
「ゆうら ゆう らいいいいい きいの しいたあ ようううう」
もしも、森の奥からこんな奇妙な声が聞こえてきたとしたら。 あなたらどうするでしょう?
アリスは言うのです。 「たしかめにいきましょう!」 ジャックは言います。 「でも、こわーいオオカミだったら どうするのさ。 ぼく、おうちに帰りたいよ」
読者のほとんどが、ジャックの気持ちにうなずいたことでしょう。 でも、アリスは意思を変えません。 大丈夫だからと、ジャックの手をにぎって、森の中へと入っていくのです。
「はあは べえどおわあ かあでえ やあさあし まあすう」
どんな声で聞こえているのか想像するだけで、ドキドキしてきます。 アリスはどうして平気なのかしらね。確かめるために、どんどん奥へと進んでいきます。 その時…!?
この先の物語の続きには、ふたりの意外な行動と、思いもよらない優しい世界が待っています。もちろん、これはファンタジー。でも、子ども達が眠る前には、実にちょうどいい冒険の世界なのです。
「こわい!だけど たしかめたい!」
この絵本についている、キャッチフレーズ。 こんなこと言われたら、どうしたって、確かめたくなっちゃいますよね。オクセンバリーの描く美しい森の風景。そして、好奇心旺盛な姉アリスと、こわがりな弟の関係にも心癒されます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

アリスとジャックが、庭でボールあそびをしていると、森からへんな声がきこえてきました。 ゆうら ゆう らいいいいい きいの しいたあ ようううう なんの声でしょう。 ふたりはたしかめようと、ゆうきをだして森へとむかいますが……。 対照的に描かれた、こわがりな弟と好奇心旺盛なお姉さん。 ふしぎな声にさそわれて、物語の世界にどんどんひきこまれます。 その先に待っているのは、とびきりやさしい世界。 オクセンバリーの絵が美しい、おやすみ絵本です。 4歳から6歳くらいのお子さまに、特におすすめです。

「ゆめみるじかんよこどもたち」というタイトルからは、想像
できないような物語の進み方です。ちょっと怖い。なにせ、森の中から聞こえてくる声の主をたしかめに、幼い姉弟が森の奥へと入っていくのですから。
怖がりの娘は「そんなところに行かずに、家に帰ればいいのに」と、ずうっと心配そうでした。
最後は、安心してましたけどね。
「でもさあ、おおかみさんって早寝過ぎない?」
「うーん。夜行性だから日中眠るんじゃないの?」
「あれ、夕方でしょ?あの時間に寝たら夜起きられないよ」
という会話も、娘との間でなされました(笑)。 (ぽこさんママさん 50代・ママ 女の子11歳)
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