えがしらみちこさんの、雪景色があふれる絵本です。
ちいさな女の子が家のなかから外を見て、窓辺でびっくりした顔をしています。
窓からつららが下がり、枠のふちには雪。
そう、外は雪!
「おきにいりの まふらー まいて
ぼうしに てぶくろ
ぶーつを はいて」
「じゅんびできたよ
いってきまーす」
きらきらまぶしい、銀世界。
赤いコートを着て、黄色いぼうしとマフラーを身につけた女の子は、さんぽにでかけます。
さく、さく、さく。
一面、雪の道。
ぱさっ、ぱさっと音がします。
ぴとっ、ぴとっと音がします。
雪がつもった、色あざやかなつばき。
軒にひかる、つらら。
樹々や草が雪をかぶった道を、さく、さくと歩いた先には、たのしい遊びが待っていました!
遊んでいるうちに、また空から雪がふってきて……。
雪がふりつもった、ある一日。
さんぽにでかけた子どもの、弾むような心が、画面からつたわってきます。
はっと目をひく、水彩画のやさしいあざやかさに、心を洗われます。
読み聞かせをする大人も、子どもの気持ちにもどっていくような感覚を味わえます。
まっしろい世界に足をふみだす、よろこびいっぱいの、ゆきみちさんぽ。
宝物のような、うれしい時間の絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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