
夜は、子どもにとって、どんな存在なのでしょうか。
真っ暗で、何も見えなくて、怖いもの。 その暗闇からおばけがやってくるんじゃないかって、恐ろしいもの。 もっともっと遊びたいのに寝なければならない、悔しいもの。
そんな風に、ネガティブなイメージが多いかもしれません。
この絵本は、子どもたちが寝静まった夜が舞台。 それもきっと、10時や11時ではなく、2時か3時くらいの真夜中です。 自分が寝ている間に、いろんなものたちが、お外ではなかよくしている。 例えば…… 「つきよに ナマズとやなぎ なかよし」 「つきよに ゆうびんポストとじてんしゃ なかよし」 「つきよに チョウチョとせんろ なかよし」 各ページに1組ずつ、「つきよのなかよしたち」が登場します。
子どもにとって夜のイメージが大きく変わることになるかもしれません。
中にはきっとお子さんが知らないものも出てくるでしょう。 (灯篭、ドラム缶、灯台など……) これって何?と興味を持ったお子さんには、「これはね……」と説明してあげてくださいね。 お子さんの新しい世界が広がるはずです。 そして、「チョウチョとせんろは、どうしてなかよしなのかなぁ?」などと、「なかよしの秘密」を親子で探ってみるのも楽しいかもしれません。 大胆に描かれた井上洋介さんの絵もまた魅力のひとつ。お母さん、お父さん世代には、『くまの子ウーフ』の絵が、なじみ深いのでは? じんわりした絵の具のにじみの中に、真夜中の静寂とどこか楽しげな逢瀬が、見事に表現されています。
(洪愛舜 編集者・ライター)

月夜にブランコとダンゴムシがなかよくなったり、くじらと灯台がなかよくなったり…。月夜の不思議な出会いを描くナンセンス絵本。

実は私たちが眠っている真夜中、外では何が不思議な私たちの知らないことが起こっているのかもしれない・・・と、ちょっとドキドキわくわくする絵本です。
でも、私はやっぱり丑満時って何だか怖いです、見なくていいものを見てしまいそうで(笑)。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子10歳)
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