
「骨の旅」をたどりなおしていくことは、私たちと、たくさんの生きものたちとのつながりを、みつけなおす旅でもあるのです。
どんなことにも「はじまり」というものがあります。「はじまり」があるから「いま」がある。「遠いところ」や、「はるかな時」のことを考えるのは、「いま」とか「ここ」とか「じぶん」とか、そういうものを知りたいからだと思ってきました。 この絵本は「科学絵本」と呼ばれる分野に入るかと思います。でも、私がほんとうに伝えたかったことは「知識」ではありません。願ったことは、「いま」「じぶん」が「ここ」にいることが、どれほどかけがえのないことなのか、それを感じてほしいということでした。人間同士だけではなく、あらゆる生き物がつながりあっている、その「つながり」に対する感覚や想像力こそが、これから最も大切なことだと思えてなりません。「骨の旅」とは、私たち自身の、そして、私たちとたくさんの生き物たちとのつながりを見つけなおす旅でもあるのです。 (著者コメント)

海の中で生命がうまれ、体が複雑になり、大型化し、骨を持つ物があらわれ、陸へとあがっていった。生活の場を産みから川に変えていく中で、カルシウムを貯蔵しておくためしっかりとした背骨ができていく。その流れはとても自然で、生き物の進化がすっとはいってきます。少しずつ少しずつ、生活の場に合わせて姿形を変えてきて、この世にいるすべての生き物の骨にはその秘密がつまっていると思うと、なんだかとても不思議ですごくて、感動しました。骨の、体を支える、臓器を守る、血を作る。という役割も、よく分かりました。すばらしい絵本だと思います。 (みっとーさん 30代・ママ 男の子8歳、女の子7歳)
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