
春のある日、小さな女の子が川の石めくりをしてあそんでいると、黒い生き物があわてて逃げ出しました。
「あれ? おたまじゃくし?」
それは、厳しい冬をのりこえた、オオサンショウウオの子どもでした。
桜の花びらが散る川で泳ぐ、小さなオオサンショウウオの子ども。 エサを食べてすくすくと育ち、ときに自然の猛威にさらされながら、やがては姿を変えて成長していく――。 同じころ、春に出会ったあの女の子は、なにをしているでしょうか? 知られざるオオサンショウウオの成長の日々を、季節ごとに色づいて美しく姿を変える川辺の風景と共に追ってみましょう。
そのつぶらなひとみと、ずんぐりとした姿は愛嬌たっぷり! 両生類には珍しい、オオサンショウウオの子育てや、戦後の日本でオオサンショウウオが担っていた、意外な役割。 そして、成体になったオオサンショウウオが食べるおどろきのエサなど、大人も知らないオオサンショウウオの秘密がいっぱいです。
本作ではオオサンショウウオの成長と同時に、オオサンショウウオの子どもと出会った女の子の成長もまた、描かれているのですが…… 実は、オオサンショウウオの寿命は60年とも70年ともいわれ、成体になるのにも人間と同じくらいの時間が必要なのです! 加えて、見返しに描かれている、おとなのオオサンショウウオと人間の赤ちゃんの手形、足形。 その少し似ている愛らしさを見ていると、オオサンショウウオという生き物がなんだかとても、人間にとって身近な存在に思えてきます。
人間と同じだけ長く生きる彼らの、未だに謎の多い生態をひもとく興味深い一冊です。
(堀井拓馬 小説家)

秋に巣穴で卵から孵化した幼生は、春、川に出てきます。その1年の成長と、数年後の変態、成熟、そして繁殖とオスの子育てを、人間の成長と重ねあわせて描きます。

去年の秋にタマゴから生まれて、寒い冬を乗り越えたオオサンショウうオのこどもの一生が描かれてました。オオサンショウウオの寿命は、60年以上とも70年以上とも言われ、人間とは、大人になるまでの時間、そして寿命も同じくらいです。オオサンショウウオの大人の手と足・人間の赤ちゃんの手と足の大きさの手形が比較したのが掲載されてます。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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