
「ぼくが きのうから よんでたんだよ!」 「きょうは わたし!」
おやおや、大きな声が聞こえてきたのは「すくすくようちえん」から。 しゅんくんといくちゃんが、一冊の絵本を持ったまま、どちらも離そうとしません。 どうやら、二人とも同時にこの絵本を読みたくなってしまったようです。 一歩もゆずらないしゅんくんといくちゃん、とうとうケンカになってしまいました。 ところが、絵本が破けそうになったので、しゅんくんが慌てて手を離して……。
ケンカをして、物が壊れてしまうのはよくないけれど、なんだか二人の強い気持ちも伝わってきますよね。どうしても今、この絵本が読みたい。それだけはどうしてもゆずることができない。そんな、頑なな気持ちになってしまった二人を見ていて、ゆきこ先生はどうしたのでしょう?
「みんなで一緒に読みましょう」 そういって丸くおさめるのは簡単だけれど、ゆきこ先生はある方法を使って見事に二人の心を溶かします。だって、自分から相手の思いを受け取る気持ちにならないと「一緒に」なんて思えませんよね。
くすのきしげのりさんの「すこやかな心をはぐくむ絵本」シリーズ6冊目は、「わかちあう心」をテーマに武田美穂さんの親しみやすいイラストで描き出します。子どもたちのくるくる変わる表情から、その小さな心の動きがストレートに伝わってくる一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

ふたりが同時におなじ絵本を読みたくなってとりあううちに、とうとうケンカになってしまいました。それを見ていた先生は……。
ゆずりたくない互いの思いをどのようにうけとめるのか。親しみやすいイラストが心にストレートに語りかける絵本。

五才の息子に読み聞かせしました。
絵本を読みたい二人が幼稚園でひっぱりあいっこ
すると絵本がビリビリ
泣いちゃう二人
そこで先生登場
最後は二人で仲良く絵本を読む姿にうっとり
お互いを思いやる気持ちって大事だな〜と気付かせてくれる絵本です。 (たみのかさん 40代・ママ 男の子6歳)
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