
この絵本のはじまりは、なかなか衝撃的です。 ねずみが、おおかみにぱくっと食べられてしまうのです。 主人公なのに!
でも実は、面白いのはここから。 真っ暗なお腹の中でおうおう泣いていると、誰かいる。 見ると、パジャマを着てベッドに入って寝ていたらしい、あひるです。 驚くねずみをよそに、あひるはあっという間に朝食の支度を整えます。 (お腹の中で、ですよ)
「ようこそ わがやへ。 ぱくっと くわれたけど、 べつに どうってこと ないし」
なんでしょう、このカラッとした感じ。 そしてあひるの言う通り、おおかみのおなかの暮らしは意外と悪くないのです! 必要なものはおおかみに飲み込んでもらえばいいし、何よりおおかみは森では無敵。 安全なのです。 ふたりいれば、退屈だってしない。
ところが、ある日。 そんなおおかみの天敵がやってきます。 かりゅうどです。 おおかみ、大ピンチ! その時、あひるとねずみのとった行動は……?
まさに予測のつかない展開の繰り返し。 あひるが何を言い出すのか、おおかみがどんな行動をおこすのか。 結局ねずみはどうするのか。 そりゃあそうですよね、最初の設定から想定外なのですから。 だけど物語のクライマックスはやってきます。 「おりゃーーっ!」 あまりに愛らしく、それでいて健気で、ユーモラス。 ちょっと涙が出てくるくらい。
世界中で大人気の絵本作家マック・バーネット&ジョン・クラッセンのゴールデンコンビによる最新作を、なかがわちひろさんによる軽快な翻訳で。大爆笑の連続に「これぞ絵本の醍醐味!」と幸せな気持ちになってしまうのは子どもたちだけではないはずですよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

ある朝、ねずみは、おおかみにぱくっと食べられてしまいました。ところが、おおかみのおなかのなかには、すでにあひるがすんでいました。あひるは「ここは、すみごこちがとってもいいから、外の世界にはもどりたくない」と言います。そこで、ねずみもいっしょ にくらしはじめますが…? 大人気絵本作家コンビが贈る、ゆかいな絵本。読み聞かせにおすすめ!

ジョン・クラッセンの絵だったので、
また不気味な話かと
ちょっと身構えて読んだのですが、
不気味は不気味でも小気味いい感じで、
子どもと一緒に笑いながら読みました。
設定はピノキオに似ているけれど、
気持ちの持ち方は真逆で、ものすごいプラス思考で
効率的で、うらやましささえ感じてしまいます。
なかがわ ちひろさんの訳の力もあるんでしょうね。
面白かったです。 (まことあつさん 30代・ママ 男の子7歳、男の子4歳)
|