おりがみだいすき おってあそぼ!アンパンマン おりがみだいすき おってあそぼ!アンパンマン
原作: やなせ たかし 折り図・指導: 藤本 祐子 作画: やなせスタジオ  出版社: フレーベル館 フレーベル館の特集ページがあります!
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《スペシャルコンテンツ》突撃レポート

2011.10.26

100冊刊行記念特集・「光村教育図書の絵本」
書籍編集部の轟部長と鈴木編集長にお伺いしました!

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とても個性的な翻訳絵本を沢山発行している出版社、光村教育図書さん。
絵本ナビでは、去年(2010年6月)、書籍編集部の轟(とどろき)部長と鈴木編集長に登場いただき、お話を伺いました。
「絵本をとおして、子どもの心をゆさぶりたい」という言葉がとても印象的でした。

光村教育図書の絵本の世界
特集「光村教育図書の絵本の世界」はこちら>>>


特集から1年経ち、光村教育図書さんの絵本作品の刊行がなんと…100冊を突破されたそうです!
多くの出版社さんにとって、「100冊刊行」というのは大きな目標であると聞いています。特別な思い入れもあるのではないでしょうか。
そこで、今回もお二人に登場していただき、その熱い想いを読者の皆さんにお届けしたいと思います。
いつもの特集とはまた違った視点のお話をお楽しみください!

100冊刊行突破記念!「光村教育図書の絵本」特集

─── この度、絵本の刊行が100冊突破されたとのこと。おめでとうございます!!

轟・鈴木:ありがとうございます。

─── 記念すべき100冊目に刊行されたのはどんな作品だったのですか?

轟:100冊目に刊行したのは、『フィートは はしる』という、オランダの絵本(ビビ・デュモンタック/文、ノエル・スミット/絵、野坂悦子/訳)でした。
「これを100冊目に」と意識して刊行したわけではないのですが、あとから考えてみれば、100冊目にふさわしい作品だったと思います。

鈴木:走ることが大好きで朝から晩まで走っているダチョウのフィートが、ある日、つよい向かい風にはばまれて、一歩も進めなくなってしまうんです。
カモに波に揺られていようと誘われても、ノウサギに隠れていようと誘われても、フィートは受け入れません。

轟:ほかの動物たちが、風が止むまで走るのを少しやめたらと口ぐちに言うのですが、フィートは立ちどまることを、断固、拒否します。フィートはどうしても走りたい、走りつづけたいんです。

鈴木:そしてフィートはどうしたかというと…。風に逆らうのをやめるんですよ!
進行方向を逆の方向に変えてしまうんです。
押してもダメなら引いてみろということですね(笑)

フィートは はしるフィートは はしる

轟:これまでの私たちの出版過程が逆境にあったというわけではないのですが(笑)。
社会の流れを見る、その時代の風を感じ取るのは、とても重要なことですからね。
どういった作品を出版していこうか考えるとき、今の日本の子どもたちが置かれている状況を的確にとらえることが大切です。
まずは子どもたちに寄り添って、同じ視点に立ってみなければ。

鈴木:時には、他の人の意見に耳を傾けたり、フィートのように、風の流れに身を任せてみることも必要になったり。
それはとても勇気がいることだと思うのですが…。

轟:私たちがこれまで目指してきた方向を180度転換することはないにしても、考えに偏りがないか、ひとりよがりになっていないか、読者である子どもたちが置き去りにされていないか、常に意識しなければなりません。
そのためには、心に余裕がなければなりません。

鈴木:厳しい表情で向かい風をにらみつけていたフィートが、ラストでは追い風に乗り、風の力を味方につけて、とても気分よさそうに疾走しています。
その表情、姿が、なんとも爽快なんです。
風に歯向かうフィートのがむしゃらな感じも好きですが、ラストのすがすがしい表情はもっと輝いています!

─── 出版社にとって、100冊刊行というのは特別な思い入れがある・・・と伺ったことがあります。
光村教育図書さんにとって、100冊刊行までの道のりは長かったですか?あっという間でしたか?

鈴木:う〜ん、どうでしょう???(笑)
長かったといえば長かったですし、短かったといえば短かったですし…。

轟:そうですね。
100冊刊行してみて思うのは、これは到達点ではなく、通過点に過ぎない、ということですね。
確かに、100冊刊行してようやく読者の皆さまに、「光村の絵本」のイメージが、ぼんやりとでも伝わるようになったと思います。
でも、これでやれやれ、ではないんです。これが新たなスタートにならないと。

鈴木:はい、重々承知しております(笑)
これまでのイメージを大切にしつつも、いい意味で読者の皆さまを裏切るようでなければならないと思っています。
ただ、100冊でやりきったとは、決して思いませんね。まだまだやりたいことはたくさんあります!

轟:これからが正念場と覚悟をしています。
もう一度自分たちの絵本出版の原点に立ち戻り、広い視野で作品を発掘したい、そして丁寧に磨きをかけていきたいと考えています。
世界には、日本の子どもたちとの出会いを待っている、すばらしい原石がまだまだたくさんあると実感しています。

─── 100冊の中でも特に人気の作品を教えてください!

