いっしょにあそぼ しましまぐるぐる いっしょにあそぼ しましまぐるぐる
絵: かしわら あきお  出版社: 学研 学研の特集ページがあります!
「泣きやんだ!」「喜んでる!」 ママパパも大喜び! シリーズ累計185万部の大人気ロングセラー赤ちゃん絵本

連載

『ぐりとぐら』の作者が贈る、ママたちへのメッセージ  『ママ、もっと自信をもって』出版記念連載

日経BP

2016/07/28

【連載】第1回 編集者 大谷真幸さんインタビュー

【連載】第1回 編集者 大谷真幸さんインタビュー

第1回目は、『ママ、もっと自信をもって』(日経BP)の担当編集者、大谷真幸さんにお話しを伺いました。「中川李枝子さんという人を、多くのお母さんに知ってほしかった」という思いからインタビューを続け、中川さんの子育て論や働くママとしての視点を発信し続けた大谷さん。大谷さんから見た、中川李枝子さんの魅力とは、どのようなものなのでしょうか……?
●ご自分の経験を基準にしている、そこが中川さんの魅力のひとつ
―― 『ママ、もっと自信をもって』は、中川李枝子さんが母として、保育士として子どもと接してきた中で感じた、子どもの姿を生き生きとした語り口でまとめられています。この本を作ることになったきっかけを教えていただけますか?

そもそものきっかけは、日経新聞に掲載したインタビュー記事でした。当時、日経新聞の編集委員をしていた私は、「日経マガジン」という月に1回、朝刊に同梱されて届く新聞第二部に定期的に記事を書いていたのですが。2012年3月の「伝えたいこと」という特集の企画として、中川さんにインタビューを申し込んだのです。
「日経マガジン」に掲載されたインタビュー。
―― 「日経マガジン」は東京、神奈川、千葉、埼玉にお住いの日経読者に向けて発行されていた雑誌ですね。この中で中川さんは「子どもが楽しめる世界を」という内容でお話をされていますね。

特集全体のテーマは、次世代に伝えるべきことをさまざまな専門家に聞くというものでした。その中の1人として、中川さんにご登場いただいたのですが、取材の中で聞いた中川さんの歩んできた人生がとても印象的だったんです。ただページ数は限られていて、そのごく一部しか紹介できなかった。中川さんのお話をもっと伝えたくて、日経マガジンが発行された後、すぐに夕刊の連載コーナーを担当しているデスクのところに行って、「原稿を書かせてほしい」と提案したんです(笑)。
―― それが2012年7月からの「人間発見」の連載ですね。5回に渡って、中川さんが『ぐりとぐら』を作った経緯や子どものころの思い出、みどり保育園での保母さんのときの話などが掲載されているのがとても興味深かったです。

今までこのコーナーでは、企業のトップや創業者などビジネスで成功されている方を紹介することが多かったので、児童文学を書いている方で連載をすることは珍しかったようです。でも、中川さんは作家であると同時に母であり、60年代当時でも珍しいワーキングマザーでもありました。保母の仕事をしながら母として子育てをし、さらに執筆を続けてきた中川さんのお話は、日経新聞の読者にもきっと受け入れられると思ったのです。
―― 実際の反応はいかがでしたか?

5回の連載ではありましたが、多くの方から好感触の反応をいただくことができました。でも、新聞で中川さんのお話を載せたのはその5回のみ。以降、中川さんのお話を掲載する機会は訪れないと思っていました。しかし、それから1年後、再び、中川さんと一緒に作品を作る機会があったのです。
―― それが、「日経DUAL」での連載「ママ、もっと自信をもって」ですね。2014年の連載から、月1回ほどのペースで公開されていて、「保育園を選ぶときに忘れないでほしいこと」や「働くママと専業ママ、どちらがえらいわけではない」など、目次も気になる内容ばかりです。

「日経DUAL」は、20代から30代の働くママ&パパに向けて、子育てや教育、仕事などに役立つノウハウを集めた情報サイトです。配属されてすぐに、私は中川さんに連絡を取りました。中川さんの経験をお伝えするのに、まさにピッタリの読者層だと思ったからです。
―― 大谷さんの話を聞いたとき、中川さんはどのような反応だったのですか?

