魅力に気づくことができました。発売から4年たって、新しくこの絵本と出会う方も多いと思うのですが、新たにファンになった方へメッセージをお願いします。

そうですね。本は非常にパーソナルなものなので、同じ本でも出会う時期によって感じることも変わると思うんです。この『ちいさなあなたへ』を読んで、なにかが心に響けば、それはふさわしい出会いのタイミングだったということでしょう。手元に置いて、数年後に読んでいただくと、また違うことを感じるかもしれない。
それに、うれしいことに、この本はよく贈り物にされるようです。お友達どうしや、夫婦で、お母さんから娘へ、娘からお母さんへ、お舅さんがお嫁さんにという話も聞きました。まだベビーバギーに乗った赤ちゃんがいつかお嫁にいくときのプレゼントにしたいといって若いママさんからサインを求められたこともあります。
いますぐに渡すんじゃなくて、何年も大切にしまっておいて、「そのとき」がきたら渡してくれるんだな…とおもうと、胸にずんときました。
そんなふうに、とても大切な人の、大切なときに、そっと手渡す一冊にしていただけたら嬉しいです。

─── ありがとうございました。

(おまけ1)

取材では、なかがわちひろさんのアトリエへお邪魔しました。
彫刻家の旦那さんとの共同アトリエは、壁の塗装やタイルなど、なかがわさんたちが自ら手がけたハンドメイド! 旦那さんの作品がいっぱい飾ってありました。

(おまけ2)

取材後、「おやつがあるんだけど、食べてく?」というなかがわさんのお誘いに、「はい!」ととてもいい返事をしたところ…。

おうちで、パフェパーティ!

① パフェ用のグラスを用意します。(コップでも代用できますが、専用グラスの方がわくわく感もアップします)

② アイス、果物、ジャム、シリアル、フルーツ、ポッキーなどのお菓子を用意します。(お友達とパーティーのときは、それぞれ持ち寄るのも楽しいです)

③ 思い思いの飾り付けをして、パフェを完成させます。(盛り付けは順番に、数に限りのあるものは取りすぎに注意しましょう)

(編集協力:木村春子)

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なかがわ ちひろ

  • 翻訳家として『ふしぎをのせたアリエル号』『すてきなあまやどり』(徳間書店)『魔女のこねこゴブリーノ』(福音館書店)『せかいでいちばんつよい国』(光村教育図書)など多くの訳書を手がける一方、創作絵本や童話に『のはらひめ』『きょうりゅうのたまご』『たこのななちゃん』(徳間書店)、『カッパのぬけがら』『しらぎくさんのどんぐりパン』日本絵本賞読者賞を受賞した『天使のかいかた』(理論社)、『おじいちゃんちでおとまり』(ポプラ社)などがある。

作品紹介

ちいさなあなたへ
作:アリスン・マギー
絵:ピーター・レイノルズ
訳:なかがわ ちひろ
出版社:主婦の友社


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