
本書のモチーフになっているのは、スイスのチロル地方に伝わる“ファミリーツリー(家族の木)”の風習です。結婚したり、子どもが生まれたりなど、家族が増えるたびにりんごの木を植え、家族とともに成長して家族を見守ります。 主人公・チロルくんは村に暮らす男の子。チロルくんにとってここは世界でいちばん好きなところ。村での生活も、自然の景色も、家族や動物たちも、幼なじみの女の子・エーデルちゃんのことも、みんな大好き。花が咲いて、雪が降りつもり、牛を育て、宿題をして、収穫や家族の成長を歌をうたってお祝いする。そんな毎日がなによりもほこらしい。大きな、大きな世界の中で、チロルくんにとってはここがいちばん輝いているのです。そこにはいつもりんごの木があって、見守っています。チロルくんの恋の思い出や未来の家族との生活を。これまでも、これからも、家族の木であるりんごの木がそばにいます――。 本書は、2016年3月にNHKで放送されたアニメの原作絵本。

荒井良二さんの描く山が、とても好きです。
ずーんと大きく、力強いみどり色で
読んでいるわたしを、しっかりと包み込んでくれているような気持ちになります。
そう、まるで、お父さんみたい!
雪で覆われた景色も夜の暗さも、
荒井良二さんが描くと、生命力で溢れるから不思議です。
いや、生命力あふれるものたちを、
絵に描けるから、荒井良二さんはすごいのかな。
すこしも取りこぼすことなく、描き切っているからこそ
ページからパワーが溢れ出すのかもしれないと思いました。 (なーお00さん 30代・その他の方 )
|