「あら、また話すの?」と言われたように思います(笑)。私としては、待ちに待った機会。「また」といわず、何回でもお話ししていただきたいくらいでした。それと同時に、連載するにあたって、今までの新聞連載とは違う年代、キャリアを持つ若い方にどうやって中川さんのパーソナリティを伝えていけばいいか悩みました。
―― 「日経マガジン」では客観的に、「人間発見」では一人称でエッセイのように書かれていて、「日経DUAL」や『ママもっと自信をもって』では、またガラッと印象が変わりますね。

そうなんです。「日経DUAL」では中川さんの人となりを読者に身近に感じてもらいたいと思い、対談形式にしました。さらに、中川さんの子どものころや保母さん時代の話ではなく、子育て中のママからの悩みに応える「Q&A」形式にしました。
―― この「イヤイヤ期の3歳の長男についいら立ってしまいます」や「わが子の成長をついほかの子どもと比べてしまいます」など、ママやパパが抱える子育て中の悩みに対して、中川さんがご自身の体験を元にお応えしている形式がとても分かりやすく、なるほど〜と納得しています。連載はどのようなやり取りで進んでいったのですか?

月1回くらいのペースで、私とライターで中川さんのお宅にお邪魔しました。そのとき、読者からの感想と質問を一緒に持って行って、2時間くらいお話を伺うのです。ときどき質問とは関係のない話に脱線することもあったのですが、このインタビューでは、できるだけ脱線してほしいと思っていたのでむしろ好都合(笑)。中川さんの話は脱線した中にも、いろいろ気づきがあるんです。
―― 脱線した中に、気づきですか?

例えば、「PTA活動、働く女性が専業ママと仲よくする方法は?」という質問のとき、PTA活動の話しから、働く女性と専業ママの話、ついには他人の子とわが子を比べる話へと話題が移っていきます。その流れの中で「私がお母さんたちにいつも言っていたのはね、『比べたいなら、自分と比べなさい』って。保育園に来ていた子どもたちはみんな、お母さんより上出来、すぐれていた。」という言葉が出てきたんです。自分の子どもをほかの家の子どもと比べる前に、自分と子どもを比べる。自分よりも優れている点が子どもには必ずある。本来の質問の答えとは違っているけれど、これはとても大切なことだと思い、載せました。

―― たしかに、一度読んだだけではさらっと流してしまいそうですが、何度も読み返すうちに、心に浸透して響いていくようなメッセージを感じました。大谷さんが特に印象に残った中川さんの回答はありますか?

「子どもと一緒に読むお薦めの絵本を教えてください」という質問に対する回答です。中川さんのお答えは「お母さんが好きだと思ったものを選べばいい」でした。
「親には最良のものを子どもに与えたいという本能があるから、変なものを選ぶはずがない」というのが中川さんの考えです。そうやって親の好みやセンスで選んで子どもに読み聞かせていくうちに、絵本が本棚に1冊、また1冊と増えていく。残った絵本は親子にとって大事な宝物になる、と中川さんは言います。
そういう絵本が並んだ本棚って素敵だと思いませんか。今は絵本が簡単に手に入るので、何冊も絵本を買ってその中から子どもに好きな絵本を選ばせるという家庭も多いのではないでしょうか。そうではなく、まず母親が好きな本を選ぶというのは改めて大切なことだなと感じました。それに中川さんによれば自分の好きな本は誰でも上手に読めるそうです。「お母さんが子どもを膝にのせ、自分のお気に入りの絵本を開いて楽しさが伝わるように読む。子どもは何よりもお母さんと一緒がうれしい。それでいいのよ、スキンシップなの」。だから自分が気に入った本を読むのがいちばん、というのはすごく納得できるお話でした。
―― 親の好きな本を子どもに読むというアドバイスは、中川さんらしいですね。

中川さんのお話は、「こうすれば問題は必ず解決する」というハウツー的なものではないかもしれません。「読めばすぐに役立つ」とうたうビジネス書的なものでもない。でも読んだママが確実に救われるメッセージが随所に散りばめられている。そのメッセージを自分の場合に当てはめて考えるといろいろな気づきがあると思います。
その場の問題をとりあえず解決する「対処療法」というより、子どもを育てるときに忘れずにいたい「指針」と言えるかもしれません。
私はこの本の原稿を何度読んだかわかりませんが、それでも読み直す度に、自分の子育てや生き方、暮らし方に対する気づきがあります。
―― 「日経DUAL」での連載をまとめたのが、今回の本『ママ、もっと自信をもって』なのですね。

