
捨て犬だったチロリが殺処分の直前で助けられ、厳しい訓練を乗り越えて日本で初めての「セラピードッグ」となり、たくさんの人々の心や体の治療を助けるために活躍してゆく姿を丁寧に描いた絵本です。
本書の著者である大木トオルさんは、ミュージシャンとして活動しながら、30年以上に渡って捨て犬や被災犬の救出とセラピードッグ育成を行い、広くセラピー活動を続けている、国際セラピードッグ協会の代表です。
保健所につかまってしまう犬たちのこと、セラピードッグになるための訓練、身体が不自由なおじいさんおばあさんの様子……。子どもにとっては少し難しい事がらも、丁寧な言葉と優しいタッチで描かれた絵で理解しやすく、わかりやすい物語になっています。
チロリの気持ち、おじいさんおばあさんの気持ち、そしてチロリの飼い主のおじさんの気持ち……登場するいろんな人の気持ちを想像しながら読むようにすると、一層理解が深まるかもしれません。
(洪愛舜 編集者・ライター)

殺処分寸前に大木さんに助けられたチロリ。そのチロリがどん底から懸命に努力し、セラピードッグとなって、多くの人びとを助けます。命の尊さ、弱いものを助ける思いやりの心、努力すれば困難も乗り越えられる、ということを教えてくれるチロリ。そのセラピードッグの物語。

捨て犬を拾い買い始めたと、読み始めた時はまあこんなこともあるかな?
と思いながら見ていましたが、実話だと途中からわかりました。
チロリ自身が捨て犬という立場だったから、人にも仲間の犬にも
優しさという気持ちを忘れないで接する事ができたのだと
感じました。
おじさんがよくチロリやチロリの仲間の面倒をみて
犬と人との信頼関係を結べたのだと思います。
何度も読み返して見ると、文章に表れていない事柄が
細かな絵に出ているのがわかる作品です。
読み終えてからじっくり絵を見てくださいね。 (ゆうちょさんさん 60代・じいじ・ばあば )
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