
3人兄弟、5人兄弟のまんなかの子って、とても自立していて独創的な子が多いっておはなし、よく耳にします。いい意味で兄弟の誰とも似ていなくて「変わってる」子! そんなユニークなところが輝いてる素晴らしい才能の持ち主がこの絵本の主人公です。
アンドルー・ヘンリー・サッチャーは、5人姉弟のまんなかでいつもひとりぼっち。 だって、上のお姉さん二人はお洒落に夢中だし、弟二人はくるまと塗り絵、仕事で忙しいお父さんは、一人で静かに新聞を読んですごします。でも、アンドルーは気にしません。だって、とても忙しいんですもの。そう、アンドルーは発明王!毎日、自分のモノづくりに夢中なのです。その発明たるや、ありものの資材でキッチンにヘリコプターを作ったり、ミシンでまわすメリーゴーランドを作ったり。もうノンストップの想像力、そして創造力!けれど・・・。どうして、この素晴らしさ、みんなわかってくれないのー?!
家族の迷惑顔をよそに、アンドルーはひとり決断します。 だったら、誰にも迷惑をかけない場所で、もっともっとワクワクしちゃうものをつくってやる。道具一式をかついで、牧場を横切り、丘をこえ沼をわたり、森の奥へすすんで向かった場所は広い原っぱ。抜群の行動力と実行力のあるアンドルーは、この場所で自分だけの最高にクールな秘密基地をつくるのです。
そこへ、悩み事を抱えた仲間たちが次から次へとあらわれて・・・。
自由でのびのびとした子どもの発想をシンプルな線で美しく表現するのは、1960年代70年代に活躍された米国の作家ドリス・バーン。今作は、発売当時の1965年にワシントン州知事芸術賞を受賞し、教科書にのるなど古くからアメリカの子ども達には大変馴染みのある作品です。バーンさんは、残念ながら2011年にお亡くなりになりましたが、日本では彼女の作品が再評価を受け始めています。
2014年に、イラストを担当した『いえでをしたくなったので』(ほるぷ出版)『クリスティーナとおおきなはこ』(偕成社)と相次いで出版されているのも記憶に新しいのですが、本作品は、そんな彼女が絵もおはなしも担当したはじめての作品となります。50年以上の時を経てなお、色あせない、子どものイマジネーションを刺激する素晴らしい作品が読める喜びを感じられます。
アンドルーが他のお友だちに作った秘密基地は誰かに思わず話したくなるくらい、どれもたまらなくクリエイティブです!子どもたちに刺激を受けた大人たちがその後どうしたか・・・。無条件で夢中になれることがどれだけ素晴らしいか、ぜひとも手にとって読んでいただきたい作品です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)



アンドルーはものづくりが大好き.でもやりすぎて家族にはいつも文句をいわれる.とうとう道具を一式もって,家出をすることにした.原っぱに自分だけのひみつきちをつくったら,すぐに仲間が集まってきて…….子どもの空想をいきいきととらえた,近年再評価がすすむ作家のデビュー作.1965年ワシントン州知事芸術賞受賞作.

秘密基地を持つことにいつまでたっても憧れてしまいます。
子供の夢がいっぱい詰まった絵本に、わくわくして2回も続けて
読みました。表紙は、爽やかな黄緑がかった緑色なのに、中身
は、白黒なので想像の世界が広がります。
子供が何人も家出してまるまる4日かん、みんなは、必死でさが
しつづけて・・・・・・・
いつか終わりが来るかもしれないですが、発明王のアンドルー
に、家に戻ると地下室が秘密基地になり、ものづくりの工場に
なってよかったなあと思いました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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