はい。本のタイトルにもなった『ママ、もっと自信をもって』というフレーズは、連載がスタートする前に、日経DUALがはじまった直後に掲載した編集長インタビューでの中川さんの言葉です。このフレーズが、ママへの一番のメッセージでもあり、最も伝わると思って、連載のタイトルにもしました。
―― 『ママ、もっと自信をもって』は構成も面白いですよね。

ありがとうございます。本は、二部構成になっていて、第一部は「子どもと本が教えてくれた 〜私の保育士時代、子ども時代〜」。子ども心に感じた戦争の話しや、大好きだった本の話。「みどり保育園」の主任保母として子どもたちと接してきた話、『ぐりとぐら』の誕生秘話などを掲載しています。そして、第二部では「ママ、もっと自信をもって 〜悩めるママと中川李枝子さんの子育てQ&A〜」として、「日経DUAL」で掲載された、内容を加筆修正して載せています。
第一部で語られる中川さんの歩んで来た半生を知ると、第二部で語られるアドバイスの意味がより深く理解できるのではないかと考えて、このような構成にしました。


―― 特にオススメのページを教えていただけますか?

そうですね……。カラーで収録した中川さんの著作リストは、子どもと読む絵本を探しているママやパパはもちろん、絵本が好きな大人の方にも喜んでもらえるのではないかと思っています。
中川さんの希望で、単行本だけでなく、教科書に収録された作品も取り上げてあります。「子どものころに読んだ!」と懐かしくなる作品や、「この作品も中川さんが書いていたのか」とビックリする作品もあるかもしれません。
せっかくなので書影を載せたいと考えて福音館書店をはじめとする出版社に相談したのですが、この本の意図を伝えると、すごく好意的に協力いただけたことも印象的でした。
担当している方、みんな、中川さんのファンなんじゃないかな。そうそう、この作品リストは中川さんにも好評だったんですよ(笑)。
―― そうなんですか?

講演会や企画展に合わせて、担当者や司書さんが作ったリストはいくつか見せていただいたことはあるのですが、こうやって書影も入った著作リストはなかったそうです。もともと、自分をアピールすることがお好きではないので、このリストも「私にだけもらえればいいのに」と冗談めかして言っていました(笑)。

―― お話を伺うと、ますます中川さんの魅力に引き込まれていきます(笑)。大谷さんは中川さんの人となり、魅力は、どんなところにあると思いますか?

私も、お会いする度にいつも「この、人を惹きつける力はなんなだろう……?」と思っています(笑)。4年以上、お話しを伺ってきて思うのが、中川さんからは、今の識者にはない、回答が得られることだと思います。中川さんはいつも、質問に対してご自分が応えられる内容かどうかを考えながら、回答しているように思えるんです。一般的な教育論や世論から話を流用することはなく、すべてご自分の経験と体験談を基準にしている。だからこそ、多くのママたちが気づかされ、励まされるのだと思います。
―― 改めて絵本ナビユーザーへのメッセージをお送りします。

絵本ナビのユーザーの方の中には、子育て中の方、働いている方、絵本が好きな方、いろいろな方が訪れていると思います。この『ママ、もっと自信をもって』は、保母であり、ママであり、児童文学作家である中川李枝子さんが、ご自身の体験を元に、現代を生きるママへのメッセージが散りばめられています。読んでいただくと、今まで感じなかったふとした気づきや発見を、お子さんと過ごす中で随所に感じることができると思います。育児に追われているお母さんも、子育ての楽しさ、すばらしさを改めて実感できるのではないでしょうか。それと、この本は男性にもぜひ、読んでいただきたいと思います。
―― ママだけでなく、パパもですか?

はい。私自身、子どもを持つ父親として、中川さんのお話を聞く中で発見がいろいろありました。60年代から現代まで、第一線で活躍する中川さんの生き方は、男性にとっても、とても魅力的に映ると思います。いろいろな年代、立場の大人の方に手に取っていただけると嬉しいですね。

―― ありがとうございました。



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