轟:今年の4月に小学校の教科書改訂があり、画期的なことに、たくさんの絵本が国語の教科書で紹介されました。
小社の絵本も9作品紹介していただきましたが、どれも人気のあるものばかりです。
低学年向きでは『ハンダのびっくりプレゼント』『ハンタイおばけ』『ジェイミー・オルークとなぞのプーカ』『とらと ほしがき』、中学年向きでは『ポップコーンを つくろうよ』『せかいで いちばん つよい国』、高学年向きでは『あたまに つまった 石ころが』『ローザ』『嵐のティピー』です。

ハンダのびっくりプレゼント

ハンタイおばけ

ジェイミー・オルークとなぞのプーカ

とらと ほしがき

▲低学年向き『ハンダのびっくりプレゼント』『ハンタイおばけ』『ジェイミー・オルークとなぞのプーカ』『とらと ほしがき』

ポップコーンをつくろうよ

せかいでいちばんつよい国

▲中学年向き 『ポップコーンを つくろうよ』『せかいで いちばん つよい国』

あたまにつまった石ころが

ローザ

嵐のティピー

▲高学年向き 『あたまにつまった石ころが』『ローザ』『嵐のティピー』

─── どれもとっても個性的!小学生でも楽しめたり、読み応えのある絵本というのはとても興味があります。
それでは、最近刊行された作品の中からもおすすめ作品を教えていただけますか?

鈴木:前回のインタビューで『かあさんを まつ ふゆ』を紹介させていただいた、E. B. ルイスさんの『川のうた』(ラングストン・ヒューズ/詩、E. B. ルイス/絵、さくま ゆみこ/訳)がおすすめです。
本年10月末刊行の新刊ですが、これは本当に心にしみます! 何度も声に出して読んでほしい、川に寄せる魂の声です。黒人たちが、自分たちのルーツや存在について川に思いを馳せる詩ですが、読む人それぞれに自分に引き寄せて味わうことができる、懐の深さがあります。
ルイスさんのイラストもすばらしいです!

轟:9月に刊行された『ねえ、おきてる?』(ソフィー・ブラックオール/作、もとした いづみ/訳)も楽しい絵本です。
真夜中に目がさえた幼いエドワードが繰り返す無邪気な質問に、眠気を必死でこらえながらも粘り強く答えるお母さん。親子のふれあいにぴったりの絵本です。

鈴木:『川のうた』と同じく、本年10月刊行の『くらくて あかるい よる』(ジョン・ロッコ/作、千葉茂樹/訳)もおすすめです。
今年は東日本大震災をはじめ、自然災害の多い年でした。児童書の出版に関わる者として、何ができるか、何をすべきか、考えつづけています。
これは、アメコミ調のイラストで、一見ポップな印象の絵本なのですが、テーマがとてもしっかりしています。利便性や快適さばかりを追求してきた現代の暮らしに疑問を投げかける一冊だと思います。家族のあり方についても考えさせられますね。

轟:この夏に刊行された『おじいちゃんの手』も、読みごたえある絵本です。
ピアノやトランプや野球など、何でも得意で教えてくれるおじいちゃんが、むかしできなかったこと――それはつまり、黒人ゆえに工場でパン生地をこねることを許されなかったことなのですが――を、孫のジョーゼフに話して聞かせます。おじいちゃんが、仲間とともに立ち上がり、自らの手でどのような仕事にも就ける自由を勝ち取ったことを誇らしげに語るんです。
伝える祖父と受け取る孫との関係を描いた、すばらしい絵本です。

川のうた

ねえ、おきてる?

くらくて あかるい よる

おじいちゃんの手

▲最新刊の中から、おすすめをご紹介『川のうた』『ねえ、おきてる?』『くらくて あかるい よる』『おじいちゃんの手』

─── 最後に、絵本ナビ読者に向けてメッセージをお願いします!

鈴木:絵本の出版は時に子育てに似ているかもしれません。
作家や翻訳者が産みの親で、印刷所や製本所、出版社が育ての親です。
ある程度までは親が関わることができますが、その後の成長、生き方は、読者との出会いに大きく影響されます。誰に手渡され、どう読まれるか…。
親としては、絵本ナビの読者の方々との出会いが、大切な子どもたちを大きく成長させてくれることを願うばかりです。
個性あふれるよい子ばかりです! 皆さま、末長くお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします!

轟:電子書籍や電子媒体のブームは、これからも大きな流れとなっていくものでしょう。
それらとは対照的に、絵本は紙文化の象徴ともいうべき存在です。手にとったときの感触、色彩、デザイン、声に出して読んだときの響きなど、どれも子どもたちの心に直接響くもので、ほかに代わるものが見当たりません。
デジタルの波がどんなに大きくても、絵本の出版だけは、これからも大切に長く続けていきたいと考えています。
絵本ナビの読者の皆さま、これからも厳しく、そして温かく見守ってください!
そして、気づいたこと、感じたことなど、ぜひレビューをお寄せください!
よろしくお願いいたします。

─── ありがとうございました!

光村教育図書さんから現在刊行されている作品全108冊をピックアップしています! 作品一覧はこちらのページからどうぞ>>>


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