まほうのさんぽみち まほうのさんぽみち
著: ロビン・ショー 訳: せなあいこ  出版社: 評論社 評論社の特集ページがあります!
絵本が大好きな女の子とパパの、幸せであたたかいお話。
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「じっちょりん」が生まれたきっかけ

─── 『じっちょりんのあるくみち』デビュー作がいきなり大好評ですよね。絵本ナビでも熱いレビューが届いています!

ありがとうございます。書いているときはもう必死で、次の本が出せるなんて思わなかったですし、じっちょりんを世に送り出すために何度もラフを作っていた1年間は、途中で自分でもわけがわからなくなったくらいです。

─── かとうさんが以前、絵本ナビに寄せてくださったメッセージが印象的だったんです。

「じっちょりんの目の前にはきっと道はないけれど、
自分達でつくった道を進んで生きていきます。
制作中に何度も壁にぶつかったりもしましたが、
最後まで完成する事ができたのは、
そんなじっちょりんの存在を尊敬していたからだと思います」

「存在を尊敬している」ってすごいなと思いました。たしかに、小さいのに不思議な存在感とパワーがある。『じっちょりんのあるくみち』を読んだあと、いままで素通りしていたコンクリートの隙間や、壁と地面の間から生えている草花が気になってしょうがなくて。お散歩のしかたが変わっちゃいました(笑)。じっちょりんはどんなふうにして生まれたんですか?

朝、歯みがきをしているときに、頭にふわーっと浮かんだんです。
人間が知らないところで、ちっちゃーな生き物が、人間みたいな生活をしていたらおもしろいだろうなー、と。朝起きてから、日が暮れて眠るまでのお話にしたいなと。
最初は「じっちょりん語」を話していたり「じっちょりん村」の設定を考えてみたり(笑)。何度も場面を考えなおして、最終的にいまの「じっちょりん家族」が「たねかばん」を背負って道を歩いていくお話になりました。


▲小さなじっちょりんの目線で、どんな場面がおもしろいかなと、あれこれ考えたそう。
ジュースの自動販売機の下で「うーん、よくねた」と朝起きた場面の試作スケッチ。


▲「じっちょりん村」(!)の試作スケッチ。


▲じっちょりんがどんなところに種をまいているか…。

─── 「自然観察絵本」とレビューに書いた方もいるくらい、私たちの身の回りでよく見かける草花がたくさん描かれていますよね。

ラフ制作中は実在の植物じゃない絵を描いたこともあったのですが、だんだん実在の植物に変わっていきました。雑草と呼ばれるような草花、たとえば「かたばみ」「へびいちご」「おおいぬのふぐり」「ながみひなげし」の名前を入れるアイデアも途中から、やっぱり絵だけでなく草花の名前を入れたらいいかな、と加えていきました。

─── このページが素敵!ステップコーナーの下の、穴があいて光が当たっているところに「はこべ」が生えていて、暗いところは石ころやじゃりで生えていない。光と影や、奥行があって。そんななかをじっちょりん家族が歩いていくんですよね。

ターニングポイントになった思い入れのある絵です。最初はなかったページでした。自分でも、こんなふうにじっちょりんの目線になった絵が描けると思っていなかったんです。
「あとさき塾」という絵本制作ワークショップに通ってラフ制作を重ねていたのですが、あるとき、ワークショップを主宰されている土井さんに、自分が描ける絵にあわせてお話を作るのではなく、お話の世界にあわせて絵を描くんだよと言われました。本当にそのとおりだなと思いました。「いま、自分にその絵が描けるかどうか」で、絵本の絵を決めてはいけない。挑戦しようと思いました。
当時は派遣社員として仕事をしていたので、通勤の行き帰りの道や、おもしろそうな道を探して歩いてたくさん写真をとったり、この場面と同じステップコーナーの下を「どうなっているのかな?」と横からのぞきこんだりしました。実際はいろいろなものが落ちていたりして、ほとんど想像で描きあげたんですけれど(笑)。
この絵を描きあげたとき、ああ、私にも絵本の絵が描けた、と感慨深かったです。

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かとう あじゅ

  • 東京生まれ。幼いころの絵本が好きな気持ちのまま現在に至る。
  • 絵本ワークショップ「あとさき塾」出身。
  • 作品に『ただ よんだだけ』、『なかよしスタンプがたまったら』(共におはなしプーカ・学研)、『じっちょりんのあるくみち』、『じっちょりんとおつきさま』(文溪堂)がある。

作品紹介

じっちょりんのあるくみち
作・絵:かとう あじゅ
出版社:文溪堂
じっちょりんとおつきさま
作・絵:かとう あじゅ
出版社:文溪堂


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