
風邪を引いて高熱を出してしまったあっちゃん。 氷を食べようと冷凍庫を開けると、いつかの雪の日に作った、うさぎのゆきだるまがあらわれた!
「あっちゃん! あいたかった!」
うさぎに導かれて冷凍庫のなかに入ると、そこは一面雪景色の世界。 パーティーをしようと言ううさぎといっしょに、雪を使ってごちそうを作るあっちゃん。 雪のたいやき、雪のにんじん、雪のケーキ、すごいごちそうがたくさん! よろこぶあっちゃんですが、パーティーをするにはふたりじゃちょっとさびしいかも……?
やわらかな白とひっそりとにじむ青を主にして描かれた、雪の世界の景色がみどころ! 一面の雪景色なのに、そこにはうら寂しい寒々しさはなく、どこかあたたかな味わいすら感じられる光景が広がります。 雪の色がまぶしいページのなかに、あっちゃんが着るパジャマの黄色や、うさぎの目の深い青など、差し色がきりりと映えてなんともあざやか。 そして、雪で作ったごちそうがいっぱいに並んだページ! どのごちそうも雪の色でしかないのに、とてもきらびやかでみずみずしいふしぎな印象があります。
うさぎのゆきだるまのかわいらしさにはもちろん、淡く味わい深い色づかいに、ほうとため息な一冊。
さて、ふと眠りから覚めると、すっかり熱もさがっていたあっちゃん。 うさぎとのパーティーは夢? けれどあっちゃんは布団のなかでにこにこ。 どうやら、夢でない証拠を見つけたようです……
(堀井拓馬 小説家)

かぜをひいて、高い熱がでたあっちゃん。「おかあさん、もう一個 氷がたべたい」 ふとんから呼んでみたけれど、返事がない。しかたなく、あっちゃんは自分でを取りに冷凍庫を開けた。 すると突然、白くて冷たいものが飛びだしてきて…。 目をとじると、会いたかったひとに会える。そんな心の奥の想いを描く珠玉の絵本。

真っ白な雪野原で遊ぶあっちゃんとゆきだるまうさぎの絵が、とても印象的な絵本でした。
熱をだしたあっちゃんが、氷を食べようと冷凍庫をあけたら現れたゆきだるまうさぎ。
前に雪が降った時にあっちゃんが作ってから、
ずっとあっちゃんの心の中の冷凍庫にいたと言って、
二人で冷凍庫へ飛び込むと、美しい銀世界。
最後はベッドで目が覚めるんですが、これは夢だったのか、それとも!?不思議な余韻が残る物語でした。 (tori.madamさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子4歳)
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