
成田鉄男は、土矢小学校に通っている小学六年生。でも、親が、いま住んでいるアパートから、ほんのちょっと離れたところに念願のマイホームを建てたものだから、小谷や菱田といっしょに土矢中学校に進学するはずが、瀬谷中学校に通うことになってしまった。 瀬谷中には、小学生のときから仲の悪かったやつらのいる南谷小学校をはじめ、ほかの小学校から入ってくる生徒ばかり。知っている子はだーれもいないなか、中学生になってしまった鉄男は、南谷小出身の後藤に目をつけられたり、いっしょの洋装店で制服の採寸をした杏里が気になってみたりしながら、へたれなりに自分の立ち位置を探りはじめたのだった――。

小学生から中学生に変わる節目の男の子、成田鉄男クンの心境が語られながら、物語は進みます。中学生になるということは ただでさえ不安なのに、引越しで友達が一人もいない中学に進学するのは心細い!
舞台は関西(たぶん大阪?)で、特有のノリ満載です。例えば、制服の採寸で隣り合った母親同士の会話は大阪そのもの(笑)。学校のネーミングも「どや(土谷小)」「せや(瀬谷小)」「なんや(南谷小)」は大阪弁から?
敵陣に踏み込む気持ちだったテツオも少しづつ馴染んでいきます。教室に並んだ36の机がイラストで何度も出てきますが、出てくる度に覚えたクラスメイトの名前が机に書かれていて、それが増えていくのが面白かったです。そして、中学生になることの色々、ランドセルとの別れ、制服の採寸、つめえりの窮屈さ、新しい上履き、卒業式・入学式の祝辞の退屈さ等々が、リアルでした。
中級編・上級編も楽しみです。頑張れ、テツオ!応援しているよ。 (なみ@えほんさん 50代・その他の方 )
|