自分のたいせつなものを失ったとき、あなたならどうする?!

ある日のあさ、シマウマとうさんは、じぶんの体のシマがいっぽん、消えていることに気づきます。つぎの日も、そのまたつぎの日も、シマはどんどん消えていきます。お医者さんでもらったシロップも、近所のダチョウがくれた「きせきのなんこう」も、ちっともききめがありません。「シマのないシマウマなんて、みっともないにきまってる!」と、やけっぱちになるとうさん。そんなとき、シマウマとうさんは、高所恐怖症のキリンに出会います。そして…。
私たちの毎日は、うまくいかなくて落ち込んで、くよくよ悩むことばかり。大切なものをあきらめなければならないこともあるでしょう。そんなとき、シマウマとうさんは、どうしたかって? 不屈の精神で立ち向かうわけでもなく、ジタバタあがいてパニクって、のほほん家族に見守られながら、自分の方法にたどり着きます。オトボケ感全開のシマウマとうさんに、共感するもよし、あきれ返るもよし。自分に思い悩む、すべての人に贈る絵本です!
この絵本がつくられた、旧ソ連の国ジョージア(グルジア)もまた、2008年にロシアの軍事侵攻を受けました。諸大国に翻弄されながら長い歴史を生き抜いてきた小さな国の、女性アーティストが創り出した絵本第一作です。最近では、松屋の「シュクメルリ鍋」でも一躍有名に! 絵本カバー袖には、ジョージアの地図もついています。
みんなのコメント
2コメント
みいの
日ごとにシマが消えてしまう症状で思い悩んでいるシマウマとうさんの悲壮感は、老化現象に苦労する今の私に似ているかも…。
キリンくんと出会ってからの気持ちの変化は見事。
生き生きとしたシマウマとうさん、ちょっとかっこいいです。
つぐすけ
”不屈の精神で立ち向かうわけでもなく”っていいなぁ…頑張れないときは受け入れることも大切ってことなのかな?読んでみたくなりました!