
人気者のミイが主人公「ミイのおはなしえほん」シリーズから二冊目の絵本です。 前回のおはなしで、ムーミン屋敷に住むことになったちびのミイ。今回の絵本では、その続きからのおはなしになります。
すっかりムーミン屋敷を気に入ったミイは、相変わらず自分のすきなことをやりたい放題。毎晩、大好きなムーミントロールの部屋にきては、おおあばれして散らかします。そのせいで、ムーミントロールは寝不足です。ミイに注意してもやめる気はさらさらないようなので、ムーミントロール自身がムーミン屋敷をでようと決意します。すると、ミイがこういうのです。 「じぶんで、いえを たてちゃえば いいのよ!」 えっ!?ミイのせいでこうなってるのに、なんて自分勝手な。いいえ、それをきいたムーミントロールはすかさずこう答えます。 「それは めいあんだ!ぼくのいえかあ」 ふたりはムーミントロールの家をつくるために、家を建てる場所をさがし、建材をあつめて特別な家をつくりはじめるのです。もちろん、無計画にはじめたものですから、作業をすすめるたびに問題がおきるのは当たり前。でも二人はやっぱりマイペース。いつもの調子で愉快なやりとりが続きます。さらにフローレンまで加わって、三人の家づくりはどんどん思わぬ方向にすすんでいくのですが・・・。
ムーミン・キャラクターズ社の公認画家でもある作者のリーナ&サミ・カーラ夫妻が贈るこのシリーズでは、ムーミン一家の新たな魅力に出会うことができます。今回も北欧ならではの美しい色彩の中で繰り広げられるユーモアたっぷりのおはなし。登場人物たちの大らかな対応になんだかこちらも笑いながらのんびりしてしまいます。おはなしの展開も二転、三転するので、最後まで目が離せませんよ。でも、結局のところ、ミイはどこに住むことになったのかしら...。 その答えは、絵本の中で見つけてくださいね。
(富田直美 絵本ナビ編集部)

ちびのミイが、毎晩部屋にきて大さわぎするので、ムーミントロールはよくねむれずにいます。おこっても、ミイはでていきません。そこで、ムーミントロールは、自分だけの家をたてることにしました。でも、土台作りも、木を切るのも、なかなかうまくできません。いろいろ失敗もありましたが、フローレンの協力もあって、みごと、ムーミントロールの家ができあがりました! 完成いわいのパーティに招待したのは…? ミイのおはなしえほん第二弾です。

あのちびのミイがムーミン屋敷に同居すことになった。夜中に大騒ぎをするので、被害者のムーミンは連日の寝不足。とうとう家をでていこうとすると、ミイは「自分の家を作っちゃえばいいのよ」と…スゴイ提案。自分の勝手な行動の数々は全く気にせず、無責任発言。
それを真に受けて、本当に家を建て始めるムーミンもスゴイ。意外と気が合うのかも。
その後のめちゃくちゃな展開は、是非とも本書を見て欲しい。人間だったらいくつくらいの年齢かわからないが、おそらく未成年のような気がする少年(仮)ムーミンが、わけもわからず、情熱だけで材料を集め、家を建てる。もちろん大工の経験などない。アドバイザーは、例によってミイ。何ができあがるのやら、はじめから不安な展開。もう、こんな人生はギャグ。
更にマイペースで能天気なフローレンが絡まる。ムーミン谷の住人は、普通の感覚の人がいない。みんな独自路線で後先考えず驀進する。この破壊力、このパワー。だれでも極めて行動的で積極的。
なんだか、ちまちまと生活の事を考えて、スーパーの食品を買うのに数十円の値段の差を死ぬほど大袈裟に考えている自分がバカに思える。どうやったって、なるようにしかならないなら、この連中のようにもっと人生を楽しんでみてはどうだろうか?
子どもが読んでも楽しめるけど、もちろん年齢問わず楽しめる作品だと思う。強烈なギャグとユーモア、皮肉が含まれて、毒にも薬にもなりそうな絵本だ。 (渡辺諦さん 30代・その他の方 )
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